旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
まもりが鼻歌交じりで買い物から帰ってきて、ドアを開けた途端。
「ふざけるな!!」
響いた怒号にまもりはびくりと身体を震わせた。
これは・・・。
「妖介?!」
さすがに母親、いくら似ているとはいえヒル魔の声とは違うと瞬時に判断し、声を上げた。
「どうしたの!?」
慌てて上がり込んだ先で見たのは、リビングのラグの上で固まる護と、その前に仁王立ちしている妖介の姿で。普段は温厚な彼が鬼のような形相なのを見て、さすがのまもりも一瞬固まった。
「でも・・・まだ、保冷剤入ってる・・・」
途方に暮れた護の声なんて久しぶりに聞いた・・・いや初めてかも? なんて思ってるまもりの前で、妖介が再び怒鳴った。
「小学生のテメェだって知ってる常識だろう! 信じられない! 本当に信じられない!」
ここまで声を荒げて怒鳴る妖介も初めてだわ、とまもりはもはや傍観者の気持ちになってしまった。
騒ぎを聞きつけ、ひょこりとアヤも顔を出す。
「何?」
そこで弟二人は姉と母がいるのにようやく気づいたようだった。
味方を得た、という風に顔を輝かせた護は、二人を見上げて口を開く。
「僕ね、今日友達にお菓子貰ったの」
「お菓子?」
アヤがテーブルの上にあった箱に気づく。途端鼻につく匂いに気づいて、アヤは一歩下がった。
「アヤ?」
「・・・シュークリームか」
「そう」
護はこくんと頷く。
「美味しいところだって、友達のお母さんがわざわざ買ってくれたらしいんだけど・・・さっき、テーブルの上に置きっぱなしにしちゃってたら、兄ちゃんがそれ見て急に」
そこで怒りが再燃したらしく、妖介は声を再び荒げた。
「せっかく美味しいのにそのまま放置なんて信じられるか!」
ぎろ、と妖介が護を睨む。
「シュークリームは要冷蔵だっ!!!」
そのきっぱりとした声に。
「そうよ! そのまま放置なんてあり得ない!!」
まもりも大きく頷く。
「お母さんまで!?」
思わぬ方向からの同意に、護が愕然とした顔になる。
そんな彼らを見て、アヤは嘆息した。
「たかがシュークリームで・・・」
そのいかにも呆れた、という声に。
「「たかだかとはなんだー(なによー)!!!」」
そのあまりの勢いに、アヤも一瞬たじろいだ。
と。
「ア? なんだテメェら、ンなとこで何やってんだ?」
ひょこり、とヒル魔が顔を出した。
どうやら彼も出掛けていて今帰宅したようだ。
「「お父さん!」」
アヤと護の二重奏、という珍しい現象に、ヒル魔は全体を見渡す。
その眸を眇め、何となく現状を把握した彼は、そのまままもりを呼んだ。
「姉崎」
「何?」
近寄ったまもりの手のひらに、ぽすん、と落とされたのは、ケーキの箱。
その店名を見てまもりは瞳を輝かせた。
「これ! 美味しいって評判の、あのお店の?!」
「おー。テメェ喰いたいっつってたろ」
「なんで?! 今日、何かの記念日だった?!」
それにヒル魔はピンと片眉を上げた。
「ア? 喰わねぇなら捨てるぞ」
「嫌ッ! ちゃんと食べます!!」
「あー、・・・いーなー」
それを見ていた妖介の羨ましそうな声に。
「・・・兄ちゃん、このシュークリーム食べる?」
「え?! くれるの!?」
「うん、僕そんなに甘い物得意じゃないし」
「やったー!」
ころりと機嫌の直った二人がいそいそと箱を開ける。途端、甘い匂いが立ちこめた室内に踏み込めなくなったアヤは隣の父親を睨み、階段を上がって行ってしまった。
「好きな物を粗末に扱われたら怒るに決まってるだろうが」
呟くヒル魔の傍らに、護が近寄る。
「そうだけど・・・でもまさか、あんなに怒るなんて思わなかったよ」
嘆息する護の頭を撫で、ヒル魔は口角を上げる。
「糞カメレオンの娘」
「!!」
びく、と護が顔を上げる。
「そういうことだ」
全てを見通した顔で笑う彼に、護はむっと眉を寄せた。
***
甘い物で激怒する妖介が書きたかっただけです(笑)まもりまで尻馬に乗ってしまった!
