旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
妖介だ。
「父さん! 全くもう、急に消えないでよ!」
「チッ、煩ェのが来やがった」
舌打ちするヒル魔に構わず、妖介は彼の腕からあっさりとマシンガンを取り上げた。
「テメッ」
「こんなの必要ないでしょ! 没収!!」
クロークに預けてきます、と言い置いて彼はすたすたと外に行く。
それを呆気にとられて見ていた高見は、ようやく口を開いた。
「・・・すごいな、生き写しだ」
「中身は全然違うぞ」
「みたいだね。中身は奥さんそっくりなんじゃないか?」
「残念なことにな」
眉を寄せるヒル魔に、高見はくっくっと喉を鳴らす。
「彼もアメフトやってるのかい?」
「おー。LBだ」
「へえ、LB! てっきりQBやるかと思ってたけど」
「QBは娘がやってる」
「はぁ?!」
目を丸くする高見の傍らに、再び妖介が戻ってくる。
「こんにちは、高見さん初めまして。父が何かご迷惑をお掛けしてませんか?」
「え、いや今はまだ何もないよ」
思わず素で高見はそう返してしまう。ヒル魔が眉を寄せた。
「なんで俺が迷惑を掛ける方だって断定なんだ」
「父さんなりの親愛の表現だって、相手にとっては腹立たしいこともあるんだよ」
「何抜かす」
言葉の応酬に、見ていた高見は思わず吹き出した。
「これは・・・随分といいものを見せて貰えたね」
眉を寄せる高見に、ヒル魔は眉を寄せ、妖介は苦笑する。
見た目が一緒で中身が違うというのが結構な見せ物になっているのは二人とも自覚しているのだ。
「そういえばさっき、QBが娘だって言ってたけど、本当かい?」
「ええ。俺には年子の姉がいるんですが、そっちがQBです」
「へーえ・・・。俺にも娘がいるけど、娘にアメフトさせる気にはならないね」
「自分からやりたいって言い出したから、やらせてるだけだ」
「女の子でアメフトしたいなんて、さすが蛭魔妖一の娘だ」
「今度試合を見に来て下さい。たぶん予想通りのモノが見られますから」
くすくすと笑う妖介に高見は頷いた。
「父さん、セナさんたちが探してたよ」
「おー」
「ムサシさんたちは?」
「あいつらは向こうで飯喰ってる。テメェも喰ってこい」
「いいの?」
「わざわざ並んで見せ物になる必要はねぇだろ」
「だって父さんが危ないことしでかすんじゃないか心配だよ」
「お陰様でマシンガンも没収サレマシタノデ」
「怪しい」
眉を寄せる妖介に、ヒル魔はニヤニヤといいから行け、と指さす。
そこに彼の好物の甘い物が沢山あるのを知っていて、だ。
「行ってくるといいよ。ヒル魔の見張りは俺がするから」
「それなら安心ですね」
「どういう意味だ糞息子」
「そのままの意味だよ。すみませんがよろしくお願いします」
どっちが保護者だか判らない言葉を交わして、妖介は腹ごしらえにとムサシたちの方へ移動した。
「娘も見てみたかったね。どうせなら家族全員連れてくればよかったのに」
「生憎と下二人が熱出してナァ」
「・・・何人子供がいるんだい?」
ヒル魔がウェイターを捕まえてアイスコーヒーを手にし、空いた手で4の数字を作ると高見は固まった。
「あ、高見さーん」
桜庭が高見の元へやってくる。ヒル魔を見て一瞬立ち止まったが、高見が手を上げて応じたので近づいてきた。
「こんな隅で何話してたんです?」
「何って程じゃないけど・・・ヒル魔の息子は見たかい?」
「え?! 息子が来てるんですか?!」
見たい! と声を上げて隣にいるヒル魔にじろりと睨まれる。
くっくっと笑いながら高見が指さす方向を見た桜庭は。
雲水と言葉を交わしているらしい金髪の悪魔をそこに見た。
「・・・?! え、ええ?!」
「そっくりだろう? この他にあと3人いるっていうから、見てみたいって話をしてたんだ」
「はー・・・4人も! すごいですねー」
