忍者ブログ
旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

* admin *  * write *  * res *
[929]  [920]  [919]  [928]  [918]  [917]  [916]  [912]  [911]  [910]  [909
<<08 * 09/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  *  10>>
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

おさとうジャンキー

(ヒルまも)


+ + + + + + + + + +
ヒル魔はさらさらと紅茶に投入される白い粉を見つめる。
「それ、毒だぞ」
「え」
まもりはぴたりと動きを止める。
まじまじと手元のシュガーポットを見つめ、次いでヒル魔に視線を寄越す。
「お砂糖よ?」
「毒だ」
「それはヒル魔くんにとって、でしょ?」
まもりは脅かさないで、と頬を膨らませて紅茶に更にミルクを足した。
甘ったるいミルクティの香り。
ヒル魔はむっと眉を寄せた。
「糞甘臭ェ」
「ほらやっぱり。ヒル魔くんにとっての毒、ってことでしょ?」
カップに口をつける。それは甘く柔らかくまもりの心を宥める。
「美味しい」
「砂糖は毒なんだよ」
「んもう、何を根拠に・・・」
ヒル魔はシュガーポットを引き寄せ、砂糖をスプーンに掬い取る。
さらさらと意味なく戻す行為に、まもりの視線は引きよせられる。
まずヒル魔が砂糖を持っているというのが似合わない。
実は塩です、とか言われたほうがしっくり来る。
けれどこのミルクティは甘い。ちゃんと甘い。
塩なんかじゃない。
「砂糖は中毒になる」
ヒル魔はシュガーポットの蓋を閉じて、まもりを見る。
「上白糖やグラニュー糖等の精製された砂糖がそれに当たる」
まるで講義をするようにヒル魔は口角を上げた。
「砂糖を口にすると、血糖値が急上昇した後に急降下して低血糖に陥る。急激なその落差に体が甘いものを求める。そうして人は甘いものを食い続けずにはいられない」
まもりは紅茶をちらりと見た。
たっぷりと砂糖が溶け込んだミルクティ。
「しまいには頭が砂糖で溶けて死ぬぞ」
「・・・それは嘘でしょう」
そう言いながらも、まもりは紅茶を飲むのを止めてしまった。
「なんでそんなこと、言うの」
ヒル魔はにやにやと笑っていたが、不意にまもりに手招きする。
「何? コーヒーのおかわり?」
「こっち来い」
笑みを消さずに招きよせるその仕草に、まもりは嫌な予感がしながらも立ち上がって近寄る。
結局のところ、彼の言うことは聞いてしまうのだ。
つくづく甘いと自分でも思う。
「何よ」
「砂糖は中毒になる、っつったろ」
まもりを引く腕。
抱き寄せられ、膝に乗り上げてしまう。
「ちょっと! 何この体勢!」
羞恥で暴れるまもりをものともせず、ヒル魔は易々と抱える。
そうして首筋に舌を這わせた。
「甘いモンなんざ死ぬ程嫌ェなこの俺が」
その感覚に震えるまもりに喉声で低く笑う。
「砂糖ばっか食ったテメェが欲しくてたまらなくなる」
「な・・・!」
真っ赤になったまもりの唇を奪い、ヒル魔は口角をつり上げる。
「あー、糞甘ェ」
だから毒だろ、と囁かれて。
「判ってて積極的に摂ろうとするんだから、同情の余地なんてないわよ!」
そう言ってその唇に腹立ち紛れに噛み付いたのだった。

それでも彼は笑ったけれど。

***
友達がそんな話をしてたので。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

管理人のみ閲覧可能にする    
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
カウンター
プロフィール
HN:
鳥(とり)
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。

【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
最新コメント
[01/05 鳥]
[01/05 NONAME]
[10/21 NONAME]
[10/11 坂上]
[10/02 坂上]
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
フリーエリア
powered by NINJA TOOLS // appeal: 忍者ブログ / [PR]

template by ゆきぱんだ  //  Copyright: hoboniti*kotori All Rights Reserved