旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
なんていうんだろう、この、なんだか妙な感じ。
僕ら一年生組が部室に来たら、まもり姉ちゃんが真っ青な顔してカジノテーブルに俯き座ってた。
で、テーブルを挟んでふんぞりかえって座る不機嫌なヒル魔さん。
なんだかすっごい勢いで携帯いじってる。パソコンじゃないあたりがいつもと違う。
それ以外の二年生たちは来てないみたいだ。
「・・・ヒル魔くん、お願いだからやめて」
「ンなツラしといて何抜かす」
青い顔のまままもり姉ちゃんが口を開いた。
けど、いつもなら文句を言うのに決然とヒル魔さんの前に立つのに、今日は座ったままだ。
視線どころか、顔も合わせない。
「あの・・・まもり姉ちゃん、どうかしたの?」
「っ!!」
その途端、まもり姉ちゃんは僕らからも視線を反らした。
つまり、カウンター側に不自然なくらい顔を背けたんだ。
・・・これは凄くショックだ。
「え、え!? どうしたの?!」
「な、何があったっスか!?」
「マドモアゼルまもり? 一体何があったんだい?」
「ハァ、調子悪ィんなら帰った方がいいんじゃねえか?」
「はぁぁあああ、マネージャーいねぇんじゃ大変じゃんかよォ」
「ハ、一日くらい平気だろ」
「フゴ!」
口々に声を上げる僕たちに向かって、姉ちゃんは申し訳なさそうに細い声で応じた。
「大丈夫、別に体調が悪い訳じゃないの・・・」
「でも顔色が」
その途端、カジノテーブルがドカンと派手な音を立てた。
「!!」
「ったく! あの糞クソババァ体育教師、どこ行きやがった!!」
ヒル魔さんの足がテーブルに投げ出されたんだ。
苛立つヒル魔さんの手の中にはケータイ。
あれ、体育教師? それも女性の?
そういえばさっき、真っ青な顔して飛んで帰った先生が確かそうだったはずだ。
「ヒル魔さん、大野先生のことですか?」
「おー。なんだ、見たか?」
「はい。ついさっき、なんか凄い焦って校門に向かってましたけど」
「・・・ホー」
ヒル魔さんは立ち上がると、部室のドアを開いた。
「ケルベロス!!!」
「グォン!!」
地獄の門番の名は伊達じゃない。
ケルベロスは聞く物の背筋を凍らせるような声で吠えてヒル魔さんの元へやって来た。
どこから取り出したのか、大野先生の名が入った布を嗅がせている。
「トってこい」
その瞬間、ヒル魔さんの身体からぶわっとコウモリの大群が上がった気がした。
取ってこい、じゃないですよねヒル魔さん。
殺ってこい、でしたよねヒル魔さん?!
それはまもり姉ちゃんも察したらしい。
「ちょっとヒル魔くん!」
「グォオン!」
気丈にも青い顔のまま止めようとした声は届かず、ケルベロスは凄まじい勢いで走っていった。
ああ・・・僕はあの大野先生を思って内心合掌する。
「大野先生は悪くないのに」
まもり姉ちゃんの弱々しい声。ぐったりとしたその様子に、体育でよっぽどしごかれたのかと僕らは憐憫を覚えた。
大野先生はとにかく厳しい先生で、竹刀片手に女子生徒を怒鳴りつける様子は端から見ていても怖い存在だ。
よくクラスの女子があの先生は女じゃないよ、とぼやいているし。
「そんなに今日キツい体育だったッスか?」
「え? あの・・・」
まもり姉ちゃんが何かを言う前に、ヒル魔さんが口を開いた。
「そろそろ着替えて練習始めっぞ」
言うが早いか、いつものようにマシンガン片手に立ち上がったヒル魔さんに続いて、まもり姉ちゃんも慌てたように立ち上がった。
準備をしなくちゃ、と考えたんだろう。
けれどその瞬間、まもり姉ちゃんの身体がよろめいて、その拍子にスカートのポケットから何かが落ちた。
<続>
僕ら一年生組が部室に来たら、まもり姉ちゃんが真っ青な顔してカジノテーブルに俯き座ってた。
で、テーブルを挟んでふんぞりかえって座る不機嫌なヒル魔さん。