姉崎さん頑張ったんだなあと零した途端、どこから取り出したのかヒル魔の手に現れた拳銃ががちゃりと音を立てて桜庭の顎に当てられる。
「うわぁ!!」
「ケケケ、人のこととやかく言える立場か? 大々的に報道してやろうか」
閃く脅迫手帳。それに桜庭の顔が引きつった。
芸能人である彼は今のところ独身であるが、その実存在する交際相手等は極秘の情報のハズなのに。
やはり彼の脅迫手帳は恐ろしい。
「事実じゃないか、そんなに桜庭をいじめるなよ」
「後輩想いの先輩デスネ」
そこに近づく影。雲水だ。
「邪魔するよ」
彼は今、教師として神龍寺に赴任し、そこでアメフト部を鍛えていると聞いた。
実直な性格は教師にも向いているのだろう。
「久しいな」
「そうだね。教師生活はどうだい?」
「まあまあだ」
関東勢有数のQBが集まる様子は隅にいても目立ち始める。
それをいいことに料理が載っているテーブルの側では、ちょっと珍しい光景が繰り広げられていた。
「そこのケーキが美味しくてね~」
「へえ、そうですか。あっ、こないだ駅の側に美味しいタイヤキ屋があるって聞いて食べに行ったんですよ」
「あ、飯塚屋じゃない? 僕あそこ好きなんだ」
「そうです! やっぱりご存じなんですね」
甘味を山積みにして頬張る栗田の隣で、同じく大量に甘味を食べる妖介。
その上更に甘味談義を繰り広げる二人の周囲には甘い匂いが漂っている。
「・・・ヒル魔の言葉じゃないが、甘臭いってのは、こういうことを言うんだな」
「ん? ムサシも食べる?」
「このムース美味しいですよ?」
「・・・いい。甘い物はそんなに得意じゃない」
げんなりするムサシは美味しいのにねえ、と首を傾げる20年来の親友と、もう一人の親友の息子とを交互に眺める。
今もどっしりした体躯の栗田は社会人アメフトで住職とアメフト選手という二足のわらじを履いて長く活躍した。
今は引退したとはいえ、その体つきも顔もまるまるとした状態なので見た目はかなり若い。
自分は相変わらず老け顔なので見た目には変化があまりない。
妖介は体躯もがっしりしているし、顔があの悪魔と瓜二つなのでこうやって三人でいるとかつての自分たちと同じような気持ちになる。
「アヤが残念がってました。スーツ姿のムサシさん見たかったって」
「ん?」
ムサシは自らの格好を見下ろす。普段滅多に袖を通さないスーツは着心地が悪く、正直ネクタイも落ち着かないのだが。
「後で写真撮ってもいいですか?」
「俺なんか撮ってどうするんだ」
「アヤのお土産にします」
「・・・土産にするならその辺のモノ持って帰った方がいいんじゃないか?」
山積みになっている甘味を指す彼に、妖介は眉を寄せて首を振る。
「アヤの味覚は父さん似ですから、俺が怒られます」
「ああ、そうだったか」
「写真なら嵩張りませんし、丁度いいんです」
ね、と笑顔で押し切られ、ムサシは渋々頷く。
アヤが自分の写真で喜ぶというのが全く理解できないが、彼女のことを一番よく知る弟がそういうのならそうなのだろう。
後で写真を撮らせるという約束をした後、ムサシは思い出したかのように彼に問いかけた。
「ところで、この会の目的ってのは?」
「ヒル魔がやるって言い出したんでしょ?」
二人に言われ、妖介はちらりと父親を捜す。
彼の周囲に集い始めているのは――――
「今、俺たち関東大会勝ち進んでるところなんです」
「ああ、そう聞いたな」
「今この会場内で高校アメフト部のコーチって言う人、結構いるんですよ」
それで二人は大まかに察した。
手っ取り早くコーチ陣を集めて様子を聞き出せればいいとでも考えたのだろう。
それにしたって随分な大がかりさだけれども。
「王城は・・・コーチが進だから難しいだろう」
ムサシがぐるりと探すと、ヒル魔とは対極の位置にいる彼を見つけた。
相変わらずストイックな生活をしている彼はこんなところでも食事には手を付けていないし、水だけ飲んでいる様子だ。
