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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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密室刑場

(ヒルまも)

※後半部分が裏につき、そちらが読めないとまったく内容が判らないです。ご了承の上、御覧下さいませ。



+ + + + + + + + + +
『初恋の人は誰?』という設問に、セナはぴたりと手を止めた。
なんでこんなこと尋ねられるんだろう、と首を傾げてしまう。
部員がほぼ帰ってしまった中、なぜだか月刊アメフトの質問票をヒル魔に押しつけられたセナは律儀にそれに答えていた。
今は部室にセナ・鈴音・まもり・ヒル魔が残っている。
まもりは取り込んだ洗濯物をテーブルで畳み、ヒル魔はカウンターの前で銃の手入れにいそしんでいる。
「やー、誰が初恋? ね、もしかしてまも姐?」
ひょこり顔を出した鈴音にセナは苦笑する。
「違うよ」
「やー?! こんなに美人で可愛くて料理上手で家庭的な幼なじみが初恋じゃないの?!」
大仰に驚かれてセナは困ったように笑うしかない。
もう物心付いた頃にはまもりはセナの姉というポジションを確立していて。
幼い頃の思い出では、まもりの背中や見上げる顔ばかりが浮かぶのだ。
いつかその手で守られるだけの自分ではなくなりたい、と思っていたけれど。
その手を引きたい、とまでは思っていなかった。
ただ手を繋いで、隣を歩く相手だと。
いつまで経ってもその関係は変わらず、ずっと姉弟としていられるのだと、そう思っていた。
ところが、洗濯物を畳んでいたまもりが顔を上げて微笑んだ。
「あら、私の初恋はセナだったわよ」
「やー?!」
それに敏感に反応したのは鈴音で。ヒル魔もピン、と片眉を上げたが手は止まらない。
「だって小さくて可愛くて・・・私が守らなきゃ、って思ったのよね」
「それって初恋なの?」
鈴音の質問に、まもりも小首を傾げて苦笑した。
「それ以外に当てはまる相手がいないし。ファーストキスはセナとだったしね」
それに鈴音は目を見開いて硬直し、ヒル魔もぴたりと手を止めた。
しかしそれにまもりとセナは気づかず顔を合わせて笑い合う。
「まもり姉ちゃんキス好きだったもんね」
「おばあちゃんの影響もあるかも」
まもりは日常的にキスは当たり前だったし、と笑う。
「大事な人とは口をくっつけるのよ、なんて言われてやってみたのよね」
「そうそう」
「あの頃は可愛かったわよね」
のほほん、という会話を繰り広げる二人は、鈴音とヒル魔の不機嫌さに気づかない。
フリーフォール並に落ちた部室内の気温に気づかず、セナは質問票を埋めるとヒル魔に渡した。
「これってどこかに載るんですか?」
「サアネ」
素っ気なく言われて、セナはじゃあなんで僕はこれ書いたんだろ、とやはり首を傾げながら立ち上がる。
「じゃあ帰ります。まもり姉ちゃん、どうする?」
「あ、私も・・・」
洗濯物を畳み終えたまもりが立ち上がろうとする前に、ヒル魔が口を開いた。
「糞マネ、追加だ」
「きゃ!」
どさ、とどこからともなく出てきた書類にまもりは目を丸くする。
「全部ファイリングしろ」
「ええ?! 今から!?」
「え、じゃあ僕も手伝・・・」
まもりが眉を寄せたのを見て、セナが手を出そうとするが、ひたりと眼光鋭く睨まれて動きを止める。
「テメェは糞チア送って帰れ」
「え、妖兄、私なら・・・」
「糞バカは先に帰っちまってんだろ」
「私なら平気よ。これくらいすぐ終わるわ。セナは鈴音ちゃん送ってあげて」
それにセナはまもりとヒル魔を交互に見て、それから振り返って鈴音ににこりと笑みを浮かべる。
「じゃあ帰ろっか。すみません、お先に失礼します」
「おー」
「気を付けてね」
ひらひらと手を振る先輩二人に頭を下げ、セナは鈴音と共に部室を出る。
てくてくと歩くセナの隣を、ローラーブレードで鈴音が併走する。
「・・・ファーストキス、まも姐となんだ・・・」
「え?」
滑走音で聞き取れない程に小さく呟かれた言葉を、それでもセナはどうにか拾った。
視線を向ければ、どこか拗ねたような鈴音の顔。
「なんでもない! セナ、私先に帰る!」
「わ、わ! ダメだよ鈴音~!」
唐突にスピードを上げた鈴音を、セナは必死で追いかけた。


