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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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Two-trees(4)

 


+ + + + + + + + + +
食事を終え、所望されたコーヒーを飲み終える頃には結構な時間になっていた。
時計を見てまもりは腰を上げる。
「あ、じゃあ私そろそろ・・・」
それにヒル魔はじろりと視線を寄越す。
「そりゃ何の冗談だ」
「冗談じゃないですよ」
「男の家にのこのこ来ておいて、か」
不意にヒル魔がにやりと口角を上げた。
「現在彼氏ナシ歴一年の姉崎まもりサンでも、おわかりデショウ?」
「・・・!!」
なぜそんなプライベートを、と焦るが、人の口に戸は立てられない。
ましてや噂好きな女が多い職場である。誰が、と探すだけ無駄な気がした。
「なにがですか」
憮然として応じると、彼は立ち上がる。
まもりは本能的に不味いと感じて距離を取ろうとしたが、彼の腕はたやすくその動きを止めた。
ぐい、ととらわれた腕を引き寄せられてぎくりと首筋が強ばる。
「ただで帰れると思ってんのか?」
「・・・っ」
低く囁く声に、まもりは顔をそらして縮こまろうとするが。
「抵抗のつもりか?」
ケケケ、と特徴的な笑いと共に、その腕に抱き込まれる。密着する身体、髪を撫でる呼気。
「そんな、つもりは」
「なかった、とか言い訳するのか?」
ゆっくりと彼の手のひらが蠢き始める。
「っ!」
あからさまに意図を持ったその動きに、まもりは息を詰めて見上げるが。
まともに彼と視線が合ってしまった。
常にレンズの向こうにあった眸が、熱を孕んでただまもりを見つめている。
急速に喉が渇く。張り付く喉を潤そうと、無意識に喉を鳴らすが。
「まもり」
一度として呼ばれたことのないその、呼び声、に。
「あ・・・」
驚き上げた細い声ごと、瞬く間に飲み込まれた。

□■□■□


精根尽き果て、まもりは夢を見る。
どことも知れぬ闇の中、ヒル魔の手が林檎を弄んでいる。
また林檎だ。知恵の実だと言い張る木の実。
『違ェ』
ヒル魔はにたりと口角を上げる。
金色の髪も、白い肌も、纏う闇に全て覆われて見えなくなる。
闇の中から声がする。
不意にその闇から腕が伸び、まもりを絡め取ろうと、蠢く。
『テメェは片割れだ』
それは、誰の。
彼の片割れだとでも言うのだろうか。
まもりを運命の相手だと?
けれどまた彼は否定する。
『それも違ェ』
低く、笑って。

<続>
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