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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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鬼さんこちら(上)

(ヒルまもセナ)

+ + + + + + + + + +
ふわりとまもりから香った匂いに、セナは小首を傾げた。
途端に飛んでくる心配そうな声。
「どうしたの、セナ」
「ううん」
すぐに首を振る。咄嗟に、ではなく実は考えた上で。
匂いの事なんて話題にされては嫌だろう。
決して嫌な匂いではないし、どこかで嗅いだようなこともあるような匂いだけれど。
いたずらに何かの匂いがする、と言ってまもりを困惑させたくなかったのだ。
「それよりもまもり姉ちゃん、体調悪い?」
「え? どうして?」
「うーん・・・なんとなくだるそうに見えたから」
「そう? そんなことないんだけどなぁ」
まもりは頬をつるりと撫でる。つやつやとした肌は白く、唇は赤い。
健康そうには見える。見えるのだけれど、目元がなんとなく眠そうに見えたのだ。
僅かに赤く腫れたような目尻が妙に艶めかして気になったのだ。
普段からこれくらいの距離は当たり前で、間近で見ている分誰よりもその変化には敏感だと自負している。
「調子が悪いなら朝練くらい休みなよ」
まもりは苦笑する。
「ヒル魔くんになんて言われるか」
「調子が悪いまま来て悪化した方が煩いと思うけど」
「悪くないわ」
きっぱりと言い切るまもりに大丈夫かなぁ、と眉尻を下げたところで。
「なにトロットロ歩いてやがる」
「「!」」
背後からぬっと現れたのは件の悪魔。
ネクタイのない制服に、相変わらずのマシンガン。
やましいことを話していたわけでもないのに、二人とも咄嗟に息を詰めてしまった。
「んもうヒル魔くん! 驚かさないで! おはよう!」
「さっさと歩け」
「ちょっと! 挨拶くらいちゃんとなさい!」
「うわっ!」
まもりの言葉を無視し、ヒル魔はセナの尻を蹴飛ばす。
「あっ! ヒル魔くん、何するのよ! セナをいじめないで!」
つんのめったセナとヒル魔の間に、まもりは天性の才能とでも言うべき保護欲で回り込んだ。
「ホー?」
楽しげに瞳を細めたヒル魔を前にしてもたじろぐことはない。
「何よ」
「俺は挨拶ならちゃんとしたぜ?」
胸を張ってセナを庇うまもりの横をさっさとすり抜けて、その瞬間。
「・・・―――」
密やかに何かを囁いた。
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ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。

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