「・・・だから俺なんですよ」
ことんと皿を置いて、妖介が歩いていく。
顔を見合わせる栗田とムサシの前で、彼が進に挨拶する。
「ム。ヒル魔の息子か」
「ハイ、蛭魔妖介です。学生時代は父がお世話になりました」
「優秀なLBと聞いている」
「そうですか? ありがとうございます」
それを見ていた栗田とムサシはなるほど、と頷いた。
彼から話を聞くのなら、LBというポジション同士で妖介の方が聞き出しやすいと目論んだのだろう。
「ちゃんと聞き出せるのかな?」
「さあな。だがもし何か一つでも聞き出せれば御の字なんだろう」
「アイツが早々口割るとは考えづらいがナァ」
「だがやるだけやってみんとわからんだろう」
「そうだねー・・・ってヒル魔!?」
いつの間に、と驚く栗田をぼいんと蹴り、ヒル魔はグラスに口を付ける。
「こっちはもう大まかに聞き出したしな」
「なあ、ヒル魔」
「ア?」
「それだけじゃないんだろう?」
こんなパーティーを開いたのも。妖介を伴ったのも。彼に進と話をさせるのも。
それにヒル魔はにやりと口角を上げただけで何も言わない。
けれど楽しそうなソレが本当の意味での悪事ではなさそうなのをくみ取り、かつての親友二人は肩をすくめるに留まったのだった。
***
N.T様リクエスト『ヒルまも一家で同窓会に行くヒル魔+妖介』でした。書いているうちに楽しくなって長くなってしまいました(苦笑)妖介に驚き戸惑う周囲というお題をクリアできたかどうか・・・! キャラが沢山いたのですが、初書きは桜庭くんだけだなあと意外に思ったり。リクエストありがとうございましたー!!
N.T様のみお持ち帰り可。
「父さん! 全くもう、急に消えないでよ!」
「チッ、煩ェのが来やがった」
舌打ちするヒル魔に構わず、妖介は彼の腕からあっさりとマシンガンを取り上げた。
「テメッ」
「こんなの必要ないでしょ! 没収!!」
クロークに預けてきます、と言い置いて彼はすたすたと外に行く。
それを呆気にとられて見ていた高見は、ようやく口を開いた。
「・・・すごいな、生き写しだ」
「中身は全然違うぞ」
「みたいだね。中身は奥さんそっくりなんじゃないか?」
「残念なことにな」
眉を寄せるヒル魔に、高見はくっくっと喉を鳴らす。
「彼もアメフトやってるのかい?」
「おー。LBだ」
「へえ、LB! てっきりQBやるかと思ってたけど」
「QBは娘がやってる」
「はぁ?!」
目を丸くする高見の傍らに、再び妖介が戻ってくる。
「こんにちは、高見さん初めまして。父が何かご迷惑をお掛けしてませんか?」
「え、いや今はまだ何もないよ」
思わず素で高見はそう返してしまう。ヒル魔が眉を寄せた。
「なんで俺が迷惑を掛ける方だって断定なんだ」
「父さんなりの親愛の表現だって、相手にとっては腹立たしいこともあるんだよ」
「何抜かす」
言葉の応酬に、見ていた高見は思わず吹き出した。
「これは・・・随分といいものを見せて貰えたね」
眉を寄せる高見に、ヒル魔は眉を寄せ、妖介は苦笑する。
見た目が一緒で中身が違うというのが結構な見せ物になっているのは二人とも自覚しているのだ。
「そういえばさっき、QBが娘だって言ってたけど、本当かい?」
「ええ。俺には年子の姉がいるんですが、そっちがQBです」
「へーえ・・・。俺にも娘がいるけど、娘にアメフトさせる気にはならないね」
「自分からやりたいって言い出したから、やらせてるだけだ」
「女の子でアメフトしたいなんて、さすが蛭魔妖一の娘だ」
「今度試合を見に来て下さい。たぶん予想通りのモノが見られますから」
くすくすと笑う妖介に高見は頷いた。
「父さん、セナさんたちが探してたよ」
「おー」
「ムサシさんたちは?」
「あいつらは向こうで飯喰ってる。テメェも喰ってこい」
「いいの?」
「わざわざ並んで見せ物になる必要はねぇだろ」
