旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
まもりは送られて来たメールを開いて一読した後、一度携帯を閉じた。
そうしてもう一度開いてまじまじと見つめる。
その様子がおかしかったからだろう、隣席の同僚が不思議そうに尋ねた。
「どうしたの?」
「うん・・・」
まもりは曖昧に返事をして携帯を見つめる。
それはヒル魔からのメールで。
タイトルはなく、本文に一行のみ。
『金曜18時××駅西口改札前』
さてこの日に何かあっただろうか。
日付的には何かしらの記念日でもないし、アメフト関連の試合等もなかったはずだ。
何の用事だろうか、と思いつつも、誘いがあるのは単純に嬉しい。
「あの、今週の金曜日は早く帰っていい?」
「あ! デートね!」
そりゃ勿論OKよ! そう笑う同僚にそうなるといいんだけど、と。
あまり期待できない微妙な胸の内を隠してまもりは微笑んだ。
何しろ相手はあのヒル魔だ。
さて問題の金曜日。
指定のあった時間に待ち合わせの駅までたどり着くのは、結構大変だった。
仕事をしている身とはいえフリーランスで動いている(らしい)ヒル魔と違って、上場会社に勤めるまもりは定時に上がってもギリギリの時間となった。
「お、またせ」
既に待ち合わせ場所にいたヒル魔はふんと鼻を鳴らす。
「遅い」
「遅れてないでしょ!」
「5分前行動が当たり前だろうが」
時間ぴったりだったまもりの抱える荷物をさりげなく奪い取って、ヒル魔が歩き出す。
「ねえ、どこ行くの?」
慌ててついて行くまもりにヒル魔はひょいと封書を差し出した。
「あ!」
それはまもりが好きな女優の出る映画。しかも封切り前の、試写会への招待状だ。
「わあ! 私試写会って初めて! 嬉しい!」
ぱっと顔を輝かせたまもりにヒル魔は口角を上げる。
「そうか」
「ヒル魔くん、懸賞に応募したりとかしたの?」
「すると思うか」
「思わないけど」
まさか脅迫か、と疑うが、差し出された封書にはちゃんと彼の名前が入っている。
手段はどうあれ正規の招待客ということだろうか。
「見たくないのか?」
「見たいデス」
「じゃあ素直に連れられてろよ」
ケケケ、と笑う彼の手から荷物を取り返そうと思ったが叶わず、彼と共に目的のホールがあるビルへと入る。
「ここの11Fでやるの? あ、同じフロアに焼肉屋もあるんだ」
その声にヒル魔がちらりと彼女を見る。
「さすが糞つまみ食い元風紀委員様ですこと」
「もう! 何年前のことを蒸し返すのよ!」
シュークリームの話じゃないじゃない、と文句を言っても食い気ばっかだろと小馬鹿にされてむくれるばかり。
「ああ、もう大分並んじゃってるね」
これじゃいい席は期待できないかな、と思っていたらば、ヒル魔がまもりの手を引いてさくさくと進んで行くではないか。
行列する人の視線などものともしない。
<続>
そうしてもう一度開いてまじまじと見つめる。
その様子がおかしかったからだろう、隣席の同僚が不思議そうに尋ねた。
「どうしたの?」
「うん・・・」
まもりは曖昧に返事をして携帯を見つめる。
それはヒル魔からのメールで。
タイトルはなく、本文に一行のみ。
『金曜18時××駅西口改札前』
さてこの日に何かあっただろうか。
日付的には何かしらの記念日でもないし、アメフト関連の試合等もなかったはずだ。
何の用事だろうか、と思いつつも、誘いがあるのは単純に嬉しい。
「あの、今週の金曜日は早く帰っていい?」
「あ! デートね!」
そりゃ勿論OKよ! そう笑う同僚にそうなるといいんだけど、と。
あまり期待できない微妙な胸の内を隠してまもりは微笑んだ。
何しろ相手はあのヒル魔だ。
さて問題の金曜日。
指定のあった時間に待ち合わせの駅までたどり着くのは、結構大変だった。
仕事をしている身とはいえフリーランスで動いている(らしい)ヒル魔と違って、上場会社に勤めるまもりは定時に上がってもギリギリの時間となった。
「お、またせ」
既に待ち合わせ場所にいたヒル魔はふんと鼻を鳴らす。
「遅い」
「遅れてないでしょ!」
「5分前行動が当たり前だろうが」
時間ぴったりだったまもりの抱える荷物をさりげなく奪い取って、ヒル魔が歩き出す。
「ねえ、どこ行くの?」
慌ててついて行くまもりにヒル魔はひょいと封書を差し出した。
「あ!」
それはまもりが好きな女優の出る映画。しかも封切り前の、試写会への招待状だ。
「わあ! 私試写会って初めて! 嬉しい!」
ぱっと顔を輝かせたまもりにヒル魔は口角を上げる。
「そうか」
「ヒル魔くん、懸賞に応募したりとかしたの?」
「すると思うか」
「思わないけど」
まさか脅迫か、と疑うが、差し出された封書にはちゃんと彼の名前が入っている。
手段はどうあれ正規の招待客ということだろうか。
「見たくないのか?」
「見たいデス」
「じゃあ素直に連れられてろよ」
ケケケ、と笑う彼の手から荷物を取り返そうと思ったが叶わず、彼と共に目的のホールがあるビルへと入る。
「ここの11Fでやるの? あ、同じフロアに焼肉屋もあるんだ」
その声にヒル魔がちらりと彼女を見る。
「さすが糞つまみ食い元風紀委員様ですこと」
「もう! 何年前のことを蒸し返すのよ!」
シュークリームの話じゃないじゃない、と文句を言っても食い気ばっかだろと小馬鹿にされてむくれるばかり。
「ああ、もう大分並んじゃってるね」
これじゃいい席は期待できないかな、と思っていたらば、ヒル魔がまもりの手を引いてさくさくと進んで行くではないか。
行列する人の視線などものともしない。
<続>
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
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性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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