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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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04.小指だけ伸びた爪
(ヒルまも)

+ + + + + + + + + +
俺がパソコンのキーを打つ指を、糞マネはじっと見つめている。画面を見ているわけではないので、何の用かと問えば。
「ヒル魔くんって爪短いわよね」
まじまじと覗き込んでいた糞マネの声に、脱力する。
「爪なんか伸ばしてパス出来るわけねぇだろ」
「うん、そうなんだけど」
なんか爪が長そうな印象なのよね。
そう言いながら糞マネは自分の爪も見る。水仕事や掃除で使うから、荒れ気味の指。
爪も当然短くなければならない。
「伸ばしたいのか」
「そういう訳でもないわ」
そしてじっと見ているのは小指。
突然爪なんかの話をしだした糞マネ。
伸ばせない爪。そこだけ伸ばしたって普通は意味がない小指。
なんとなく思い当たる節があって、俺はわざとらしく舌打ちをしてみせた。
「なによ」
「オマジナイなんかに頼る女か、お前は」
「・・・・・・・・・!!」
小指の爪だけ7ミリ伸ばして切ると好きな人と恋仲になれる、だったか?
「そ、そんなことまで知ってるんだ」
「たまたまな」
ホントかしら。そう呟いた糞マネの横顔がほんのり赤い。
「姉崎」
俺が滅多に呼ばない名字に、糞マネは目を見開いた。その女らしいほっそりした手をとる。
「爪なんざどうでもいいが、手はケアしておけよ」
そのささくれた指に唇を寄せて囁けば、それだけで糞マネは真っ赤になってコクコクと頷きを繰り返している。

小指の爪なんかに願いを掛けさせるほど、判りづらい態度をとったつもりはないんだがな。


***
甘めのヒル魔さんを書くとどうにも痒くなります。 おまじないについては、私が高校生の時に流行してたものです。ローカルネタだったり古かったりしたらさらっと流してください。これしか浮かばなかったので・・・。
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