旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
ストイックに過ごしてきたとは言え、大学生ともなれば酒の席も増える。
勿論未成年だから飲んではならない、という世間一般の考えはあるが、大体は大学のサークル等で連れ込まれた先で飲まされたのが初めて、というところだろう。
「マジで? 一回も飲んだことねえの?」
「え・・・う、ん」
まもりは逡巡した挙げ句、こくりと頷いた。
先ほど同じ年なのだから、と敬語をやめるように行って来た阿含に。
「随分真面目ッスね~」
「テメェだって前回が初めてだっつってたろ」
一休が感心したように頷き、彼に小突かれる。
新入部員歓迎会をヒル魔とまもりは揃って早々に抜け出したため、未だ酒に口をつけていないのだ。
「あれ、ヒル魔は?」
「用事があるから、少し遅れますって」
「へえ・・・」
阿含の眸が細められる。ろくな事を考えていない顔だ、と一休は察知してまもりの隣に座ろうとするが。
「おっと。そこは俺が座らせてもらうぜ」
にやにやと笑って阿含が移動しようとするが。
「フー。生憎とそこの席は俺の場所なんでね」
「なんで唐突に来て唐突に座ってんだよカス!」
赤羽がギターをドスンと立ててまもりと阿含の間に壁を作る。
ならばもう一方を、と思えば既にそこには番場が腰を据えていた。
「何を頼むんだ」
「あ、お酒は未成年ですから・・・」
「フー。大丈夫だ。何かあってもヒル魔の黒い手帳がアップテンポに全てをかき消してくれるさ」
「いやいやいやいや! それはまずいんじゃ」
ダメですよね、と助けを求めて隣の番場に助けを求めたが、彼はしれっとメニューのアルコールの頁を開いて寄越した。
「ちょ、ちょっと!?」
「これも経験だ。少し分からせてやればいい」
「何をですか?」
番場はふっと唇の端で笑う。赤羽も軽く肩をすくめただけで特に助言もない。
一体何がと重ねて問う前に番場からメニューを奪い取り、阿含が勝手に注文してしまった。
「ああ!」
「大丈夫だって。甘くて飲みやすいのにしといたからさ」
酔いつぶれてもちゃんと送ってあげるよ、とタラシ顔でにじり寄ろうとする阿含に番場の突っ込みが入る。
「姉崎はヒル魔と同棲中だぞ」
「ど、同棲じゃないです!!」
「家に送るとは限らないんじゃないッスかねぇ・・・ッテ!」
再び阿含に小突かれる一休の後ろから、明るい店員の声が掛かる。
「はいこちらお待たせしました-! 生中4つにスクリュードライバー1つですね!」
これはお通しです、と小鉢とジョッキがどかどかと置かれていく。
居酒屋自体が初めてなまもりは目を瞬かせてグラスを受け取る。
その間に手際よく一休がジョッキを配っていく。番場以外は同じ年だが、どうにも阿含に使われているせいかこういうところで率先して動くのが癖になっているらしい。
他にも部員たちがいるが、それは別のテーブルにそれぞれ座っている。
アメフト部員ともなれば体型ががっしりしているため密集して座ることができないのだ。
「さーてみんなジョッキは持ったか!? じゃ、堅苦しい挨拶はなしで! 乾杯!!」
『乾杯!!』
低く大きな声が一斉に響くと、ずしんと腹に響く。小さくきゃっと悲鳴を上げたまもりは、それでも笑顔でジョッキをぶつける面々に恐る恐るグラスを差し出した。
がつんかつんとぶつかり合い、皆が視線を交わしてジョッキを手元に引き寄せる。
きょろきょろと周囲を見ながらまもりもつられるようにグラスに口をつけた。
「・・・おいしい」
「だろ?」
こちらは生ビールのジョッキを一気に空けた阿含が笑顔を見せた。
すぐさまお代わりを頼んで次のジョッキに口をつける。
彼も未成年だったはずだが、堂に入った飲みっぷりだった。
<続>
