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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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ドッグ・ハウス(下)


+ + + + + + + + + +
「何やりてぇんだ」
「ヒル魔くん、今日疲れてるでしょ」
疑問形ではなく、断定。
まもりはヒル魔を強引に引き、無理矢理自らに持たれ掛けさせた。
「たまには寄りかかってもいいのよ?」
丸い肩に頭が当たる。けれど背もたれがある椅子ならともかく、ベンチではバランスが取りづらい。
「それならこっちにしろ」
「え」
ぐい、とまもりを押すとベンチの端まで追いやる。
そうしてからベンチに横たわり、まもりの太股を枕代わりに。
「・・・!」
まもりが赤くなるのを下から見上げながらヒル魔は口角を上げる。
「な・・・」
「糞柔らけぇ脚デスネ」
言いながら腰に手を回し、その薄い腹に顔を埋める。
甘ったるく優しい彼女自身の匂いと、日向の匂いとが混ざり合う。
思わず嘆息したヒル魔の頭を、そっとまもりの手が撫でた。
しばらく無言のままで時は流れたが。
「ヒル魔くん、撫でられるの好きなのね」
囁くようにまもりの声が降る。
けれど返事はしないまま、ヒル魔は妙に安堵する自分をおかしいと自嘲しつつ眸を閉じた。


(やっぱりゴールデン、かなあ。ラブラドールにしちゃ毛が長いのよね)
まもりはヒル魔の頭を撫でながらその頭に付いている犬耳を眺めていた。
今朝からずっと、犬耳としっぽが見えたのだ。それもヒル魔にだけ。
彼のことならきっとピンと立った耳が似合いそうなものだが、なぜだか垂れた濃い金色の耳としっぽだったのだ。
一瞬彼の悪ふざけかとも思ったが、誰もそれについて口にしないし、彼が怖いから黙っているのかと思ったが他の部員たちの視線もそこに向かうことはなく、噂が流れる様子もない。
ということは自分一人に見えるのだろうか、と思い至って。犬種はなんだろうかと色々考えていた。
そうして次いで触ったらどうなのか、と興味を覚えたのだ。
(柔らかい)
耳を撫でると、それはしっとりとした手触りの犬のものだった。
かなり不審な動きをしていたまもりに対しても違和感こそ覚えつつ嫌悪にはなっていないのがよく分かった。
今も上機嫌で振られているしっぽが何よりの証拠。
しっぽも触りたいなあ、と思うのだが、いかんせん位置が悪い。
触った途端痴女呼ばわりされるのは間違いないだろう。
ここは耳で我慢しておこう、と撫でていると、ヒル魔がもぞりと身じろいだ。
「どうしたの?」
癒しの女神の顔でそう口を開いたが、ヒル魔は返事をしない。
しっぽはまだ振られているし、そうそう機嫌が悪いはずもないのだが、と思っていたが。
「!?」
するりとヒル魔の手が腰から胸へと動いたのだ。
むに、と服越しにも豊かなそこを掴まれ、まもりは目を見開いた。
「ちょ!? なに、やってんの?!」
「そりゃこっちの台詞だ」
もう片方の手で、頭を撫でていた手を掴まれる。
「誘ってんだろ」
指先が触れていたのは耳。まもりは犬耳を触っているつもりだったけれど、もしかして。
「耳・・・嫌だった?」
ぐい、とまもりを抱き寄せると同時に自らは身体を起こす。
僅かにベンチが動いたが、気づけばまもりはヒル魔の膝に抱えられていた。
「ヒル魔くん、や、ここ、部室・・・っ」
焦って身をよじるまもりを易々と抱え、ヒル魔は彼女の唇をぺろりと舐めた。
強請るようなその仕草。
そういえば彼は耳が弱いのだといつだか聞いたような気がする。
器用な手は既にまもりの衣服を乱しに掛かっていて、逃げられそうにない。
追い詰められ、次第にまもりの意識は熱に浮かされていく。
「逃がさねぇよ」
荒い息の合間に囁かれ、まもりはぞくりと背筋を震わせ彼からの唇を受け止める。
(そういえば・・・垂れた耳の犬は狩猟犬なんだっけ・・・)
彼にとってはまもりが獲物と言うことなのだろう。
それに否やはなく、まもりはうっすらと笑みを浮かべると彼の首筋にしがみつく。
その背後でぱたぱたと響くしっぽの音に耳を澄ませながら瞳を閉じた。


***
以前書いた『ドッグ・ラン』に似た話。ヒル魔さんにだけ犬耳しっぽが見えるまもりちゃん。
触りたくて仕方ないけどなかなかうまくいかずやっと触れた! と思ったら襲われてます。
うんうん、大型犬が懐いてくるとカワイイです。
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