旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
『・・・でね、目的地の空港に入るとその国の匂いがするんだって。
ハワイで降りた子は『ココナッツ臭がした』って言ってたし、トルコに行った子は『なんかスパイシーだった』って。
じゃあ日本は? って聞いたら、『お醤油の匂いがする』って言ってたの。
ホントかなあ。
だからヒル魔くん、こっちの空港で降りたらお醤油の匂いがしたか教えてね!』
・・・などという実に糞くだらねぇメールを寄越して。
当日は空港まで迎えに行くから! と息巻いていたハズの糞オンナだが。
俺はぐるっと周囲を見渡し、舌打ちした。
いねぇ。
国際線の場合、飛行機の時間がずれ込むことはしょっちゅうだ。
むしろ海外で生活してると一分と狂わない日本の交通機関が素晴らしいを通り越して怖くなる。
一応時計を確認したが、誤差は15分遅いだけというまずまずといったところ。
しびれを切らしてどこかに行ったという状況を作る程の時間ではない。
俺は鞄を担いで動いた。
飛行機の中はとても乾燥していて、やたら喉が渇く。
スタバでグランデを買い求め、カップを持って戻ってもやはり糞オンナの姿はない。
まあ、いい。
どうせあの糞オンナの事だ、やれ迷子だ困った年寄りだ外国人だとめざとく見つけては世話焼いて暇つぶして、肝心のテメェの目的忘れてんだろ。
俺の隣ではやはり人待ちしていたらしい女が無事出てきた人物に手を振り、その拍子に俺に気づいてびくりと肩を揺らした。
コーヒーで喉を潤しながら、興味なくそれを視界の端に入れた。
俺は気配がないのがデフォルトなので、こういったことはしょっちゅうだ。
不思議そうなその女どもがこちらをちらちらと伺いながら歩み去ろうとする。
知名度としちゃさほどでもねぇスポーツ選手だから知ってる奴はそういないだろう。
そう踏んで俺はそいつらを無視した。
そして、その隣を走ってきた人影に気づく。
揺れるのは赤茶の髪。
少し伸びたなと僅かな変化にさえ即座に気づく程に、離れていた間に繰り返し思い浮かべた顔。
それが赤く上気している。
喜びより焦りが勝っている表情が予想通り過ぎて、自然と口角が上がるのが判る。
ああ、やっぱりテメェは糞お人好しなのが治ってねぇんだな。
「ドコニイッテタカシリマセンガオカエリナサイ。ムカエニクルトカイッタノハドコノドイツデスカ」
カクカクと言いはなってやると、ぴょんと飛び上がって糞オンナは謝る。
「・・・! ごめんなさい・・・・・・・・・・・」
だが俺の上がった片眉を見てこちらの言いたいことにすぐ気づいたようだ。
「オカエリナサイ、ヒル魔君」
ふわんとその顔を綻ばせ、こちらを見上げる青い瞳。
「ハイドウモ」
それを間近に見つめて、俺はその頭をゴシャゴシャとかき回してやった。
柔らかい髪が、ボールを扱い続けて硬くなった手をするりと滑る。
「・・・あ! 思い出した! あれ、蛭魔妖一じゃない!?」
「ええ?! NFLの?!」
先ほどの女どもがこちらに気づいたようだ。
よく知ってたな、褒めてやろう。
にやりとそいつらに見せつけるように笑い、俺は糞オンナの手を引いた。
「行くぞ」
「うん」
俺達はタクシーを捕まえるべく外へ出る。
吹き付ける風に糞オンナは自らのメールを思い出したようだ。
「ねえヒル魔くん、ホントにお醤油の匂いした?」
期待に満ちた声に、俺は素っ気なく答える。
「いーや」
「そうなの?」
ガッカリしたような糞オンナの手を引き寄せ、この腕に抱く。
「糞甘臭ェテメェの匂いしかしねぇ」
そう耳元で囁けば、糞オンナは一気に顔を赤くした。
***
『トヨシマ』のメジロさんはイラストもそうですがご本人様も大変可愛らしいのです。
きっと夢の中のまもりちゃんもそんなメジロさんに生み出されたので超可愛らしいのでしょう!
そんなまもりちゃん相手だったらきっとヒル魔さんも無下には出来ないよなぁ・・・という発想から日記と対になるように+妄想追加で作成させて頂きましたw掲載許可ありがとうございます!
