旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
唐突に現れた悪魔の車はあっさりとこちらを引き込んで出発した。
「おはよう! ごめんね、急に。ヒル魔くんがいきなり言い出して」
「誰かさんが毎日糞暑すぎて溶ける溶ける煩ェからなァ」
「あら誰のことかしら。ねえあかり」
「ねー?」
ワゴン車の中の座席は三列。
前列で運転席のヒル魔、隣にチャイルドシートに座ってるあかり、助手席にまもり。
「すみません、突然で。・・・って言ってもなんか読まれてた?」
「荷造り万全だし」
後部座席に窮屈そうに足を畳んで妖介と護。
「お父さんの言いそうなことくらい判るわ」
「ん。長い付き合いだしな」
「それで、どこに行くの?」
二人は真ん中の列に座った。
アヤの問いかけに、まもりが首をよじって背後に向く。
「海もいいけど、人も多いし山にしましょうかって話になったのね。それで、ヒル魔くんがコテージ借りてくれたの」
「近くにバーベキューが出来る場所があって、川で釣りもできるんだってさ」
「アスレチックもあるんだよ」
背後からにゅっと伸びてきた妖介の手にはHPをプリントアウトしたらしい施設の説明文がある。
「あかりねー、スイカわりする! むささんもやろうね!」
「おー割っとけ割っとけ」
ケケケ、と笑うヒル魔はガムを噛みながら危なげなくハンドルを操る。
「山は涼しいかしら」
「多少は涼しいんじゃない? ウチよりは高地なんでしょ?」
「そーだな」
住宅街を抜けて高速に乗り、一路、山へ。
ふとあかりがヒル魔を見た。
「あかりねー、カブトムシとクワガタムシ取るの」
「え、あかり、虫取りするの?」
怯えたようなまもりに気づかず、あかりは満面の笑みを浮かべる。
「うん! おかあさんも一緒に取ろ!」
引きつった笑みを浮かべたまもりを見て、ヒル魔はにやにやと笑うばかり。
「お母さんは虫さん苦手かなー・・・」
「えー?」
「父さんとでいいだろ」
ぽん、とあかりの頭を撫でるヒル魔の手を彼女が振り払う。
「やー! おかあさんととるの!」
「我が儘言うな」
違うもん、とむくれたあかりに、何かを察したらしい護が声を掛ける。
「じゃあ兄ちゃん達と一緒に行こうよ」
「・・・うん」
それにヒル魔がじろりと背後を睨む。が、護は飄々としたままだ。
あかりを中心とした雑談で車内は盛り上がりつつ、窓の外は段々と緑の割合を多くしていく。
山とはいえ暑いには変わりないだろうが、日差しを受けるのが山々の緑だというだけでなぜか涼しげに見える。
「そろそろ到着するわ」
ナビを見ていたまもりが声を掛ける。
それを合図に護が寝ていた妖介を揺り起こし、それぞれが降りる支度を始めた。
山奥のキャンプ場はそれなりに人出もあり、なかなかの賑わいだった。
やはり連日の暑さで考えることは皆同じらしく、一時の涼を求めてやってくるらしい。
「まずはバーベキューから?」
「それは夜でいいだろ」
「じゃあ後で準備するとして、とりあえずお昼ご飯に焼きそばでも作ろうかしら」
よし、と腕まくりするまもりの前に妖介と護の二人が立ちはだかる。
「昼は俺と護とで準備するよ」
「夜はお母さんにも手伝ってもらうからさ」
「え? でも」
戸惑うまもりの手を、小さな手が引く。
「おかあさん、川! 川にお魚いるんだって! 行こう!」
はしゃぐあかりの頭を撫で、ヒル魔も続く。
「おら行くぞ。出来たら呼べ」
「「はーい」」
そんな一家の様子を何となく見送っていたら、アヤが手を引いた。
「ん?」
「川縁は風が通って過ごしやすいそうですよ」
行きましょう、と微笑むアヤは嬉しげで、ついこちらも頬が緩む。
「川上の方に行くといいよー。父さん達は川下にいるから」
「そうそう。ムサシさん、父さんの的にならないように注意してね」
妖介と護の冗談じみて本気の助言を受け、あいつならやりかねない―――例え結婚しようと、それから二年経っていようとそう思わせるヒル魔の視界に入らないよう、アヤの手を取って川上へと向かった。
<続>
