旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
日曜日、子供たちの学校も休み。
朝は一番早く起きるヒル魔がランニングから帰ってくると、普段なら起きて朝食を用意しているまもりの姿がなかった。
「どーした」
「あ! おとーさんだ!」
「おはよう、おとうさん!」
アヤと妖介が台所でうろうろしていて、ヒル魔の姿を見るとぱっと表情を明るくして足元へと駆け寄ってくる。
「おとーさん、お腹空いたー」
「おかあさんが起きてこないの」
「ア?」
足元に娘と息子を纏いつかせながら、ヒル魔は大股に寝室へと向かう。
昨日はそんなに激しくしなかったんだが、と内心一人呟きながら覗き込めば。
カーテンの隙間から差し込む朝日にもかまわず、ベッドの上ですこすこと寝こけるまもりの姿。
「まだ寝てるの?」
「おかーさん、疲れてるのかな」
普段なら子供たちの心配をして多少体が辛かろうとも起きているのに。
ベッドに近寄ると、その胸元にもう一人の子供の姿。
「まもる? どうしてここにいるの?」
「多分、夜泣きしてるのを宥めてるうちに寝たんだろうな」
まもりを子供たちのいる寝室に戻したのは明け方の直前だった。
その物音で気づいたのかもしれない。護は母親の不在にひどく敏感だった。
末の子で、まだまだ母親恋しい時期だから余計だろう。
見る限り、二人に不調の様子はない。
あんまりにも二人が心地よさそうなので、さしものヒル魔も起こすのを躊躇した。
それは子供二人も同様で、三人揃って目配せしあい、そっと寝室を後にする。
「仕方ねぇ、飯作るか」
「うん!」
「ぼく、お手伝いするー!」
ヒル魔が子供たちに指示してパンを焼かせ、ベーコンエッグを添える。それからありあわせの野菜でサラダ。
一般的な家庭としては上々の朝食だろう。
「おとーさん、ぼくオムレツがいい」
「ホー。チーズ入れるか?」
「入れる!」
「わたしもそれがいい!」
指示せずとも食器や牛乳を並べるアヤも希望を述べ、三人だけの食卓が整う。
「イタダキマス」
「「いただきまーす!」」
腹が減っていたというのは本当で、子供たちはまもりが作るよりはあっさりとしたメニューであっても文句も言わず口に運ぶ。
「おとーさん、おかーさんたちの分は?」
「後で起きたら作ってやる。それまで寝かせておけ」
「はーい」
子供二人とヒル魔だけでも十分賑やかな食卓。
と、ヒル魔はアヤがあまり喋っていないことに気づいた。
もとからあまり口数の多いほうではないが、ちらちらと寝室のほうを伺っては小さくため息。
「アヤ?」
「あ」
気づかれた、とバツの悪そうな顔をしたので、ヒル魔はあえて言及せずとりあえず食べろと促す。
アヤは黙々と食事を終え、先に食事を終えた妖介と並んで食器を洗いに行く。
踏み台を使って並んで作業する様に、一応様子を見ながらも手出しせずにヒル魔は食後のコーヒーに口をつけた。
<続>
朝は一番早く起きるヒル魔がランニングから帰ってくると、普段なら起きて朝食を用意しているまもりの姿がなかった。
「どーした」
「あ! おとーさんだ!」
「おはよう、おとうさん!」
アヤと妖介が台所でうろうろしていて、ヒル魔の姿を見るとぱっと表情を明るくして足元へと駆け寄ってくる。
「おとーさん、お腹空いたー」
「おかあさんが起きてこないの」
「ア?」
足元に娘と息子を纏いつかせながら、ヒル魔は大股に寝室へと向かう。
昨日はそんなに激しくしなかったんだが、と内心一人呟きながら覗き込めば。
カーテンの隙間から差し込む朝日にもかまわず、ベッドの上ですこすこと寝こけるまもりの姿。
「まだ寝てるの?」
「おかーさん、疲れてるのかな」
普段なら子供たちの心配をして多少体が辛かろうとも起きているのに。
ベッドに近寄ると、その胸元にもう一人の子供の姿。
「まもる? どうしてここにいるの?」
「多分、夜泣きしてるのを宥めてるうちに寝たんだろうな」
まもりを子供たちのいる寝室に戻したのは明け方の直前だった。
その物音で気づいたのかもしれない。護は母親の不在にひどく敏感だった。
末の子で、まだまだ母親恋しい時期だから余計だろう。
見る限り、二人に不調の様子はない。
あんまりにも二人が心地よさそうなので、さしものヒル魔も起こすのを躊躇した。
それは子供二人も同様で、三人揃って目配せしあい、そっと寝室を後にする。
「仕方ねぇ、飯作るか」
「うん!」
「ぼく、お手伝いするー!」
ヒル魔が子供たちに指示してパンを焼かせ、ベーコンエッグを添える。それからありあわせの野菜でサラダ。
一般的な家庭としては上々の朝食だろう。
「おとーさん、ぼくオムレツがいい」
「ホー。チーズ入れるか?」
「入れる!」
「わたしもそれがいい!」
指示せずとも食器や牛乳を並べるアヤも希望を述べ、三人だけの食卓が整う。
「イタダキマス」
「「いただきまーす!」」
腹が減っていたというのは本当で、子供たちはまもりが作るよりはあっさりとしたメニューであっても文句も言わず口に運ぶ。
「おとーさん、おかーさんたちの分は?」
「後で起きたら作ってやる。それまで寝かせておけ」
「はーい」
子供二人とヒル魔だけでも十分賑やかな食卓。
と、ヒル魔はアヤがあまり喋っていないことに気づいた。
もとからあまり口数の多いほうではないが、ちらちらと寝室のほうを伺っては小さくため息。
「アヤ?」
「あ」
気づかれた、とバツの悪そうな顔をしたので、ヒル魔はあえて言及せずとりあえず食べろと促す。
アヤは黙々と食事を終え、先に食事を終えた妖介と並んで食器を洗いに行く。
踏み台を使って並んで作業する様に、一応様子を見ながらも手出しせずにヒル魔は食後のコーヒーに口をつけた。
<続>
PR
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カウンター
カテゴリー
プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
最新コメント
最新トラックバック
ブログ内検索
最古記事
(02/16)
(02/16)
(02/16)
(02/16)
(02/16)
アクセス解析
フリーエリア