なんだかすっごい勢いで携帯いじってる。パソコンじゃないあたりがいつもと違う。
それ以外の二年生たちは来てないみたいだ。
「・・・ヒル魔くん、お願いだからやめて」
「ンなツラしといて何抜かす」
青い顔のまままもり姉ちゃんが口を開いた。
けど、いつもなら文句を言うのに決然とヒル魔さんの前に立つのに、今日は座ったままだ。
視線どころか、顔も合わせない。
「あの・・・まもり姉ちゃん、どうかしたの?」
「っ!!」
その途端、まもり姉ちゃんは僕らからも視線を反らした。
つまり、カウンター側に不自然なくらい顔を背けたんだ。
・・・これは凄くショックだ。
「え、え!? どうしたの?!」
「な、何があったっスか!?」
「マドモアゼルまもり? 一体何があったんだい?」
「ハァ、調子悪ィんなら帰った方がいいんじゃねえか?」
「はぁぁあああ、マネージャーいねぇんじゃ大変じゃんかよォ」
「ハ、一日くらい平気だろ」
「フゴ!」
口々に声を上げる僕たちに向かって、姉ちゃんは申し訳なさそうに細い声で応じた。
「大丈夫、別に体調が悪い訳じゃないの・・・」
「でも顔色が」
その途端、カジノテーブルがドカンと派手な音を立てた。
「!!」
「ったく! あの糞クソババァ体育教師、どこ行きやがった!!」
ヒル魔さんの足がテーブルに投げ出されたんだ。
苛立つヒル魔さんの手の中にはケータイ。
あれ、体育教師? それも女性の?
そういえばさっき、真っ青な顔して飛んで帰った先生が確かそうだったはずだ。
「ヒル魔さん、大野先生のことですか?」
「おー。なんだ、見たか?」
「はい。ついさっき、なんか凄い焦って校門に向かってましたけど」
「・・・ホー」
ヒル魔さんは立ち上がると、部室のドアを開いた。
「ケルベロス!!!」
「グォン!!」
地獄の門番の名は伊達じゃない。
ケルベロスは聞く物の背筋を凍らせるような声で吠えてヒル魔さんの元へやって来た。
どこから取り出したのか、大野先生の名が入った布を嗅がせている。
「トってこい」
その瞬間、ヒル魔さんの身体からぶわっとコウモリの大群が上がった気がした。
取ってこい、じゃないですよねヒル魔さん。
殺ってこい、でしたよねヒル魔さん?!
それはまもり姉ちゃんも察したらしい。
「ちょっとヒル魔くん!」
「グォオン!」
気丈にも青い顔のまま止めようとした声は届かず、ケルベロスは凄まじい勢いで走っていった。
ああ・・・僕はあの大野先生を思って内心合掌する。
「大野先生は悪くないのに」
まもり姉ちゃんの弱々しい声。ぐったりとしたその様子に、体育でよっぽどしごかれたのかと僕らは憐憫を覚えた。
大野先生はとにかく厳しい先生で、竹刀片手に女子生徒を怒鳴りつける様子は端から見ていても怖い存在だ。
よくクラスの女子があの先生は女じゃないよ、とぼやいているし。
「そんなに今日キツい体育だったッスか?」
「え? あの・・・」
まもり姉ちゃんが何かを言う前に、ヒル魔さんが口を開いた。
「そろそろ着替えて練習始めっぞ」
言うが早いか、いつものようにマシンガン片手に立ち上がったヒル魔さんに続いて、まもり姉ちゃんも慌てたように立ち上がった。
準備をしなくちゃ、と考えたんだろう。
けれどその瞬間、まもり姉ちゃんの身体がよろめいて、その拍子にスカートのポケットから何かが落ちた。
<続>
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
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性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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