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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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シラナイヒト(4)



+ + + + + + + + + +
瞼の裏を焼く、断続的な白い光。
「・・・?」
まもりの意識が徐々に覚醒する。
身じろごうとして、その身体が動かないことに気づき。
そうして、意識を失う直前のことを思い出して、一気に目が覚める。
「んぐっ!?」
まもりの身体は縄で縛り上げられ、ベッドの上に放り出されていた。
両手は後ろ手に縛られて、足は蛙のように開かされ、何か棒のようなものに固定されているのかびくりとも動かない。
口には何かが咥えさせられており、声を上げることは叶わない。
そうして、衣服は下着を残してずたずたに引き裂かれていた。
「ちっ、もう目ェ覚めやがった」
「薬の量、少なかったんじゃねぇか?」
カメラを構えていた男たちが不満そうに舌打ちした。
「いいんスよ、これで。意識ある方がそそるでしょ?」
その声は聞き覚えがある。まもりが視線を向けたその男。
三宅だった。
「・・・んむっ! ふ、ううう~!」
声を上げようにも咥えさせられた器具が邪魔で喋ることは出来ない。
気丈に睨み付ける彼女に、三宅はねっとりとした声で話掛ける。
「恨むならヒル魔を恨めよ。アンタが邪魔だから好きにしろって俺に連絡寄越したんだからさ」
「?!」
予想外の言葉に、まもりは身体を硬くする。
三宅が逆恨みして彼女を襲ったというのならわかるが。
ヒル魔が、まもりを邪魔に?
考えてもいなかった可能性に、まもりは混乱した。
男たちがまもりににじり寄る。
その顔は、暴漢と称するに相応しかった。
あの違和感は、正しかったのだと気づいてももう遅い。
「へへ、いい面すんなぁ」
ナイフを目の前にちらつかせられ、まもりは怯える。
「傷つけないでくださいね」
「わかってるって」
ナイフはまもりのブラジャーの中央、カップの継ぎ目の部分に刃を逆さにして上向きに引かれた。
ぶつっというあっけない音の後、その乳房が露わになる。
「んんーっ!!」
ぷるんと揺れるそれに男たちの喉が鳴る。
一人はカメラをビデオカメラに持ち替え、一部始終を納めている。
まもりは絶望的な気持ちになる。
信じたくないが、三宅が言ったことが本当ならば。
ヒル魔の助けは望めないということ。
このままみすみす犯されてしまうのか。
いや、犯されるだけではすまないかもしれない。そのまま、死んだ方がましだという扱いを受けるのかも。
涙が溢れた。
がくがくと震えて涙を溢すまもりを前に男たちはますます興奮したようで、ナイフの刃がショーツへと向けられた。
「ん! んんっ!!」
嫌がって逃げようとしても、がっちりと固定された身体は動けない。
ナイフはもったいぶった割にはあっさりと、まもりのショーツを引き裂いた。
「んぐー! ぅふ!!」
まもりの瞳からはひっきりなしに涙が、閉じられない口からは唾液が滴り、その秀麗な顔を残酷に彩っていく。
それは男たちの欲をとどめるどころか、際限なく煽っていく。
「へへへ・・・ご開帳、ってね」
「ハハハ」
男たちの声は軽く、更にまもりを絶望の淵へと突き落とす。
その僅かな布地を下品な男の手が奪い去った、その瞬間。
「やめなさい!!」
響いた声に、暴漢たちはびくりと身体を揺らした。
視線を向けると、そこには線の細い青年が一人。
あのホテルマンだ、とまもりは気づく。その傍らから人影が動いた。
「っ!!」
「ぐわっ!!」
「がっ」
まもりの目の前で、暴漢たちが次々と声を上げて倒れた。
見れば警備員の制服に身を包んだ男が、目にもとまらぬ早さで暴漢たちを次々に伸していたのだ。
寡黙な彼は昏倒させた暴漢を抱えると、外側に待機していたらしい他の男と共にその場を去った。
その間にまもりは青年が隣のベッドから引きはがしたシーツで身体を覆われ、細い息をつく。
「今、猿ぐつわを外します」
まもりの猿ぐつわを外し、青年は痛ましそうな顔でまもりを見た。
「今、別の女性スタッフを呼んでいますからね。もう少しの辛抱です」
「・・・っ」
まもりは先ほどの恐怖から解放されたことで頷くのがやっと。
その後すぐ到着した女性スタッフに身体の自由を奪っていた縄を解かれ、そこでようやく一息ついた。


<続>
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