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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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青とプラチナ(5)




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結局今日は練習らしい練習にならなかったらしい。
とにかくまもりを紹介しろという声が後を絶たなかったらしく、ヒル魔の承諾なしに飲み会の算段が立てられていた。
けれどそれで応じる彼ではない。ヒル魔はさっさとまもりを連れて車に乗る。
『あー!! テメェ、ヒル魔! 奥さんだけ置いていけ!』
『まもりさーん!! 飲みましょうよ-!!』
『だ・れ・が! 置いていくか、糞バカども!!』
運転席からガァンと一発銃をぶっ放し、助手席で飛び上がったまもりをそのままにヒル魔は車を発進させた。
「ちょっと! もう、危ないじゃない!」
「煩ェ!」
彼のいつにない苛々した様子に、まもりは小首を傾げる。
「どうしたの?」
かつて泥門高校でバカ騒ぎしていた時にもあれほど荒れた様子はなかったのに。
不思議そうなまもりに、ヒル魔は嫌そうに眉を寄せ、舌打ちする。
「テメェなぁ・・・へらへら笑って相手してんじゃねぇ」
「え?!」
「あの糞めでてぇ頭した連中は女に飢えてる、っつったろ」
「でも、ちゃんとヒル魔くんの・・・」
途端にヒル魔の手が伸びてまもりの頭にごく軽く拳を当てた。
「違ェ」
「? ・・・あ、そっか」
彼の言わんとすることに気づいて、まもりは再び口を開く。
「ヨウイチの奥さんだって名札にも入れたし、みんな分かって言ってるんだから平気でしょ?」
「相変わらず糞ニブい女だな、テメェ」
苛立ちを通り越して呆れにさしかかった顔をされて、まもりは唇を尖らせる。
「奴らに襲われたら、糞ひ弱なテメェじゃひとたまりもねぇ」
「襲われたら、って。ジャックさんだっているし、救護室なんだし。平気よ」
笑ってヒル魔の言葉をいなすまもりに、ヒル魔は低い声で応じた
「ホー。随分な自信デスコト」
言いながらヒル魔の手がまもりの腕をとった。
「動けるか?」
「え。・・・っ」
ヒル魔は大して力を入れていないように見えるのに、まもりの腕はぴくりとも動かない。
片腕で運転しながらヒル魔は奮闘するまもりを鼻で笑う。
「いずれはテメェも一人で救護室勤務だ。その時に襲われてみろ」
無理だろう、と言われてまもりはますますムキになったが、ヒル魔の腕は緩むことがない。
「いいか、純粋な力で言えば連中の方が格段に上だ。変な妄想抱かせる前にきちっと対処しやがれ」
「・・・うん」
渋々頷けば、ヒル魔の手がやっと外れた。ほっとして手を見る。
強く握られた訳でもないのに、そこは少し鬱血していた。


ヒル魔が車を運転してやって来たのは自宅ではなく、昨日案内された仕事場のあるビル。
「こっちの仕事?」
「おー。今日はこっちの連中も出てきてっからな」
ヒル魔と連れだって中に入り、昨日とは違い人の気配がある部屋に足を踏み入れる。
『あ、ボス! こんにちは!』
途端、あちこちから明るい声が響いて来た。
ヒル魔の背後から顔を出すと、従業員の一人とばっちり目があった。
『その女性は? 新しい従業員ですか?』
『俺の妻だ』
その一言で、六人が立ち上がり、あっという間にヒル魔の前に並んだ。
全員男性ばかりである。
『結婚してたんですか?!』
『っていうか悪魔って結婚できるんですか?!』
『人間なんですか?! なんかの機械とかじゃないんですか?!』
ものすごい言われようである。
けれどヒル魔はケケケと笑ってまもりを彼らの前に引き出す。
『ヒル魔まもりです。・・・ええと、ちゃんと人間です』
我ながら変な自己紹介だなあ、とは思ったのだが。
『へええ・・・人間なんだ・・・』
『悪魔への生け贄とかじゃないんですか?』
笑うどころか真面目な顔で更に突っ込まれ、まもりは返事に窮する。
『テメェら、俺をなんだと思ってやがる』
『何って、そりゃ・・・』
全員が顔を見合わせ、口を揃える。
『『『『『『悪魔』』』』』』
『よし全員年俸七割カットな』
『ぎゃー!! やめてくださいよ!!』
『人でなしぃい!!』
ぎゃあぎゃあと賑やかな様子に、アメフトとは違うが、ヒル魔の空気は楽しげだ。


<続>
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同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
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