勿論未成年だから飲んではならない、という世間一般の考えはあるが、大体は大学のサークル等で連れ込まれた先で飲まされたのが初めて、というところだろう。
「マジで? 一回も飲んだことねえの?」
「え・・・う、ん」
まもりは逡巡した挙げ句、こくりと頷いた。
先ほど同じ年なのだから、と敬語をやめるように行って来た阿含に。
「随分真面目ッスね~」
「テメェだって前回が初めてだっつってたろ」
一休が感心したように頷き、彼に小突かれる。
新入部員歓迎会をヒル魔とまもりは揃って早々に抜け出したため、未だ酒に口をつけていないのだ。
「あれ、ヒル魔は?」
「用事があるから、少し遅れますって」
「へえ・・・」
阿含の眸が細められる。ろくな事を考えていない顔だ、と一休は察知してまもりの隣に座ろうとするが。
「おっと。そこは俺が座らせてもらうぜ」
にやにやと笑って阿含が移動しようとするが。
「フー。生憎とそこの席は俺の場所なんでね」
「なんで唐突に来て唐突に座ってんだよカス!」
赤羽がギターをドスンと立ててまもりと阿含の間に壁を作る。
ならばもう一方を、と思えば既にそこには番場が腰を据えていた。
「何を頼むんだ」
「あ、お酒は未成年ですから・・・」
「フー。大丈夫だ。何かあってもヒル魔の黒い手帳がアップテンポに全てをかき消してくれるさ」
「いやいやいやいや! それはまずいんじゃ」
ダメですよね、と助けを求めて隣の番場に助けを求めたが、彼はしれっとメニューのアルコールの頁を開いて寄越した。
「ちょ、ちょっと!?」
「これも経験だ。少し分からせてやればいい」
「何をですか?」
番場はふっと唇の端で笑う。赤羽も軽く肩をすくめただけで特に助言もない。
一体何がと重ねて問う前に番場からメニューを奪い取り、阿含が勝手に注文してしまった。
「ああ!」
「大丈夫だって。甘くて飲みやすいのにしといたからさ」
酔いつぶれてもちゃんと送ってあげるよ、とタラシ顔でにじり寄ろうとする阿含に番場の突っ込みが入る。
「姉崎はヒル魔と同棲中だぞ」
「ど、同棲じゃないです!!」
「家に送るとは限らないんじゃないッスかねぇ・・・ッテ!」
再び阿含に小突かれる一休の後ろから、明るい店員の声が掛かる。
「はいこちらお待たせしました-! 生中4つにスクリュードライバー1つですね!」
これはお通しです、と小鉢とジョッキがどかどかと置かれていく。
居酒屋自体が初めてなまもりは目を瞬かせてグラスを受け取る。
その間に手際よく一休がジョッキを配っていく。番場以外は同じ年だが、どうにも阿含に使われているせいかこういうところで率先して動くのが癖になっているらしい。
他にも部員たちがいるが、それは別のテーブルにそれぞれ座っている。
アメフト部員ともなれば体型ががっしりしているため密集して座ることができないのだ。
「さーてみんなジョッキは持ったか!? じゃ、堅苦しい挨拶はなしで! 乾杯!!」
『乾杯!!』
低く大きな声が一斉に響くと、ずしんと腹に響く。小さくきゃっと悲鳴を上げたまもりは、それでも笑顔でジョッキをぶつける面々に恐る恐るグラスを差し出した。
がつんかつんとぶつかり合い、皆が視線を交わしてジョッキを手元に引き寄せる。
きょろきょろと周囲を見ながらまもりもつられるようにグラスに口をつけた。
「・・・おいしい」
「だろ?」
こちらは生ビールのジョッキを一気に空けた阿含が笑顔を見せた。
すぐさまお代わりを頼んで次のジョッキに口をつける。
彼も未成年だったはずだが、堂に入った飲みっぷりだった。
<続>
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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