「だって父さんが危ないことしでかすんじゃないか心配だよ」
「お陰様でマシンガンも没収サレマシタノデ」
「怪しい」
眉を寄せる妖介に、ヒル魔はニヤニヤといいから行け、と指さす。
そこに彼の好物の甘い物が沢山あるのを知っていて、だ。
「行ってくるといいよ。ヒル魔の見張りは俺がするから」
「それなら安心ですね」
「どういう意味だ糞息子」
「そのままの意味だよ。すみませんがよろしくお願いします」
どっちが保護者だか判らない言葉を交わして、妖介は腹ごしらえにとムサシたちの方へ移動した。
「娘も見てみたかったね。どうせなら家族全員連れてくればよかったのに」
「生憎と下二人が熱出してナァ」
「・・・何人子供がいるんだい?」
ヒル魔がウェイターを捕まえてアイスコーヒーを手にし、空いた手で4の数字を作ると高見は固まった。
「あ、高見さーん」
桜庭が高見の元へやってくる。ヒル魔を見て一瞬立ち止まったが、高見が手を上げて応じたので近づいてきた。
「こんな隅で何話してたんです?」
「何って程じゃないけど・・・ヒル魔の息子は見たかい?」
「え?! 息子が来てるんですか?!」
見たい! と声を上げて隣にいるヒル魔にじろりと睨まれる。
くっくっと笑いながら高見が指さす方向を見た桜庭は。
雲水と言葉を交わしているらしい金髪の悪魔をそこに見た。
「・・・?! え、ええ?!」
「そっくりだろう? この他にあと3人いるっていうから、見てみたいって話をしてたんだ」
「はー・・・4人も! すごいですねー」
姉崎さん頑張ったんだなあと零した途端、どこから取り出したのかヒル魔の手に現れた拳銃ががちゃりと音を立てて桜庭の顎に当てられる。
「うわぁ!!」
「ケケケ、人のこととやかく言える立場か? 大々的に報道してやろうか」
閃く脅迫手帳。それに桜庭の顔が引きつった。
芸能人である彼は今のところ独身であるが、その実存在する交際相手等は極秘の情報のハズなのに。
やはり彼の脅迫手帳は恐ろしい。
「事実じゃないか、そんなに桜庭をいじめるなよ」
「後輩想いの先輩デスネ」
そこに近づく影。雲水だ。
「邪魔するよ」
彼は今、教師として神龍寺に赴任し、そこでアメフト部を鍛えていると聞いた。
実直な性格は教師にも向いているのだろう。
「久しいな」
「そうだね。教師生活はどうだい?」
「まあまあだ」
関東勢有数のQBが集まる様子は隅にいても目立ち始める。
それをいいことに料理が載っているテーブルの側では、ちょっと珍しい光景が繰り広げられていた。
「そこのケーキが美味しくてね~」
「へえ、そうですか。あっ、こないだ駅の側に美味しいタイヤキ屋があるって聞いて食べに行ったんですよ」
「あ、飯塚屋じゃない? 僕あそこ好きなんだ」
「そうです! やっぱりご存じなんですね」
甘味を山積みにして頬張る栗田の隣で、同じく大量に甘味を食べる妖介。
その上更に甘味談義を繰り広げる二人の周囲には甘い匂いが漂っている。
「・・・ヒル魔の言葉じゃないが、甘臭いってのは、こういうことを言うんだな」
「ん? ムサシも食べる?」
「このムース美味しいですよ?」
「・・・いい。甘い物はそんなに得意じゃない」
げんなりするムサシは美味しいのにねえ、と首を傾げる20年来の親友と、もう一人の親友の息子とを交互に眺める。
今もどっしりした体躯の栗田は社会人アメフトで住職とアメフト選手という二足のわらじを履いて長く活躍した。
今は引退したとはいえ、その体つきも顔もまるまるとした状態なので見た目はかなり若い。
自分は相変わらず老け顔なので見た目には変化があまりない。
妖介は体躯もがっしりしているし、顔があの悪魔と瓜二つなのでこうやって三人でいるとかつての自分たちと同じような気持ちになる。
「アヤが残念がってました。スーツ姿のムサシさん見たかったって」
「ん?」
