旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
まもりは眉を寄せ、肩に触れた。
張りつめたその感触にため息が出る。
慣れないパソコン作業が響いたようだ。
「何やってんだ」
「あ」
シンクの前で腕を動かす仕草に、冷蔵庫を開けようとしたヒル魔がが不審そうに声を掛ける。
「うん、ちょっと肩が凝っちゃって。あ、ついでに冷蔵庫から牛乳取ってくれる?」
言われたとおりに牛乳を取り出して渡してくれるヒル魔に、まもりはありがとうと応じる。
「今丁度レポートの提出が重なっちゃってて。あんまり普段パソコン使わないから・・・」
「テメェはそうだな」
「で、休憩がてらロイヤルミルクティでも飲もうと思って」
「ケッ、糞甘臭ェ」
「ヒル魔くんにはコーヒー落としてるわよ」
いつもの嫌味を聞き流し、コーヒーメーカーを指さすと、ヒル魔は冷蔵庫を閉めた。
どうやら彼も喉が渇いていたらしい。
冷蔵庫はその目的で見ていたのか、と思う。
自身用のカップを取り出すのを見ていたら、まもりの分も一緒に出してくれた。
「そんなに長いレポートあったか?」
「ううん、長さはそうでもないけど、打つのが・・・」
「相変わらず糞アナログだなァ」
「これでも向上したの!」
「ハイハイ」
牛乳で煮だした紅茶をカップに移し、砂糖ではなく蜂蜜をタップリ入れる。
横目で嫌そうにこちらを伺うヒル魔の視線は無視だ。
「クッキーとかケーキとかがあればコーヒーでもいいんだけどね」
「テメェのはコーヒーじゃねぇよ。ありゃカフェオレだ」
「だって苦いんだもの」
軽口を叩きつつ、二人はリビングのテーブルについた。
「で、終わったのか?」
「え?」
「レポート」
「うーんと、あと一本残ってるけど、それはもう少しで終わるわ」
手で書けば早いんだけど、とぼやくまもりにヒル魔はコーヒーに口を付けながら低く笑う。
「結局評価する側も保管するにしても受け取るにしても一番確実で早いやり方だからメール添付なんだろ」
「そうなのよね。全員字が綺麗ならいいんでしょうけど、そうもいかないもんね」
ちろ、と視線を向けられてヒル魔はふん、と鼻を鳴らした。
ヒル魔の字もお世辞にも綺麗とは言えないからだ。
「ヒル魔くんのレポートは?」
「俺はもう出した」
「早いわねー」
「打つ速度が違うだろ」
「それもそうか」
カップに口を付ける。蜂蜜の柔らかい甘みに、がちがちに強ばっていた肩が少しだけ緩んだ気がした。
「んー・・・」
首を傾げると、ぽきっという軽い音。
それにヒル魔は眉を寄せた。
「なんだそりゃ」
「え? 肩が凝るとこういう音しない?」
「生憎と凝るような柔な肩してねぇんでな」
「まー羨ましい!」
肩こりをしない人種がいるとは聞いているが、羨ましいことこの上ない。
最も、彼は鍛えているからなのだろうけれど。
このじわりと重ったるい疲れを感じないのは素直に羨ましかった。
<続>
張りつめたその感触にため息が出る。
慣れないパソコン作業が響いたようだ。
「何やってんだ」
「あ」
シンクの前で腕を動かす仕草に、冷蔵庫を開けようとしたヒル魔がが不審そうに声を掛ける。
「うん、ちょっと肩が凝っちゃって。あ、ついでに冷蔵庫から牛乳取ってくれる?」
言われたとおりに牛乳を取り出して渡してくれるヒル魔に、まもりはありがとうと応じる。
「今丁度レポートの提出が重なっちゃってて。あんまり普段パソコン使わないから・・・」
「テメェはそうだな」
「で、休憩がてらロイヤルミルクティでも飲もうと思って」
「ケッ、糞甘臭ェ」
「ヒル魔くんにはコーヒー落としてるわよ」
いつもの嫌味を聞き流し、コーヒーメーカーを指さすと、ヒル魔は冷蔵庫を閉めた。
どうやら彼も喉が渇いていたらしい。
冷蔵庫はその目的で見ていたのか、と思う。
自身用のカップを取り出すのを見ていたら、まもりの分も一緒に出してくれた。
「そんなに長いレポートあったか?」
「ううん、長さはそうでもないけど、打つのが・・・」
「相変わらず糞アナログだなァ」
「これでも向上したの!」
「ハイハイ」
牛乳で煮だした紅茶をカップに移し、砂糖ではなく蜂蜜をタップリ入れる。
横目で嫌そうにこちらを伺うヒル魔の視線は無視だ。
「クッキーとかケーキとかがあればコーヒーでもいいんだけどね」
「テメェのはコーヒーじゃねぇよ。ありゃカフェオレだ」
「だって苦いんだもの」
軽口を叩きつつ、二人はリビングのテーブルについた。
「で、終わったのか?」
「え?」
「レポート」
「うーんと、あと一本残ってるけど、それはもう少しで終わるわ」
手で書けば早いんだけど、とぼやくまもりにヒル魔はコーヒーに口を付けながら低く笑う。
「結局評価する側も保管するにしても受け取るにしても一番確実で早いやり方だからメール添付なんだろ」
「そうなのよね。全員字が綺麗ならいいんでしょうけど、そうもいかないもんね」
ちろ、と視線を向けられてヒル魔はふん、と鼻を鳴らした。
ヒル魔の字もお世辞にも綺麗とは言えないからだ。
「ヒル魔くんのレポートは?」
「俺はもう出した」
「早いわねー」
「打つ速度が違うだろ」
「それもそうか」
カップに口を付ける。蜂蜜の柔らかい甘みに、がちがちに強ばっていた肩が少しだけ緩んだ気がした。
「んー・・・」
首を傾げると、ぽきっという軽い音。
それにヒル魔は眉を寄せた。
「なんだそりゃ」
「え? 肩が凝るとこういう音しない?」
「生憎と凝るような柔な肩してねぇんでな」
「まー羨ましい!」
肩こりをしない人種がいるとは聞いているが、羨ましいことこの上ない。
最も、彼は鍛えているからなのだろうけれど。
このじわりと重ったるい疲れを感じないのは素直に羨ましかった。
<続>
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
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性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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