旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
『against the wind』様のキッズルーム一周年ということで、桜庭先生&4歳児のヒル魔くんのイラストですw
PCクラッシュによりブログに掲載させていただきましたーw
素敵イラストの詳細についてはhttp://against.konjiki.jp/のギャラリー内キッズルームへGO!!
このイラスト拝見してあまりのかわいさに悶え、速攻でSSを書いて送りつけてしまったというはた迷惑な行為をしたのですが、ヤメピさまのご好意により掲載していただいております。ありがとうございます!
『つづきはこちら』から件のSSへどうぞ。
+ + + + + + + + + +
夜を待つ
仕事の手を止め、ぼんやりと座って空を眺める。
ああ、日が長くなってきたなあ、今日は良い天気だった、明日も晴れるだろうか―――そんなことを考えた。
空は黄昏時、人も建物も何もかもが暗くうち沈む時間帯。
夜になる直前が一番暗くなるような気がする。
この時間帯はまだ帰宅しない人も多いから、建物の明かりも少ないせいだろうか。
夕焼けの反対側から紺色の空が伸びてきて、夕日が燻り消えるのを今か今かと待ちわびていた。
ふと、視線を感じて首を巡らせる。
そこに立っていたのは四歳児の蛭魔妖一くんだった。
常になら、先生である自分が仕事をさぼっているこの状況を見つければ嬉々としてからかいの対象にするか、園長先生に言いつけるぞ等の憎まれ口を叩くのだけれど。
今日の妖一くんは随分と大人しかった。もしかしたら時間帯のせいかもしれない。
大人でさえ疲れを感じる夕方、子供の彼ならもっと疲れているのか。
彼は猫のように近寄ってくると、自分の右横に無言のまますとんと腰を下ろした。
こちらから見えるのは彼の頭と、華奢な肩と足、それからつま先。
触れる部分から子供特有の熱が伝わってくる。
夕日を弾く金髪の隙間から僅かに見えるガムの風船。
妖一くんがこんな風に静かに近寄ってくるのは、実に珍しい。
何か心配事や不安を抱えているのだろうか。右肘に柔らかい髪が触れた。
どこか寂しそうにも見える妖一くんに呼びかけようとして、やめた。
滅多に子供らしく甘えてこない彼がこうやって静かに傍らに座ってくれるほどには、自分に懐いていると考えたら。
ただ言葉を掛けるのは無粋な気がしたのだ。
そのかわり。
「な!? 何しやがる!」
おもむろに伸ばした腕で妖一くんを引き寄せ、自分の膝の間に招き入れる。
騒ぐ彼の抗議は聞かないふりで、抱きしめてやる。
「ぎゃー! 男に抱きしめられる趣味はねぇ! 放せー!!」
そんな彼の背をぽんぽんとあやすように叩き、空をまた眺める。
橙色に染まる空を横切る黒い電線、空を過ぎるカラス、ぽつぽつと灯り始める街灯。
騒いでいた割には大人しく腕に収まった妖一くんと共に夜を待つ。
妖一くんのお迎えは夜と共に訪れる。
早く、少しでも早く、夜がくればいい。
仕事の手を止め、ぼんやりと座って空を眺める。
ああ、日が長くなってきたなあ、今日は良い天気だった、明日も晴れるだろうか―――そんなことを考えた。
空は黄昏時、人も建物も何もかもが暗くうち沈む時間帯。
夜になる直前が一番暗くなるような気がする。
この時間帯はまだ帰宅しない人も多いから、建物の明かりも少ないせいだろうか。
夕焼けの反対側から紺色の空が伸びてきて、夕日が燻り消えるのを今か今かと待ちわびていた。
ふと、視線を感じて首を巡らせる。
そこに立っていたのは四歳児の蛭魔妖一くんだった。
常になら、先生である自分が仕事をさぼっているこの状況を見つければ嬉々としてからかいの対象にするか、園長先生に言いつけるぞ等の憎まれ口を叩くのだけれど。
今日の妖一くんは随分と大人しかった。もしかしたら時間帯のせいかもしれない。
大人でさえ疲れを感じる夕方、子供の彼ならもっと疲れているのか。
彼は猫のように近寄ってくると、自分の右横に無言のまますとんと腰を下ろした。
こちらから見えるのは彼の頭と、華奢な肩と足、それからつま先。
触れる部分から子供特有の熱が伝わってくる。
夕日を弾く金髪の隙間から僅かに見えるガムの風船。
妖一くんがこんな風に静かに近寄ってくるのは、実に珍しい。
何か心配事や不安を抱えているのだろうか。右肘に柔らかい髪が触れた。
どこか寂しそうにも見える妖一くんに呼びかけようとして、やめた。
滅多に子供らしく甘えてこない彼がこうやって静かに傍らに座ってくれるほどには、自分に懐いていると考えたら。
ただ言葉を掛けるのは無粋な気がしたのだ。
そのかわり。
「な!? 何しやがる!」
おもむろに伸ばした腕で妖一くんを引き寄せ、自分の膝の間に招き入れる。
騒ぐ彼の抗議は聞かないふりで、抱きしめてやる。
「ぎゃー! 男に抱きしめられる趣味はねぇ! 放せー!!」
そんな彼の背をぽんぽんとあやすように叩き、空をまた眺める。
橙色に染まる空を横切る黒い電線、空を過ぎるカラス、ぽつぽつと灯り始める街灯。
騒いでいた割には大人しく腕に収まった妖一くんと共に夜を待つ。
妖一くんのお迎えは夜と共に訪れる。
早く、少しでも早く、夜がくればいい。
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HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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