旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
「あの、すみません! 一言カメラの前でご感想をいただけませんか?!」
「ひゃいっ!?」
びくーっ、と。
尻尾があったら毛を逆立てて膨らます勢いで驚いた彼女に、取材クルーが近寄る。
「ああああの、泣いちゃったしお化粧も崩れてて恥ずかしいので!」
必死になって断るまもりだったが。
「いやいやいやいや! その涙が欲しいんです!」
ずい、と近寄るおそらくはディレクターらしい男性に迫られ、まもりは捕まっていたヒル魔の腕を強く握る。
「さあ、こちらへ!」
そんじょそこらでは見られないような美女が瞳を潤ませているのを発見したのだ。逃す手はないと考えるのが当然だろう。
お連れ様も、と案内されたが。
ヒル魔はぐい、とまもりを引いて道を逸れる。
「断る」
短い一言で、けれど威圧感のある笑みを浮かべたヒル魔に、強引にまもりを案内しようとしたディレクターは絶句した。
「来い」
腕にまもりをしがみつかせたままヒル魔は、悠然と階段に向かった。
そうして向かった先は、試写会に向かう前に見た焼肉屋で。
個室に通され、じゅうじゅうと美味しそうな音を立てて焼ける肉を前に、まもりはハンカチをまだ握りしめている。
「・・・まだ泣くか」
「だって凄く切なかったんだもの! 端々で笑えたから泣けるなんて思わなかったんだけど・・・」
思い出しては瞳を潤ませて言いつのるまもりにヒル魔は嘆息し、彼女の前の皿にひょいと焼けた肉を放り込んだ。
「食え。テメェ腹減ってっから余計に泣くんだよ」
「そんなこと・・・」
「映画見ながら腹鳴ってただろ」
「う」
かあ、と頬を染めるまもりに構わず、ヒル魔はひょいひょいと更に肉を載せていく。
「や、ちょっと! ヒル魔くんの分なくなっちゃう!」
「追加で頼めばいいだけだろ。とっとと食え」
自らも適当に摘みつつビールを煽るヒル魔は店員を呼ぶと言葉通り肉の追加オーダーをする。
「ヒル魔くん、焼き野菜も欲しい。あと、サンチュとエゴマも」
バランス良く食べたいの、と言うまもりにヒル魔はケッと呟きつつもそれらを頼む。
「酒は」
「これ以上はいいわ。酔ったらおうちまで帰れなくなっちゃう」
「ホー」
しばらくは無言で焼肉を二人してつつく。
肉ばかり食べるヒル魔の皿にも焼き野菜を乗せたり、焼き上がった肉をサンチュとエゴマで巻いて差し出したりと甲斐甲斐しく動き、まもりも段々と調子を取り戻す。
デザートまでしっかり食べて満足したまもりは、涙と酒とで赤くなった目元を綻ばせて口を開く。
「・・・今日はありがとね、ヒル魔くん」
思いがけずデートで嬉しかった、と笑うまもりにヒル魔は問う。
「礼は?」
「・・・今言ったけど、そうじゃなくて?」
えーと、ここ、奢ろうか? そう言ったまもりにヒル魔はにやあ、と笑った。
「金なんざどうでもいい」
悪魔のそれに、まもりの動きが固まる。
「スタミナもつけたことだしな?」
本日は金曜日、明日は休み。
「ニブってんじゃねぇぞ、糞ハニー」
ケケケ、とヒル魔は楽しげに笑って伝票とまもりの手を取り立ち上がった。
***
実は某御大と試写会行った際の実話+妄想だったりします。
「ひゃいっ!?」
びくーっ、と。
尻尾があったら毛を逆立てて膨らます勢いで驚いた彼女に、取材クルーが近寄る。
「ああああの、泣いちゃったしお化粧も崩れてて恥ずかしいので!」
必死になって断るまもりだったが。
「いやいやいやいや! その涙が欲しいんです!」
ずい、と近寄るおそらくはディレクターらしい男性に迫られ、まもりは捕まっていたヒル魔の腕を強く握る。
「さあ、こちらへ!」
そんじょそこらでは見られないような美女が瞳を潤ませているのを発見したのだ。逃す手はないと考えるのが当然だろう。
お連れ様も、と案内されたが。
ヒル魔はぐい、とまもりを引いて道を逸れる。
「断る」
短い一言で、けれど威圧感のある笑みを浮かべたヒル魔に、強引にまもりを案内しようとしたディレクターは絶句した。
「来い」
腕にまもりをしがみつかせたままヒル魔は、悠然と階段に向かった。
そうして向かった先は、試写会に向かう前に見た焼肉屋で。
個室に通され、じゅうじゅうと美味しそうな音を立てて焼ける肉を前に、まもりはハンカチをまだ握りしめている。
「・・・まだ泣くか」
「だって凄く切なかったんだもの! 端々で笑えたから泣けるなんて思わなかったんだけど・・・」
思い出しては瞳を潤ませて言いつのるまもりにヒル魔は嘆息し、彼女の前の皿にひょいと焼けた肉を放り込んだ。
「食え。テメェ腹減ってっから余計に泣くんだよ」
「そんなこと・・・」
「映画見ながら腹鳴ってただろ」
「う」
かあ、と頬を染めるまもりに構わず、ヒル魔はひょいひょいと更に肉を載せていく。
「や、ちょっと! ヒル魔くんの分なくなっちゃう!」
「追加で頼めばいいだけだろ。とっとと食え」
自らも適当に摘みつつビールを煽るヒル魔は店員を呼ぶと言葉通り肉の追加オーダーをする。
「ヒル魔くん、焼き野菜も欲しい。あと、サンチュとエゴマも」
バランス良く食べたいの、と言うまもりにヒル魔はケッと呟きつつもそれらを頼む。
「酒は」
「これ以上はいいわ。酔ったらおうちまで帰れなくなっちゃう」
「ホー」
しばらくは無言で焼肉を二人してつつく。
肉ばかり食べるヒル魔の皿にも焼き野菜を乗せたり、焼き上がった肉をサンチュとエゴマで巻いて差し出したりと甲斐甲斐しく動き、まもりも段々と調子を取り戻す。
デザートまでしっかり食べて満足したまもりは、涙と酒とで赤くなった目元を綻ばせて口を開く。
「・・・今日はありがとね、ヒル魔くん」
思いがけずデートで嬉しかった、と笑うまもりにヒル魔は問う。
「礼は?」
「・・・今言ったけど、そうじゃなくて?」
えーと、ここ、奢ろうか? そう言ったまもりにヒル魔はにやあ、と笑った。
「金なんざどうでもいい」
悪魔のそれに、まもりの動きが固まる。
「スタミナもつけたことだしな?」
本日は金曜日、明日は休み。
「ニブってんじゃねぇぞ、糞ハニー」
ケケケ、とヒル魔は楽しげに笑って伝票とまもりの手を取り立ち上がった。
***
実は某御大と試写会行った際の実話+妄想だったりします。
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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