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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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ストローフィ・リング(20)


+ + + + + + + + + +
・・・前回生理が来たのはいつだっただろうか。
ざっと記憶を呼び起こしても、思い出せない。
いつから? いつから止まっている?
そしてまもりの顔が紙のように白くなっていく。
まさか。
・・・まさか、そんな。
無意識のうちに腹に手を当てる。
ここに、もしかして。
不意にあの日のことが思い出される。


蒸し暑い日。
熱が籠もって気持ちが悪いくらい熱かった布団。
襲いかかる腕。
薄暗い室内。
悲鳴を塞ぐ左手に、指輪。
まもりの全てをぐちゃぐちゃにしてしまった悪夢のような一時。
そうして。
極力忘れようとしていた―――ぬめる、下肢。
あの時、彼は・・・?


「いや・・・」
ばさりと鞄が落ちる。
まもりは頭を抱えた。
「いやあ・・・」
そしてその場にしゃがみ込んでしまった。
唐突に気づいてしまった事実に、身体が勝手にがくがくと震える。
怖い。
恐ろしい。
「いやあああああああ!!!」
叫びは唐突にその喉から溢れ、それで全ての気力を使い果たしたような風情で、まもりはその場に意識を失って、倒れた。



まもりが目を覚ますと、そこは病院のようだった。
外は暗く、しんと静まりかえっている。
腕には点滴の針が刺さり、身体は病人用の寝間着で覆われている。
起きあがると、酷く頭と胃が痛かった。
ここはどこだろうか、何故こんな所に、と考えたところで、自らの行動を思い出す。
そして、その発端となった事も。
こども。
もしかして、こどもが、できて、いたら。
急激に吐き気が襲ってきて、まもりは口を押さえたが、遅かった。
ぼたぼたと口から溢れたのは。
どす黒く、鉄錆の匂いを発する、―――血。
着せられていた寝間着にじわじわと黒いそれらが滲む。
一体自分の身体に何が起こっているのか判らない。
「・・・にげ、なきゃ」
まもりの喉から、掠れた声が漏れる。
点滴を抜いて、まもりはぺたりと床に降りる。
そしてふらりふらりと覚束ない足取りで、裸足のまま、まもりは夢遊病患者のように歩き出した。


<続>
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