このSSはメジロさんに捧げますw
ハワイで降りた子は『ココナッツ臭がした』って言ってたし、トルコに行った子は『なんかスパイシーだった』って。
じゃあ日本は? って聞いたら、『お醤油の匂いがする』って言ってたの。
ホントかなあ。
だからヒル魔くん、こっちの空港で降りたらお醤油の匂いがしたか教えてね!』
・・・などという実に糞くだらねぇメールを寄越して。
当日は空港まで迎えに行くから! と息巻いていたハズの糞オンナだが。
俺はぐるっと周囲を見渡し、舌打ちした。
いねぇ。
国際線の場合、飛行機の時間がずれ込むことはしょっちゅうだ。
むしろ海外で生活してると一分と狂わない日本の交通機関が素晴らしいを通り越して怖くなる。
一応時計を確認したが、誤差は15分遅いだけというまずまずといったところ。
しびれを切らしてどこかに行ったという状況を作る程の時間ではない。
俺は鞄を担いで動いた。
飛行機の中はとても乾燥していて、やたら喉が渇く。
スタバでグランデを買い求め、カップを持って戻ってもやはり糞オンナの姿はない。
まあ、いい。
どうせあの糞オンナの事だ、やれ迷子だ困った年寄りだ外国人だとめざとく見つけては世話焼いて暇つぶして、肝心のテメェの目的忘れてんだろ。
俺の隣ではやはり人待ちしていたらしい女が無事出てきた人物に手を振り、その拍子に俺に気づいてびくりと肩を揺らした。
コーヒーで喉を潤しながら、興味なくそれを視界の端に入れた。
俺は気配がないのがデフォルトなので、こういったことはしょっちゅうだ。
不思議そうなその女どもがこちらをちらちらと伺いながら歩み去ろうとする。
知名度としちゃさほどでもねぇスポーツ選手だから知ってる奴はそういないだろう。
そう踏んで俺はそいつらを無視した。
そして、その隣を走ってきた人影に気づく。
揺れるのは赤茶の髪。
少し伸びたなと僅かな変化にさえ即座に気づく程に、離れていた間に繰り返し思い浮かべた顔。
それが赤く上気している。
喜びより焦りが勝っている表情が予想通り過ぎて、自然と口角が上がるのが判る。
ああ、やっぱりテメェは糞お人好しなのが治ってねぇんだな。
「ドコニイッテタカシリマセンガオカエリナサイ。ムカエニクルトカイッタノハドコノドイツデスカ」
カクカクと言いはなってやると、ぴょんと飛び上がって糞オンナは謝る。
「・・・! ごめんなさい・・・・・・・・・・・」
だが俺の上がった片眉を見てこちらの言いたいことにすぐ気づいたようだ。
「オカエリナサイ、ヒル魔君」
ふわんとその顔を綻ばせ、こちらを見上げる青い瞳。
「ハイドウモ」
それを間近に見つめて、俺はその頭をゴシャゴシャとかき回してやった。
柔らかい髪が、ボールを扱い続けて硬くなった手をするりと滑る。
「・・・あ! 思い出した! あれ、蛭魔妖一じゃない!?」
「ええ?! NFLの?!」
先ほどの女どもがこちらに気づいたようだ。
よく知ってたな、褒めてやろう。
にやりとそいつらに見せつけるように笑い、俺は糞オンナの手を引いた。
「行くぞ」
「うん」
俺達はタクシーを捕まえるべく外へ出る。
吹き付ける風に糞オンナは自らのメールを思い出したようだ。
「ねえヒル魔くん、ホントにお醤油の匂いした?」
期待に満ちた声に、俺は素っ気なく答える。
「いーや」
「そうなの?」
ガッカリしたような糞オンナの手を引き寄せ、この腕に抱く。
「糞甘臭ェテメェの匂いしかしねぇ」
そう耳元で囁けば、糞オンナは一気に顔を赤くした。
***
『トヨシマ』のメジロさんはイラストもそうですがご本人様も大変可愛らしいのです。
きっと夢の中のまもりちゃんもそんなメジロさんに生み出されたので超可愛らしいのでしょう!
そんなまもりちゃん相手だったらきっとヒル魔さんも無下には出来ないよなぁ・・・という発想から日記と対になるように+妄想追加で作成させて頂きましたw掲載許可ありがとうございます!
このSSはメジロさんに捧げますw
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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