「おはよう! ごめんね、急に。ヒル魔くんがいきなり言い出して」
「誰かさんが毎日糞暑すぎて溶ける溶ける煩ェからなァ」
「あら誰のことかしら。ねえあかり」
「ねー?」
ワゴン車の中の座席は三列。
前列で運転席のヒル魔、隣にチャイルドシートに座ってるあかり、助手席にまもり。
「すみません、突然で。・・・って言ってもなんか読まれてた?」
「荷造り万全だし」
後部座席に窮屈そうに足を畳んで妖介と護。
「お父さんの言いそうなことくらい判るわ」
「ん。長い付き合いだしな」
「それで、どこに行くの?」
二人は真ん中の列に座った。
アヤの問いかけに、まもりが首をよじって背後に向く。
「海もいいけど、人も多いし山にしましょうかって話になったのね。それで、ヒル魔くんがコテージ借りてくれたの」
「近くにバーベキューが出来る場所があって、川で釣りもできるんだってさ」
「アスレチックもあるんだよ」
背後からにゅっと伸びてきた妖介の手にはHPをプリントアウトしたらしい施設の説明文がある。
「あかりねー、スイカわりする! むささんもやろうね!」
「おー割っとけ割っとけ」
ケケケ、と笑うヒル魔はガムを噛みながら危なげなくハンドルを操る。
「山は涼しいかしら」
「多少は涼しいんじゃない? ウチよりは高地なんでしょ?」
「そーだな」
住宅街を抜けて高速に乗り、一路、山へ。
ふとあかりがヒル魔を見た。
「あかりねー、カブトムシとクワガタムシ取るの」
「え、あかり、虫取りするの?」
怯えたようなまもりに気づかず、あかりは満面の笑みを浮かべる。
「うん! おかあさんも一緒に取ろ!」
引きつった笑みを浮かべたまもりを見て、ヒル魔はにやにやと笑うばかり。
「お母さんは虫さん苦手かなー・・・」
「えー?」
「父さんとでいいだろ」
ぽん、とあかりの頭を撫でるヒル魔の手を彼女が振り払う。
「やー! おかあさんととるの!」
「我が儘言うな」
違うもん、とむくれたあかりに、何かを察したらしい護が声を掛ける。
「じゃあ兄ちゃん達と一緒に行こうよ」
「・・・うん」
それにヒル魔がじろりと背後を睨む。が、護は飄々としたままだ。
あかりを中心とした雑談で車内は盛り上がりつつ、窓の外は段々と緑の割合を多くしていく。
山とはいえ暑いには変わりないだろうが、日差しを受けるのが山々の緑だというだけでなぜか涼しげに見える。
「そろそろ到着するわ」
ナビを見ていたまもりが声を掛ける。
それを合図に護が寝ていた妖介を揺り起こし、それぞれが降りる支度を始めた。
山奥のキャンプ場はそれなりに人出もあり、なかなかの賑わいだった。
やはり連日の暑さで考えることは皆同じらしく、一時の涼を求めてやってくるらしい。
「まずはバーベキューから?」
「それは夜でいいだろ」
「じゃあ後で準備するとして、とりあえずお昼ご飯に焼きそばでも作ろうかしら」
よし、と腕まくりするまもりの前に妖介と護の二人が立ちはだかる。
「昼は俺と護とで準備するよ」
「夜はお母さんにも手伝ってもらうからさ」
「え? でも」
戸惑うまもりの手を、小さな手が引く。
「おかあさん、川! 川にお魚いるんだって! 行こう!」
はしゃぐあかりの頭を撫で、ヒル魔も続く。
「おら行くぞ。出来たら呼べ」
「「はーい」」
そんな一家の様子を何となく見送っていたら、アヤが手を引いた。
「ん?」
「川縁は風が通って過ごしやすいそうですよ」
行きましょう、と微笑むアヤは嬉しげで、ついこちらも頬が緩む。
「川上の方に行くといいよー。父さん達は川下にいるから」
「そうそう。ムサシさん、父さんの的にならないように注意してね」
妖介と護の冗談じみて本気の助言を受け、あいつならやりかねない―――例え結婚しようと、それから二年経っていようとそう思わせるヒル魔の視界に入らないよう、アヤの手を取って川上へと向かった。
<続>
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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