旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
まもりの伸びた髪は、とうとう肩を超えた。
「随分伸びたな」
「うん」
毛先をつん、と引かれて、まもりは笑みを浮かべる。
「成人式には結い上げたいもの」
「振り袖はどうすんだ? 買うのか」
「え? もう持ってるから改めて買おうとは思わないわ」
「そういうもんか」
「そうようちの母が若いときに着てたものなの。代々着ていけるっていいことよね」
ヒル魔はぴらりと一枚の写真を取り出す。
「少し古臭ェ気がするな」
「んもう! レトロと言って!」
彼がいなかったはずの、あの初詣の着物姿の写真。
今更持っていることに驚かないが、口出ししてくるとは思わなかった。
「いや、やっぱりこの着物はよくねぇな」
「ええ!? どこがよ!」
大体ヒル魔くんに駄目出しされる必要は、と文句を連ねたが。
「未婚女性だけしか着ちゃ駄目なんだろ?」
「? そりゃそう、だけど」
「テメェはこの段階じゃもう未婚じゃねぇよ」
「はい!?」
手を出せ、と言われて差し出せば。
どさりと渡されたのは留学用のパンフレット。行き先はアメリカ、学校資料もある。
「ついでにコレとコレもな」
更にひょいひょいとその上に積まれたのは旅行のパンフレット。行き先は国内外問わずの多種多様。
「ちょ、なにコレ!?」
「ああ、ついでにコレな」
両手が動かないところに頭上に載せられたのは小さな箱の感触。
「何?!」
「婚約指輪」
「ええ!? ちょっ、なんてものを頭の上に!」
「普通に渡すのは面白くねぇだろ」
しれっと言う彼をまもりはにらみつける。
「普通に渡せる甲斐性もない人とは結婚できません!」
「ホホー」
まもりは姿勢を崩さないままよろよろとテーブルの上に資料を載せる。
そして、頭の上にある小箱を取ろうとして。
「え」
「じゃあ普通にやってやろうじゃねぇか」
にやりとあがる口角、放り投げられる小箱。
ああ、指輪が! と焦ったのも一瞬で。
肝心の指輪は悪魔の手の中。
「薬指に指輪をする意味を知ってるか?」
「・・・心臓に直結する血管があるって信じられてたから・・・」
「さすが糞無駄知識」
「ヒル魔くんに言われたくない」
口ではそう言いながらも、まもりの頬はじわりと赤くなる。
彼の手が恭しく彼女の手を取り、その薬指に指輪をするりと嵌めたから。
「地獄の底までつきあってもらうぞ」
そんなことを言いながらもまもりの手を持ち上げ、キスをするその仕草は嫌になるくらい様になっていて。
「・・・だからそういう言い方・・・」
「不満か? 悪魔の花嫁になろうって女に糞甘ェ言葉があるとでも?」
「・・・もう!」
ふくれっ面をしてても、眸を潤ませ頬を赤く、そうして彼の腕に飛び込むのだから。
結局は似たもの同士の、意地っ張りな二人。
***
某企画に(略)。
タイトルは『プ/ロ/ポ/ー/ズ/大/作/戦』を意識しましたが内容は全く違うという(笑)
「随分伸びたな」
「うん」
毛先をつん、と引かれて、まもりは笑みを浮かべる。
「成人式には結い上げたいもの」
「振り袖はどうすんだ? 買うのか」
「え? もう持ってるから改めて買おうとは思わないわ」
「そういうもんか」
「そうようちの母が若いときに着てたものなの。代々着ていけるっていいことよね」
ヒル魔はぴらりと一枚の写真を取り出す。
「少し古臭ェ気がするな」
「んもう! レトロと言って!」
彼がいなかったはずの、あの初詣の着物姿の写真。
今更持っていることに驚かないが、口出ししてくるとは思わなかった。
「いや、やっぱりこの着物はよくねぇな」
「ええ!? どこがよ!」
大体ヒル魔くんに駄目出しされる必要は、と文句を連ねたが。
「未婚女性だけしか着ちゃ駄目なんだろ?」
「? そりゃそう、だけど」
「テメェはこの段階じゃもう未婚じゃねぇよ」
「はい!?」
手を出せ、と言われて差し出せば。
どさりと渡されたのは留学用のパンフレット。行き先はアメリカ、学校資料もある。
「ついでにコレとコレもな」
更にひょいひょいとその上に積まれたのは旅行のパンフレット。行き先は国内外問わずの多種多様。
「ちょ、なにコレ!?」
「ああ、ついでにコレな」
両手が動かないところに頭上に載せられたのは小さな箱の感触。
「何?!」
「婚約指輪」
「ええ!? ちょっ、なんてものを頭の上に!」
「普通に渡すのは面白くねぇだろ」
しれっと言う彼をまもりはにらみつける。
「普通に渡せる甲斐性もない人とは結婚できません!」
「ホホー」
まもりは姿勢を崩さないままよろよろとテーブルの上に資料を載せる。
そして、頭の上にある小箱を取ろうとして。
「え」
「じゃあ普通にやってやろうじゃねぇか」
にやりとあがる口角、放り投げられる小箱。
ああ、指輪が! と焦ったのも一瞬で。
肝心の指輪は悪魔の手の中。
「薬指に指輪をする意味を知ってるか?」
「・・・心臓に直結する血管があるって信じられてたから・・・」
「さすが糞無駄知識」
「ヒル魔くんに言われたくない」
口ではそう言いながらも、まもりの頬はじわりと赤くなる。
彼の手が恭しく彼女の手を取り、その薬指に指輪をするりと嵌めたから。
「地獄の底までつきあってもらうぞ」
そんなことを言いながらもまもりの手を持ち上げ、キスをするその仕草は嫌になるくらい様になっていて。
「・・・だからそういう言い方・・・」
「不満か? 悪魔の花嫁になろうって女に糞甘ェ言葉があるとでも?」
「・・・もう!」
ふくれっ面をしてても、眸を潤ませ頬を赤く、そうして彼の腕に飛び込むのだから。
結局は似たもの同士の、意地っ張りな二人。
***
某企画に(略)。
タイトルは『プ/ロ/ポ/ー/ズ/大/作/戦』を意識しましたが内容は全く違うという(笑)
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HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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