旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
「止まっただろ」
え、と伺えば。
絶えずノイズのように響いていたまもりのしゃっくりが止まっているではないか。
部員達が驚きの声を上げる。
「え、え?!」
「なんでですか!?」
まもりもそれに気づいて、カウンターの後ろから顔を出す。
「どうして?!」
ヒル魔は肩をすくめた。
「虚を突くと一瞬息も思考も止まる。ついでにしゃっくりも止まるんだよ」
「へえー・・・」
そんな技があるんだ、なんて感心する部員達にヒル魔はにいっと口角を上げた。
「さあ、さっさと練習の準備しやがれ!」
心配事が失せただろう、と笑われて部員達は足早に準備に向かう。
「あ、私も・・・」
まもりも後に続こうとしたが、それは叶わなかった。
「コーヒー」
ヒル魔の足が、まもりの前に遮断機の如く行く手を阻んだから。
カジノテーブルにどかりと載せられた足と、立ち上がる様子のない彼の姿にまもりは僅かに逡巡したが、とりあえず所望のコーヒーを出そうとコーヒーメーカーの前に戻る。
「ヒル魔くんは、練習いいの?」
程なく湯気を立てるカップを手にやってきたまもりに対し、ヒル魔はちらりと別の方向へ視線を向けた。
「あれファイリングしとけ」
「あれ?」
彼の視線を追うと、そこには大量の紙を吐き出すプリンターの姿があった。
その量は尋常ではない。あまりのことに呆然と立ち尽くすまもりに更に追い打ちが掛かる。
「今日の部活が終わるまでにだ」
ヒル魔はぱたんとパソコンを閉じると、ケケケと高笑いを残しグラウンドへ向かっていく。
「今日中!? しかも部活終わるまで、って・・・」
そして部室に一人残されたまもりは時計を見てさあっと青ざめた。
帰宅後、まもりは食事もそこそこにバスルームへと直行し、後は眠るばかりと部屋の明かりもつけずベッドに倒れ込む。
「あー・・・疲れた」
普段はそんなことを口にすることもないのに、思わずこぼれ落ちた言葉。
そうしてどっと押し寄せる疲れ。
まもりは思わず瞼を閉じた。
たかがしゃっくりといえども、普段の生活が思うようにいかないというのは疲れることなのだ。
嘆息しながら今日のことを思い返す。
部活が終了するまでにはどうにか打ち出されたデータをファイリングし終えることが出来た。
結局まもりが普段しているような業務―――主にドリンクの準備をしたりとか、洗濯したりとか、そういった雑務は鈴音が中心になって一年生部員達が片付けてくれたので、彼女が特段居残る必要もなく早々に帰宅できた。
『まもり』
「!」
思い出さないようにしていたのに、不意に彼の呼ぶ声がした気がして目を見開くが、見慣れた部屋があるばかり。
まもりはごそごそとベッドの中に潜り込んだ。
あの時。
何気ない、ただ虚を突くためだけに呼ばれたのだとしても。
それが死にそうなほど嬉しかっただなんて、その理由が何故だなんて。
当面、誰にも言えそうにない。
今更のように赤くなる頬を忘れようと、まもりは強く瞳を閉じた。
***
しゃっくりを止めるには虚を突くのが一番、と後輩に習った技の話をば。
書いているうちに面白いかどうかが判らなくなった一品でした。
え、と伺えば。
絶えずノイズのように響いていたまもりのしゃっくりが止まっているではないか。
部員達が驚きの声を上げる。
「え、え?!」
「なんでですか!?」
まもりもそれに気づいて、カウンターの後ろから顔を出す。
「どうして?!」
ヒル魔は肩をすくめた。
「虚を突くと一瞬息も思考も止まる。ついでにしゃっくりも止まるんだよ」
「へえー・・・」
そんな技があるんだ、なんて感心する部員達にヒル魔はにいっと口角を上げた。
「さあ、さっさと練習の準備しやがれ!」
心配事が失せただろう、と笑われて部員達は足早に準備に向かう。
「あ、私も・・・」
まもりも後に続こうとしたが、それは叶わなかった。
「コーヒー」
ヒル魔の足が、まもりの前に遮断機の如く行く手を阻んだから。
カジノテーブルにどかりと載せられた足と、立ち上がる様子のない彼の姿にまもりは僅かに逡巡したが、とりあえず所望のコーヒーを出そうとコーヒーメーカーの前に戻る。
「ヒル魔くんは、練習いいの?」
程なく湯気を立てるカップを手にやってきたまもりに対し、ヒル魔はちらりと別の方向へ視線を向けた。
「あれファイリングしとけ」
「あれ?」
彼の視線を追うと、そこには大量の紙を吐き出すプリンターの姿があった。
その量は尋常ではない。あまりのことに呆然と立ち尽くすまもりに更に追い打ちが掛かる。
「今日の部活が終わるまでにだ」
ヒル魔はぱたんとパソコンを閉じると、ケケケと高笑いを残しグラウンドへ向かっていく。
「今日中!? しかも部活終わるまで、って・・・」
そして部室に一人残されたまもりは時計を見てさあっと青ざめた。
帰宅後、まもりは食事もそこそこにバスルームへと直行し、後は眠るばかりと部屋の明かりもつけずベッドに倒れ込む。
「あー・・・疲れた」
普段はそんなことを口にすることもないのに、思わずこぼれ落ちた言葉。
そうしてどっと押し寄せる疲れ。
まもりは思わず瞼を閉じた。
たかがしゃっくりといえども、普段の生活が思うようにいかないというのは疲れることなのだ。
嘆息しながら今日のことを思い返す。
部活が終了するまでにはどうにか打ち出されたデータをファイリングし終えることが出来た。
結局まもりが普段しているような業務―――主にドリンクの準備をしたりとか、洗濯したりとか、そういった雑務は鈴音が中心になって一年生部員達が片付けてくれたので、彼女が特段居残る必要もなく早々に帰宅できた。
『まもり』
「!」
思い出さないようにしていたのに、不意に彼の呼ぶ声がした気がして目を見開くが、見慣れた部屋があるばかり。
まもりはごそごそとベッドの中に潜り込んだ。
あの時。
何気ない、ただ虚を突くためだけに呼ばれたのだとしても。
それが死にそうなほど嬉しかっただなんて、その理由が何故だなんて。
当面、誰にも言えそうにない。
今更のように赤くなる頬を忘れようと、まもりは強く瞳を閉じた。
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しゃっくりを止めるには虚を突くのが一番、と後輩に習った技の話をば。
書いているうちに面白いかどうかが判らなくなった一品でした。
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
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性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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