忍者ブログ
旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

* admin *  * write *  * res *
[1142]  [1141]  [1140]  [1139]  [1138]  [1137]  [1136]  [1135]  [1134]  [1133]  [1132
<<08 * 09/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  *  10>>
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

鬼さんこちら(上)

(ヒルまもセナ)

+ + + + + + + + + +
ふわりとまもりから香った匂いに、セナは小首を傾げた。
途端に飛んでくる心配そうな声。
「どうしたの、セナ」
「ううん」
すぐに首を振る。咄嗟に、ではなく実は考えた上で。
匂いの事なんて話題にされては嫌だろう。
決して嫌な匂いではないし、どこかで嗅いだようなこともあるような匂いだけれど。
いたずらに何かの匂いがする、と言ってまもりを困惑させたくなかったのだ。
「それよりもまもり姉ちゃん、体調悪い?」
「え? どうして?」
「うーん・・・なんとなくだるそうに見えたから」
「そう? そんなことないんだけどなぁ」
まもりは頬をつるりと撫でる。つやつやとした肌は白く、唇は赤い。
健康そうには見える。見えるのだけれど、目元がなんとなく眠そうに見えたのだ。
僅かに赤く腫れたような目尻が妙に艶めかして気になったのだ。
普段からこれくらいの距離は当たり前で、間近で見ている分誰よりもその変化には敏感だと自負している。
「調子が悪いなら朝練くらい休みなよ」
まもりは苦笑する。
「ヒル魔くんになんて言われるか」
「調子が悪いまま来て悪化した方が煩いと思うけど」
「悪くないわ」
きっぱりと言い切るまもりに大丈夫かなぁ、と眉尻を下げたところで。
「なにトロットロ歩いてやがる」
「「!」」
背後からぬっと現れたのは件の悪魔。
ネクタイのない制服に、相変わらずのマシンガン。
やましいことを話していたわけでもないのに、二人とも咄嗟に息を詰めてしまった。
「んもうヒル魔くん! 驚かさないで! おはよう!」
「さっさと歩け」
「ちょっと! 挨拶くらいちゃんとなさい!」
「うわっ!」
まもりの言葉を無視し、ヒル魔はセナの尻を蹴飛ばす。
「あっ! ヒル魔くん、何するのよ! セナをいじめないで!」
つんのめったセナとヒル魔の間に、まもりは天性の才能とでも言うべき保護欲で回り込んだ。
「ホー?」
楽しげに瞳を細めたヒル魔を前にしてもたじろぐことはない。
「何よ」
「俺は挨拶ならちゃんとしたぜ?」
胸を張ってセナを庇うまもりの横をさっさとすり抜けて、その瞬間。
「・・・―――」
密やかに何かを囁いた。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

管理人のみ閲覧可能にする    
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
カウンター
プロフィール
HN:
鳥(とり)
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。

【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
最新コメント
[01/05 鳥]
[01/05 NONAME]
[10/21 NONAME]
[10/11 坂上]
[10/02 坂上]
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
フリーエリア
powered by NINJA TOOLS // appeal: 忍者ブログ / [PR]

template by ゆきぱんだ  //  Copyright: hoboniti*kotori All Rights Reserved