「ふざけるな!!」
響いた怒号にまもりはびくりと身体を震わせた。
これは・・・。
「妖介?!」
さすがに母親、いくら似ているとはいえヒル魔の声とは違うと瞬時に判断し、声を上げた。
「どうしたの!?」
慌てて上がり込んだ先で見たのは、リビングのラグの上で固まる護と、その前に仁王立ちしている妖介の姿で。普段は温厚な彼が鬼のような形相なのを見て、さすがのまもりも一瞬固まった。
「でも・・・まだ、保冷剤入ってる・・・」
途方に暮れた護の声なんて久しぶりに聞いた・・・いや初めてかも? なんて思ってるまもりの前で、妖介が再び怒鳴った。
「小学生のテメェだって知ってる常識だろう! 信じられない! 本当に信じられない!」
ここまで声を荒げて怒鳴る妖介も初めてだわ、とまもりはもはや傍観者の気持ちになってしまった。
騒ぎを聞きつけ、ひょこりとアヤも顔を出す。
「何?」
そこで弟二人は姉と母がいるのにようやく気づいたようだった。
味方を得た、という風に顔を輝かせた護は、二人を見上げて口を開く。
「僕ね、今日友達にお菓子貰ったの」
「お菓子?」
アヤがテーブルの上にあった箱に気づく。途端鼻につく匂いに気づいて、アヤは一歩下がった。
「アヤ?」
「・・・シュークリームか」
「そう」
護はこくんと頷く。
「美味しいところだって、友達のお母さんがわざわざ買ってくれたらしいんだけど・・・さっき、テーブルの上に置きっぱなしにしちゃってたら、兄ちゃんがそれ見て急に」
そこで怒りが再燃したらしく、妖介は声を再び荒げた。
「せっかく美味しいのにそのまま放置なんて信じられるか!」
ぎろ、と妖介が護を睨む。
「シュークリームは要冷蔵だっ!!!」
そのきっぱりとした声に。
「そうよ! そのまま放置なんてあり得ない!!」
まもりも大きく頷く。
「お母さんまで!?」
思わぬ方向からの同意に、護が愕然とした顔になる。
そんな彼らを見て、アヤは嘆息した。
「たかがシュークリームで・・・」
そのいかにも呆れた、という声に。
「「たかだかとはなんだー(なによー)!!!」」
そのあまりの勢いに、アヤも一瞬たじろいだ。
と。
「ア? なんだテメェら、ンなとこで何やってんだ?」
ひょこり、とヒル魔が顔を出した。
どうやら彼も出掛けていて今帰宅したようだ。
「「お父さん!」」
アヤと護の二重奏、という珍しい現象に、ヒル魔は全体を見渡す。
その眸を眇め、何となく現状を把握した彼は、そのまままもりを呼んだ。
「姉崎」
「何?」
近寄ったまもりの手のひらに、ぽすん、と落とされたのは、ケーキの箱。
その店名を見てまもりは瞳を輝かせた。
「これ! 美味しいって評判の、あのお店の?!」
「おー。テメェ喰いたいっつってたろ」
「なんで?! 今日、何かの記念日だった?!」
それにヒル魔はピンと片眉を上げた。
「ア? 喰わねぇなら捨てるぞ」
「嫌ッ! ちゃんと食べます!!」
「あー、・・・いーなー」
それを見ていた妖介の羨ましそうな声に。
「・・・兄ちゃん、このシュークリーム食べる?」
「え?! くれるの!?」
「うん、僕そんなに甘い物得意じゃないし」
「やったー!」
ころりと機嫌の直った二人がいそいそと箱を開ける。途端、甘い匂いが立ちこめた室内に踏み込めなくなったアヤは隣の父親を睨み、階段を上がって行ってしまった。
「好きな物を粗末に扱われたら怒るに決まってるだろうが」
呟くヒル魔の傍らに、護が近寄る。
「そうだけど・・・でもまさか、あんなに怒るなんて思わなかったよ」
嘆息する護の頭を撫で、ヒル魔は口角を上げる。
「糞カメレオンの娘」
「!!」
びく、と護が顔を上げる。
「そういうことだ」
全てを見通した顔で笑う彼に、護はむっと眉を寄せた。
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甘い物で激怒する妖介が書きたかっただけです(笑)まもりまで尻馬に乗ってしまった!
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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