忍者ブログ
旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

* admin *  * write *  * res *
[1307]  [1306]  [1305]  [1304]  [1303]  [1302]  [1301]  [1300]  [1299]  [1298]  [1297
<<10 * 11/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  *  12>>
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

heratburn(4)

+ + + + + + + + + +
普段はそれなりに忙しなく過ごしている面々が、日常を忘れてゆったりと楽しく過ごす空間。
疲れたからと連休を家でおとなしく過ごしてもいいが、こういうのもたまにはいいだろうと思う。
アヤも二人で居るときとはまた違う顔で穏やかに過ごしているし。
「なにニヤニヤしてやがんだ糞ジジイ」
ひょい、とよく冷えたビールが渡される。
具材を持って来たアヤと入れ違いでその場を離れ、ビールのプルトップを引き上げた。
「ん。一家団欒という言葉を実感したところだ」
「ケッ、糞ジジむせぇ話だな」
「そういえば、姉崎の両親は来なかったのか?」
「用事があるんだとよ」
一応あの二人も誘ったらしい。
傍若無人、傲岸不遜を地でいく悪魔なこの男はそう装って見せるだけで、実際に身内認定を下した相手には気遣いを欠かさない。
それも相手が気にしない程度に、ごくさりげなく行うことの方が多い。
実際にアヤの夫になって知ったことも数多い。
夫婦揃って細やかなことだ、と感心さえするほどに。
ごく他愛ない話をした後、豪勢に焼かれる肉に箸を延ばす。
野菜も食べて下さいね、とアヤに皿に放り込まれる野菜も突きつつ、まもりの傍らに近づく。
「飲んでるか?」
「うん。これ」
カクテル系の甘い酒の缶を振る。
「こういうの、久しぶりだわ。みんな仕事とか部活とか結構忙しくて、なかなか全員揃うことないし」
嬉しいわ、とまもりはカクテルを煽る。
「そうか」
幸せそうに笑うまもりはこちらのビールが少ないのを見て取ってすぐ次の缶を差し出した。
「ん。ありがとう」
「どういたしまして」
太陽が完全に落ち、降りそうな星空とたき火が光源の中、日常とは違う空気をただ感じる。
その間もまもりとの雑談は続いている。
「あかりと護がね、明日は朝早く山に入るんですって」
「何故だ?」
「カブトムシとかクワガタムシって罠を仕掛けておいて朝取るんだっていうのよ」
朝起きて、枕元においてあったらどうしよう。
そう呟くまもりには悪いが、思わず吹き出してしまった。
「多分姉崎の方にはいかないだろう」
「私の方には?」
「ああ」
と。派手な音がたき火の側から起こった。びくりと肩を跳ね上げ、そちらを見やる。
「何!?」
青い顔をしたアヤがあかりを抱きしめて二人の元に駆けてきた。
「厳さん、お母さん」
「どうした」
「あれ」
指さされた先には、妖介VSヒル魔と護。
ゆら、と妖介が揺れた。
「まさか・・・」
「お母さんが飲むかと思って買ったソレ、飲んじゃったみたい」
甘いジュースのようなカクテル。アヤの眉間に皺が寄る。
「兄ちゃんお酒飲んだの!?」
「ったく、相変わらず糞酒癖悪ィな糞馬鹿息子!」
「煩ぇな、糞嫁馬鹿の糞親父に言われたくねぇよ!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ出した三人にまもりは青くなり、アヤは舌打ちしかねない顔だ。
「ああもう。厳さん、あかりお願いします」
「あ、ああ」
あかりを押しつけられ、その勢いに頷く。
「妖介!」
アヤは身軽に三人の元に駆けつけ、妖介の腕を押さえつけるが。
「ケッ! いつまでも姉貴面すんなよ!」
流石に力は妖介の方が断然強い。舌打ちしてアヤが離れ、ヒル魔と並ぶ。
護は隙を見てその場を離れ、ヒル魔とアヤVS妖介という様相になった。
実際殴りかかられると妖介の力が一番強いため、ただではすまない。
かといって今この場にヒル魔の銃は見あたらず―――あったとしても息子相手に射撃はしないだろう―――足場が悪いのでアヤの方も分が悪い。
「うらぁ!」
「チッ!」
飛びかかってきた妖介をヒル魔が避け、アヤも躱す。
すかさず背後を取ろうとしたが、すかさず繰り出された蹴りを避けるので精一杯。
アヤは合気道、ヒル魔は柔道の段持ちだが、二人とも身体に触れないと技のかけようがない。
けれど妖介は少林寺拳法の段持ちなので打撃で攻撃してくるのだ。
しかも妖介は酔っていて容赦がない。
「おらどーした!」
二人相手でも止まることなく攻撃し続けるため、スタミナ切れかアルコールが抜けるのを待つ他にない。
少林寺拳法とアメフトで鍛えた
「糞馬鹿息子、調子に乗んじゃねぇ!」
火の側は危ないと、ヒル魔とアヤが徐々に妖介を火から離す。
酒のせいで頭が回ってない妖介は簡単に誘導された。
けれどこれからどうしたものか、と思いつつ。
今更傍観者の位置から動けないまもりとあかりに害が及ばないよう傍らに立つことしかできない。

<続>
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

管理人のみ閲覧可能にする    
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
鳥(とり)
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。

【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
最新コメント
[01/05 鳥]
[01/05 NONAME]
[10/21 NONAME]
[10/11 坂上]
[10/02 坂上]
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
フリーエリア
powered by NINJA TOOLS // appeal: 忍者ブログ / [PR]

template by ゆきぱんだ  //  Copyright: hoboniti*kotori All Rights Reserved