ムサシは自らの格好を見下ろす。普段滅多に袖を通さないスーツは着心地が悪く、正直ネクタイも落ち着かないのだが。
「後で写真撮ってもいいですか?」
「俺なんか撮ってどうするんだ」
「アヤのお土産にします」
「・・・土産にするならその辺のモノ持って帰った方がいいんじゃないか?」
山積みになっている甘味を指す彼に、妖介は眉を寄せて首を振る。
「アヤの味覚は父さん似ですから、俺が怒られます」
「ああ、そうだったか」
「写真なら嵩張りませんし、丁度いいんです」
ね、と笑顔で押し切られ、ムサシは渋々頷く。
アヤが自分の写真で喜ぶというのが全く理解できないが、彼女のことを一番よく知る弟がそういうのならそうなのだろう。
後で写真を撮らせるという約束をした後、ムサシは思い出したかのように彼に問いかけた。
「ところで、この会の目的ってのは?」
「ヒル魔がやるって言い出したんでしょ?」
二人に言われ、妖介はちらりと父親を捜す。
彼の周囲に集い始めているのは――――
「今、俺たち関東大会勝ち進んでるところなんです」
「ああ、そう聞いたな」
「今この会場内で高校アメフト部のコーチって言う人、結構いるんですよ」
それで二人は大まかに察した。
手っ取り早くコーチ陣を集めて様子を聞き出せればいいとでも考えたのだろう。
それにしたって随分な大がかりさだけれども。
「王城は・・・コーチが進だから難しいだろう」
ムサシがぐるりと探すと、ヒル魔とは対極の位置にいる彼を見つけた。
相変わらずストイックな生活をしている彼はこんなところでも食事には手を付けていないし、水だけ飲んでいる様子だ。
「・・・だから俺なんですよ」
ことんと皿を置いて、妖介が歩いていく。
顔を見合わせる栗田とムサシの前で、彼が進に挨拶する。
「ム。ヒル魔の息子か」
「ハイ、蛭魔妖介です。学生時代は父がお世話になりました」
「優秀なLBと聞いている」
「そうですか? ありがとうございます」
それを見ていた栗田とムサシはなるほど、と頷いた。
彼から話を聞くのなら、LBというポジション同士で妖介の方が聞き出しやすいと目論んだのだろう。
「ちゃんと聞き出せるのかな?」
「さあな。だがもし何か一つでも聞き出せれば御の字なんだろう」
「アイツが早々口割るとは考えづらいがナァ」
「だがやるだけやってみんとわからんだろう」
「そうだねー・・・ってヒル魔!?」
いつの間に、と驚く栗田をぼいんと蹴り、ヒル魔はグラスに口を付ける。
「こっちはもう大まかに聞き出したしな」
「なあ、ヒル魔」
「ア?」
「それだけじゃないんだろう?」
こんなパーティーを開いたのも。妖介を伴ったのも。彼に進と話をさせるのも。
それにヒル魔はにやりと口角を上げただけで何も言わない。
けれど楽しそうなソレが本当の意味での悪事ではなさそうなのをくみ取り、かつての親友二人は肩をすくめるに留まったのだった。
***
N.T様リクエスト『ヒルまも一家で同窓会に行くヒル魔+妖介』でした。書いているうちに楽しくなって長くなってしまいました(苦笑)妖介に驚き戸惑う周囲というお題をクリアできたかどうか・・・! キャラが沢山いたのですが、初書きは桜庭くんだけだなあと意外に思ったり。リクエストありがとうございましたー!!
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鳥(とり)
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女性
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自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
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