旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
不意に人影が室内に舞い戻った。
「なにベラベラしゃべってやがる、糞ハゲ」
「ちょ! 妖一さん!!」
唐突に現れたヒル魔に、まもりは焦って声を上げる。
だが、雪光は彼が戻ってきたことを察知していたようだった。
驚きもせずさっと立ち上がる。
「まもりさんが一人で心配そうだったからお相手していたまでですよ。片は付きましたか?」
「おー」
「では私は戻りますが、ご用命がございましたらお気軽にご連絡下さいませ」
す、と仕事モードで頭を下げた彼にヒル魔がちらりと視線を向ける。
「おい、来週の日曜、式場開けておけ」
「大広間でしたら既にご用意できております」
さらっと応じた雪光にヒル魔は口角を上げる。
「相変わらず話が早ェな。よし、まもり」
「はい?!」
「出かけるぞ」
用意しろ、と告げて彼は身軽に立ち上がる。
まもりは慌てて身支度を調えに室内へと戻った。
「先に下にいるからな」
「わかりました! 後で追いつきます!」
まもりの声が応じ、ヒル魔は楽しげに笑って出口に向かう。
その扉を恭しく開いて見せて、雪光は楽しげに口角を上げたのだった。
走り出した車の中で、おもむろにヒル魔が口を開く。
「来週の日曜」
「ええ」
「結婚するぞ」
「誰が」
「俺とテメェが」
「・・・はい?」
唐突すぎる宣言に固まるまもりに、彼はにやりと口角を上げた。
さてその翌週。
唐突に盛大な結婚式がとあるホテルの大広間で執り行われ、駆けつけた誰もが羨むような素晴らしい光景が広がっていた。
かなり突然ではあったが、彼らは一年近く婚約期間があった。
結婚自体が不自然だと訝しむ者は誰もいない。
式の最中も二人は仲むつまじく、来賓から笑みが絶えることはない。
ふと、式の合間にまもりが零した。
「ねえ、妖一さん。本当に私でいいの?」
あんな失態の後なのに、と尻込みするまもりにヒル魔は飄々と言い放つ。
「俺はテメェ以外考えてねぇよ」
今更他の連中が口を挟んでくるのが我慢ならないのだ、と彼は言うけれど。
彼に相応しい人は他にも沢山いるのでは、と考えてしまう。
例えば。
「あの、ほらこないだのあの人、とか・・・」
まもりの言葉にヒル魔はぴんと眉を上げる。
「ア? そんな奴いたか?」
わざと空とぼける彼に、まもりは僅かに口を尖らせる。
「んもう。ねえ、あの人大丈夫なの?」
「死んじゃいねぇよ」
結婚式にはそぐわない話題だろ、とヒル魔は早々に会話を切り上げた。
まもりは大丈夫かしら、とは思いつつも。
一世一代の晴れ舞台にいつしか懸念も忘れ、笑顔で来賓たちとやりとりをしていく。
それはホテル従業員も一丸となって作り上げたかのような、豪華でありつつもとても心温まる結婚式だった。
「多分、な」
そう呟いたその後の真実は、誰も知らない。
***
きこうめ様・マグアツママ様リクエスト『カワイイヒトシリーズの続き』でした。
長かった・・・! そうなるだろうとは予想していたので、長いこと自体は問題ないんですけどね。
なんだか筆が乗ったので実は全部一日で書き上がったのですが、貧乏くさく分割(苦笑)
雪光が総支配人、というのだけで何回か書こうとしたのですが、事件にして一本まとめた方が早かったという。
大変お待たせしました! リクエストありがとうございましたーw
「なにベラベラしゃべってやがる、糞ハゲ」
「ちょ! 妖一さん!!」
唐突に現れたヒル魔に、まもりは焦って声を上げる。
だが、雪光は彼が戻ってきたことを察知していたようだった。
驚きもせずさっと立ち上がる。
「まもりさんが一人で心配そうだったからお相手していたまでですよ。片は付きましたか?」
「おー」
「では私は戻りますが、ご用命がございましたらお気軽にご連絡下さいませ」
す、と仕事モードで頭を下げた彼にヒル魔がちらりと視線を向ける。
「おい、来週の日曜、式場開けておけ」
「大広間でしたら既にご用意できております」
さらっと応じた雪光にヒル魔は口角を上げる。
「相変わらず話が早ェな。よし、まもり」
「はい?!」
「出かけるぞ」
用意しろ、と告げて彼は身軽に立ち上がる。
まもりは慌てて身支度を調えに室内へと戻った。
「先に下にいるからな」
「わかりました! 後で追いつきます!」
まもりの声が応じ、ヒル魔は楽しげに笑って出口に向かう。
その扉を恭しく開いて見せて、雪光は楽しげに口角を上げたのだった。
走り出した車の中で、おもむろにヒル魔が口を開く。
「来週の日曜」
「ええ」
「結婚するぞ」
「誰が」
「俺とテメェが」
「・・・はい?」
唐突すぎる宣言に固まるまもりに、彼はにやりと口角を上げた。
さてその翌週。
唐突に盛大な結婚式がとあるホテルの大広間で執り行われ、駆けつけた誰もが羨むような素晴らしい光景が広がっていた。
かなり突然ではあったが、彼らは一年近く婚約期間があった。
結婚自体が不自然だと訝しむ者は誰もいない。
式の最中も二人は仲むつまじく、来賓から笑みが絶えることはない。
ふと、式の合間にまもりが零した。
「ねえ、妖一さん。本当に私でいいの?」
あんな失態の後なのに、と尻込みするまもりにヒル魔は飄々と言い放つ。
「俺はテメェ以外考えてねぇよ」
今更他の連中が口を挟んでくるのが我慢ならないのだ、と彼は言うけれど。
彼に相応しい人は他にも沢山いるのでは、と考えてしまう。
例えば。
「あの、ほらこないだのあの人、とか・・・」
まもりの言葉にヒル魔はぴんと眉を上げる。
「ア? そんな奴いたか?」
わざと空とぼける彼に、まもりは僅かに口を尖らせる。
「んもう。ねえ、あの人大丈夫なの?」
「死んじゃいねぇよ」
結婚式にはそぐわない話題だろ、とヒル魔は早々に会話を切り上げた。
まもりは大丈夫かしら、とは思いつつも。
一世一代の晴れ舞台にいつしか懸念も忘れ、笑顔で来賓たちとやりとりをしていく。
それはホテル従業員も一丸となって作り上げたかのような、豪華でありつつもとても心温まる結婚式だった。
「多分、な」
そう呟いたその後の真実は、誰も知らない。
***
きこうめ様・マグアツママ様リクエスト『カワイイヒトシリーズの続き』でした。
長かった・・・! そうなるだろうとは予想していたので、長いこと自体は問題ないんですけどね。
なんだか筆が乗ったので実は全部一日で書き上がったのですが、貧乏くさく分割(苦笑)
雪光が総支配人、というのだけで何回か書こうとしたのですが、事件にして一本まとめた方が早かったという。
大変お待たせしました! リクエストありがとうございましたーw
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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