旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
泥門高校のアメフト部は去年の春まで君臨していた魔女・悪魔の年子タッグのおかげで無類の強さを誇っていた。
何しろ、一昨年の秋大会、クリスマスボウルまで制覇したのだ。
それも正統派の、きちんとしたプレースタイルで。
泥門デビルバッツと言えば、伝統的にブラフや心理戦を繰り広げる傾向があった。
それもメンバーによるので近年はばらつきがあったが、去年一昨年の二年間は正統派プレーがメインだった。
ブラフも多少はあったが。
その年子タッグが今年卒業したため、近隣の学校のアメフト部は喜んだ。
曰く、今年こそは勝てる、と。
今年は大幅にメンバーチェンジがあるため、泥門高校はもはや敵ではない、と。
悪魔コーチが年子タッグの父親なのは既に知られているため、きっと子供が卒業したのならコーチも辞めただろうと踏んだのだ。
事実、今年の春大会は、泥門高校の試合は大したところまで進まず、二回戦で姿を消した。
これならば今年の秋大会はいける、と思ったのは仕方がないだろう。
そんな周囲の淡い期待を裏切って、悪魔がひっそりとその鎌首を持ち上げる。
秋大会が始まる。
泥門デビルバッツは相変わらず赤と黒を基調にしたユニフォームを纏っていた。
初戦は前回二回戦で倒された相手だ。
過去の記憶の影響で、相手はデビルバッツを下に見ていた。
ベンチを見てもあの悪魔のようなコーチは見えず、年子のような極端に人間離れした外見の者もいない。
けれど。
「・・・うぉっ!?」
押してくるライン壁の強硬さに、自然声が引きつる。春先とは比べものにならない。
夏を間に挟んでいるとはいえ、ここまでになっているとは信じられずたたらを踏んだ。
「な、こいつら・・・!?」
そしてQBがボールを手渡した相手は。
「え!? 消え・・・」
「何だ?! あいつ、速すぎる・・・!!」
素晴らしい俊足と高校生では滅多に見られないクロスオーバーステップで次々と敵を追い抜いていく。
光速の足。
その背中には、燦然と輝く「21」の文字。
「うぉおおお!!」
最終防衛ラインまであっという間に迫られ、焦って止めに入ったSもあっさりと抜き去られ。
「タッチダウーン!!」
響く審判のホイッスル。途端、客席側から派手な歓声が上がった。
「やったぁああ!!」
ぽい、とボールを放り投げてメットを外し、他の面子とハイタッチするのは小早川美佳。
「美佳、ナイスラン!!」
きゃーきゃーと手を取り合って騒ぐのは彼の母親の鈴音、そうして悪魔コーチの妻・まもりだ。
「さすがセナと鈴音ちゃんの子だけあるわね!」
「えへへ!」
「それに練習もみっちりやるしセナに教えてもらったりしてるっていうし・・・美佳くんの努力もすごいのよね」
才能だけじゃなく、努力もした結果のこの走り。
笑顔で褒め称えるまもりに、鈴音は我が子の活躍をより誇らしく感じ、笑顔で頷いた。
<続>
何しろ、一昨年の秋大会、クリスマスボウルまで制覇したのだ。
それも正統派の、きちんとしたプレースタイルで。
泥門デビルバッツと言えば、伝統的にブラフや心理戦を繰り広げる傾向があった。
それもメンバーによるので近年はばらつきがあったが、去年一昨年の二年間は正統派プレーがメインだった。
ブラフも多少はあったが。
その年子タッグが今年卒業したため、近隣の学校のアメフト部は喜んだ。
曰く、今年こそは勝てる、と。
今年は大幅にメンバーチェンジがあるため、泥門高校はもはや敵ではない、と。
悪魔コーチが年子タッグの父親なのは既に知られているため、きっと子供が卒業したのならコーチも辞めただろうと踏んだのだ。
事実、今年の春大会は、泥門高校の試合は大したところまで進まず、二回戦で姿を消した。
これならば今年の秋大会はいける、と思ったのは仕方がないだろう。
そんな周囲の淡い期待を裏切って、悪魔がひっそりとその鎌首を持ち上げる。
秋大会が始まる。
泥門デビルバッツは相変わらず赤と黒を基調にしたユニフォームを纏っていた。
初戦は前回二回戦で倒された相手だ。
過去の記憶の影響で、相手はデビルバッツを下に見ていた。
ベンチを見てもあの悪魔のようなコーチは見えず、年子のような極端に人間離れした外見の者もいない。
けれど。
「・・・うぉっ!?」
押してくるライン壁の強硬さに、自然声が引きつる。春先とは比べものにならない。
夏を間に挟んでいるとはいえ、ここまでになっているとは信じられずたたらを踏んだ。
「な、こいつら・・・!?」
そしてQBがボールを手渡した相手は。
「え!? 消え・・・」
「何だ?! あいつ、速すぎる・・・!!」
素晴らしい俊足と高校生では滅多に見られないクロスオーバーステップで次々と敵を追い抜いていく。
光速の足。
その背中には、燦然と輝く「21」の文字。
「うぉおおお!!」
最終防衛ラインまであっという間に迫られ、焦って止めに入ったSもあっさりと抜き去られ。
「タッチダウーン!!」
響く審判のホイッスル。途端、客席側から派手な歓声が上がった。
「やったぁああ!!」
ぽい、とボールを放り投げてメットを外し、他の面子とハイタッチするのは小早川美佳。
「美佳、ナイスラン!!」
きゃーきゃーと手を取り合って騒ぐのは彼の母親の鈴音、そうして悪魔コーチの妻・まもりだ。
「さすがセナと鈴音ちゃんの子だけあるわね!」
「えへへ!」
「それに練習もみっちりやるしセナに教えてもらったりしてるっていうし・・・美佳くんの努力もすごいのよね」
才能だけじゃなく、努力もした結果のこの走り。
笑顔で褒め称えるまもりに、鈴音は我が子の活躍をより誇らしく感じ、笑顔で頷いた。
<続>
PR
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カウンター
カテゴリー
プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
最新コメント
最新トラックバック
ブログ内検索
最古記事
(02/16)
(02/16)
(02/16)
(02/16)
(02/16)
アクセス解析
フリーエリア