旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
赤羽が動いてしまえば、すかさず阿含がその隣に来るだろう。
他の面子をぐるりと見渡しても、ほとんどが酒に飲まれてしまっていてこちらの迫り来る危機には誰も気づいていない様子。
こうなれば番場がまもりを連れ出すか、と考えていると。
「おーおー。随分と楽しそうデスネ」
やっと、お目付役がやって来た。
この顔を見てほっとすることが試合以外にあるなんて、と妙な感想を抱きつつ番場は声の主に視線を向けた。
「遅かったな」
「糞学長がなかなか離してくれなくてなァ」
「色気のねぇ話じゃねぇかカス」
突っ込みながら、阿含の表情が面白くないと言っている。
このまま巧くまもりを連れ去って適当にいただくつもりだったのに、というのがあからさまだ。端で見ていてもよく分かる人でなしっぷりに、どうしてこの男があれほど女にもてるのかが分からないと番場は心密かに呟いた。
「口を慎め糞ドレッド。部室改造に快くご了解いただいて来たところだからなァ」
どうにも清潔感とは遠い狭い部室。
それを改善しようと彼は動いていたらしい。聞いて阿含は小さく舌打ちした。
「糞マネ、なんつー格好してんだ」
呆れたような口調で言われ、まもりは笑みを浮かべたままゆっくりと小首を傾げた。
眠たそうに瞬きする顔に、ヒル魔は片眉を上げた。
「テメェ女だっつー自覚あんのか?」
「おんな・・・」
まもりは自分を見下ろし、胸をむにっと掴んだ。
その豊かな胸が寄って谷間が盛り上がる様を間近で見せられ、その場が凍り付いた。
思わず隣にいた番場は後ろに引いたし、酔っていた赤羽でさえその姿をまじまじと見つめてしまう。阿含に至っては思わず口笛を吹いた。
この場に一休がいたらきっと鼻血を吹いたに違いない。
「おんなのこよ。おっぱいもあるもん」
ゆっくりとした響きに理性はほとんど残っていなくて。
「・・・糞!!」
ヒル魔は舌打ちすると、後ろに引いた番場の前を通ってまもりの脇の下に手を突っ込み、ぐいっと抱え上げた。
「?」
まるで気の抜けた日向の猫のような、ぐんにゃりした肢体を引き上げる。
なすがままのまもりを抱えてヒル魔は番場が差し出したまもりの鞄も受け取った。
「この事は、よく言っておけよ」
どことなく疲れた風情の番場に、ヒル魔はふんと鼻を鳴らしただけだ。
他の部員たちはヒル魔の登場に気づいた者も少ない。
ゆうゆうとまもりを連れ去るヒル魔に、番場は安堵の吐息を、阿含は派手な舌打ちを、それぞれに零した。赤羽の酔っていても狂わないギターをBGMにしながら。
さてその次の練習日。
まもりは酒の席のことなどすっかり忘れて練習にやって来ていた。
あの後酔いが覚めてからヒル魔に散々怒られたのだけれど、実際どんな風だか覚えていないので本質的に反省はしていないというのが現状だったりする。
「番場さん、おはようございます」
「・・・ああ、おはよう」
番場の目が泳ぐ。そんな顔をされるのが初めてでまもりは小首を傾げるが、続いて赤羽にも一休にも同じように微妙な顔をされて更に困惑する。
「やあ、まもりちゃん。おはよう」
偽りの爽やかさを醸しながらやって来た阿含にまもりは挨拶もそこそこに告げた。
「あ、あの、こないだの飲み会で私、何かやりましたか?」
「は?」
「なんだか皆さん微妙な顔をするので・・・」
「ほら敬語」
「あ。・・・ええと、何かあったのかなって」
「いや、どっちかっつーと俺は眼福だったけど」
「眼福?」
一体何をしたのか、と眉を寄せるまもりに、阿含はたちの悪い笑みを浮かべる。
「童貞連中には刺激が強かったんじゃないかな。まもりちゃんの酔った姿、すっげぇ色っぽくてさ」
「え、ええ・・・!?」
真っ赤な顔で飛び上がるまもりに、ひどくそそられつつも阿含はそれでも手を出さなかった。
背後からこちらを正確に狙っている銃口の存在に気づいているからだ。
後でもう一回あの席にいた連中に聞いてみれば、と言葉を濁して阿含がその場を離れると、すかさずヒル魔がやってくる。
「テメェ、糞ドレッドに近寄るんじゃねぇ」
「挨拶してただけよ、もう」
嫉妬深い男は嫌われるわよ、と内心で呟いて―――面と向かって言うと後々煩いので―――まもりはふと思い出して首を傾げた。
「ねえ、ヒル魔くん。『童貞』ってなに?」
ヒル魔は表情を変えないまま、それでも額に青筋を浮かべた。
「・・・少なくとも糞優等生なテメェが朝から口にしていい単語じゃねぇ」
「そ、そうなの!?」
焦るまもりに、無自覚なのも大概にしろ、と。
ヒル魔は盛大に舌打ちしたのだった。
***
酔っぱらう前にはてきぱきしていて、酔うと途端に黙り込んでしゃべる速度も落ちて、ふわふわにこにこ笑ってる子はモテますよ。誰でもいいからひっかけたいときには使える技です。
狙う相手がいるときは隣に座ってしなだれかかるのもよし。何か理由をつけて触ればもっとOK。女から見たらばればれでも男からは分からないことが多いんです。
以上、合コンで男をひっかけるテクでした(笑)
他の面子をぐるりと見渡しても、ほとんどが酒に飲まれてしまっていてこちらの迫り来る危機には誰も気づいていない様子。
こうなれば番場がまもりを連れ出すか、と考えていると。
「おーおー。随分と楽しそうデスネ」
