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06．心臓の騒音
（ヒル魔独白）
コミックスに収録される前のネタバレが含まれます。問題ない方のみ御覧下さい。

その声はいつでも聞こえてた。
どんなに騒がしいところでも、しっかりと。

けれど今、どんな音も遠い。
感じるのは折れた右腕の痛み、息苦しさ。
痛みと共鳴し響く心臓の騒音、それだけ。
試合のことだけは判るが、それ以上の情報処理は正直難しい。
身体も無意識ではなく意識して自分にむち打たないと動けない。
部員はみな勝つために一丸となって動いている。俺も自分を駒としてしか動かさない。
外からの雑音は拾わない。

拾えない。

だから糞マネ、お前は黙って労働力として従順に働いていればいい。
この耳がお前の泣き言を聞くようになるのは、この試合が終わってからだ。

＊＊＊
ヒル魔さんの腕が折れた後からアイシールド２１に嵌った遅咲きの私。
周囲にも「遅ッ！」と何度突っ込まれたことか。
最初05と06の中身を逆に作ったので、文章にも名残があります。