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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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限界ゲージ(3)/完結

+ + + + + + + + + +
「テメェは誰の女だ?」
「・・・ヒル魔くん?」
「そこで間を空ける上に疑問形かオイ」
くしゃ、とまもりの頭を撫でる。
しゃがむまもりを、いいこいいこをしているような優しい指に涙腺が緩んだ。
「男と女の身体が違うのは自明の理だろ」
「うん」
「男と女の考え方が違うのもそうだろ」
「うん・・・」
沈む声にヒル魔は大きく舌打ちする。
「だからってなぁ・・・でっかく一括りにした男のカテゴリーに俺を突っ込んで敬遠すんな!」
「きゃ!」
ぐしゃ、と髪の毛ごと頭を掴まれ、アイアンクローの様相を呈したヒル魔に、まもりは慌てて立ち上がる。
「!」
そのままの勢いで抱きしめられ、まもりはかあっと頬を染め身体を堅くした。
「怖いか?」
「ううん」
ふ、と軽く息をついて力を抜く。
そうだ、この腕。
何度となく怯えて逃げようとするまもりを逃さず、けれど傷つけもしないように優しく守ってくれる腕。
先ほどの授業で突きつけられた内容は事実だろうけれど、それは一部に過ぎない。
まもりにとってはこの腕の確かさの方がよっぽど信用できる。
「・・・」
おとなしく抱かれているまもりの後頭部を撫でていたヒル魔は、ふっと息をつくと不意に彼女を抱え上げた。
「きゃ!? 何!?」
「保健室」
「え? え? いいわよ、もう気分は大分よくなったし」
「まだ青い」
「そう?」
歩けるわよ、と降りようとしたがヒル魔は腕を離さない。
「抱えられてろ。テメェくらいどうってことねぇ」
「・・・うん」
頬を染めて頷くまもりに、ヒル魔は口角を上げて部室の扉を開いた。

「ん? どうしたんだ二人で」
「おー、糞ジジイ。これから保健室に行くから適当に練習させとけ」
グラウンドを指さすヒル魔に、ムサシは耳に小指を突っ込みながら一つ尋ねた。
「持ってるのか?」
「ったりめーだ」
「? 何? ムサシくん」
不思議な会話をする二人にまもりは小首を傾げるが、ムサシはただ笑ってまもりの頭を撫でるだけだ。
「行くぞ」
すたすたと危なげなく歩くヒル魔に運ばれつつ。
いつもこれくらい優しければいいのに、などと考えながらまもりは微笑みを浮かべる。


「あれムサシ、ヒル魔見なかった?」
「ん? あいつなら取り込み中だ。今日は練習に出ないかもな」
「ええ!? ヒル魔が練習に出ない!? なんで・・・」
焦る栗田にムサシはひらひらと手のひらを振って大事ないと示す。
「保健室に行ったぞ、姉崎とな」
焦らしに焦らされ続けた悪魔の心情を表すように。
「どうやら限界らしい」
小指で耳を掻きながら、ムサシはにやりと口角を上げた。


***
あよ様リクエスト『保健体育授業後のデビルバッツオールキャラ+ヒルまも』でした。鳥の出身校では作中の大野先生のような具体的に色々と教えて下さる先生がいらしたものですから、授業直後に気分が悪くなって保健室に行く子が実際にいたのを思い出しながら書きました。加えて、もう色々逃げられるヒル魔さんが可哀想になってきてたので『欺瞞と真実』『プシュミ・プルシュ』『うわさ』に続く一連の流れと繋げさせていただきました。書き出したらあっという間でした!
リクエストありがとうございました~!
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ありがとうございます!
コメントが遅れてしまい申し訳ありませんでした。
じっくり読ませていただきました。

リクエストに応えてくださって感激です…!
ついにヒル魔くんが報われたみたいですね(笑)
そしてまもりちゃんはまもりちゃんでやっぱり危機感なさすぎで可愛いです。
デビルバッツオールキャラは書くの面倒臭い(難しい)だろうなぁと思いながらも、メンバーとヒルまもの絡みが好きなのでリクエストしてしまいましたが…さすが鳥さん、うまく纏まっていて楽しく読めました。

私が通っていた高校ではとてもアッサリした説明のみで、ゴムもなにも貰えなかったので逆に肩透かしくらった思い出があります。
せっかくなんだからくれよ!と(笑)

長々と書いてしまいましたが、素晴らしいSSをありがとうございました!
これからも応援してます。
あよ 2010/10/09(Sat)18:18 編集
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