やっと、お目付役がやって来た。
この顔を見てほっとすることが試合以外にあるなんて、と妙な感想を抱きつつ番場は声の主に視線を向けた。
「遅かったな」
「糞学長がなかなか離してくれなくてなァ」
「色気のねぇ話じゃねぇかカス」
突っ込みながら、阿含の表情が面白くないと言っている。
このまま巧くまもりを連れ去って適当にいただくつもりだったのに、というのがあからさまだ。端で見ていてもよく分かる人でなしっぷりに、どうしてこの男があれほど女にもてるのかが分からないと番場は心密かに呟いた。
「口を慎め糞ドレッド。部室改造に快くご了解いただいて来たところだからなァ」
どうにも清潔感とは遠い狭い部室。
それを改善しようと彼は動いていたらしい。聞いて阿含は小さく舌打ちした。
「糞マネ、なんつー格好してんだ」
呆れたような口調で言われ、まもりは笑みを浮かべたままゆっくりと小首を傾げた。
眠たそうに瞬きする顔に、ヒル魔は片眉を上げた。
「テメェ女だっつー自覚あんのか?」
「おんな・・・」
まもりは自分を見下ろし、胸をむにっと掴んだ。
その豊かな胸が寄って谷間が盛り上がる様を間近で見せられ、その場が凍り付いた。
思わず隣にいた番場は後ろに引いたし、酔っていた赤羽でさえその姿をまじまじと見つめてしまう。阿含に至っては思わず口笛を吹いた。
この場に一休がいたらきっと鼻血を吹いたに違いない。
「おんなのこよ。おっぱいもあるもん」
ゆっくりとした響きに理性はほとんど残っていなくて。
「・・・糞!!」
ヒル魔は舌打ちすると、後ろに引いた番場の前を通ってまもりの脇の下に手を突っ込み、ぐいっと抱え上げた。
「?」
まるで気の抜けた日向の猫のような、ぐんにゃりした肢体を引き上げる。
なすがままのまもりを抱えてヒル魔は番場が差し出したまもりの鞄も受け取った。
「この事は、よく言っておけよ」
どことなく疲れた風情の番場に、ヒル魔はふんと鼻を鳴らしただけだ。
他の部員たちはヒル魔の登場に気づいた者も少ない。
ゆうゆうとまもりを連れ去るヒル魔に、番場は安堵の吐息を、阿含は派手な舌打ちを、それぞれに零した。赤羽の酔っていても狂わないギターをBGMにしながら。
さてその次の練習日。
まもりは酒の席のことなどすっかり忘れて練習にやって来ていた。
あの後酔いが覚めてからヒル魔に散々怒られたのだけれど、実際どんな風だか覚えていないので本質的に反省はしていないというのが現状だったりする。
「番場さん、おはようございます」
「・・・ああ、おはよう」
番場の目が泳ぐ。そんな顔をされるのが初めてでまもりは小首を傾げるが、続いて赤羽にも一休にも同じように微妙な顔をされて更に困惑する。
「やあ、まもりちゃん。おはよう」
偽りの爽やかさを醸しながらやって来た阿含にまもりは挨拶もそこそこに告げた。
「あ、あの、こないだの飲み会で私、何かやりましたか?」
「は?」
「なんだか皆さん微妙な顔をするので・・・」
「ほら敬語」
「あ。・・・ええと、何かあったのかなって」
「いや、どっちかっつーと俺は眼福だったけど」
「眼福?」
一体何をしたのか、と眉を寄せるまもりに、阿含はたちの悪い笑みを浮かべる。
「童貞連中には刺激が強かったんじゃないかな。まもりちゃんの酔った姿、すっげぇ色っぽくてさ」
「え、ええ・・・!?」
真っ赤な顔で飛び上がるまもりに、ひどくそそられつつも阿含はそれでも手を出さなかった。
背後からこちらを正確に狙っている銃口の存在に気づいているからだ。
後でもう一回あの席にいた連中に聞いてみれば、と言葉を濁して阿含がその場を離れると、すかさずヒル魔がやってくる。
「テメェ、糞ドレッドに近寄るんじゃねぇ」
「挨拶してただけよ、もう」
嫉妬深い男は嫌われるわよ、と内心で呟いて―――面と向かって言うと後々煩いので―――まもりはふと思い出して首を傾げた。
「ねえ、ヒル魔くん。『童貞』ってなに?」
ヒル魔は表情を変えないまま、それでも額に青筋を浮かべた。
「・・・少なくとも糞優等生なテメェが朝から口にしていい単語じゃねぇ」
「そ、そうなの!?」
焦るまもりに、無自覚なのも大概にしろ、と。
ヒル魔は盛大に舌打ちしたのだった。
***
酔っぱらう前にはてきぱきしていて、酔うと途端に黙り込んでしゃべる速度も落ちて、ふわふわにこにこ笑ってる子はモテますよ。誰でもいいからひっかけたいときには使える技です。
狙う相手がいるときは隣に座ってしなだれかかるのもよし。何か理由をつけて触ればもっとOK。女から見たらばればれでも男からは分からないことが多いんです。
以上、合コンで男をひっかけるテクでした(笑)
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鳥(とり)
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性別:
女性
趣味:
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自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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