部室に残った二人は、黙々と作業を続けていた。
ヒル魔は銃の手入れを終え、軍手を放り投げてまもりに睨まれる。
「んもう、ファイリングが残ってるなら先に出しておいてくれればいいのに」
不満を口にしながらまもりはそれらを着実に纏めていく。
付箋を付けて手際よく種別分けしていくのを眺めながら、ヒル魔は口を開いた。
「初恋が糞チビ、ねえ」
「そうよ、かわいいでしょ」
くすくすと笑うまもりの手は淀みない。
ヒル魔は立ち上がると、まもりの顎を掴んだ。
「え?」
目を閉じる間もない、不意打ちのキス。
すぐに離れたそれにまもりは呆然とヒル魔を見つめてしまう。
「ア? なんだ、物足りなかったか?」
「・・・って、何するのよちょっと?!」
はっと我に返ったまもりは真っ赤になって立ち上がった。
にやにやと見下ろすヒル魔をきっと睨む。
「テメェは本当に糞マネだな」
「何よいきなり!!」
怒るまもりに構わず、ヒル魔はぐい、とまもりをテーブルの上に引きずり上げ、押し倒す。
「ちょっと!」
「一つ教えてやろう」
ぐい、と上からのし掛かられてまもりは息を詰める。この格好もシチュエーションもあるが、それ以上に。
ヒル魔の冷たいようで、恐ろしい程熱い色が眸に仄かに揺らめくのを見てしまったから。
「俺は独占欲が強い」
普段は勝利を貪欲に求めるあまり、それ以外の欲など一欠片もない、といわんばかりの行動が目に付く。
だが彼は欲しいモノを確実に求めているだけなのだ。それはアメフトの勝利であったり、まもりであったりした。
そして着実に勝利を積み重ねる傍ら、まもりは既にヒル魔と恋人同士となり、そうして何度も身体を重ねている。
けれどヒル魔の独占欲が強い、なんて改めて考えた事はなかった。
ここまで苛烈な視線で見られた事がないまもりは、ただ竦む。
「テメェはどうにも認識が糞甘ェよなァ」
「そ、んな・・・」
自然と震える声に気をよくしたように眸を眇め、その唇を舐める。
「何度セナとキスした?」
「覚えて・・・ない・・・」
キスしたのは幼少の頃。それも何回、と覚えているようなことではないから、記憶は曖昧だ。
それを聞いたヒル魔はごく柔らかくキスをする。
視線と裏腹のそれにまもりは思わず瞳を閉じた。
だが。
「何?!」
突然顔に触れた感触に、まもりは小さく悲鳴を上げた。
一瞬の後にそれがタオルだと気づく。傍らに積んであった、洗濯物の一枚。
目隠しされたのだ、と気づいてまもりは青くなった。
慌てて解こうとする手を押さえつけられ、頭上に上げさせられる。
そしてまた別のタオルで縛られてしまった。
「やぁ! やめて、ヒル魔くん!!」
悲鳴を上げて藻掻いても、解剖を待つカエルのようにテーブルに仰向けに載せられ、手は縛られていて自由が利かない。
その耳朶に息が掛かったと思った次の瞬間、ぺろりと舐められる。
「ひゃ・・・!」
ぞくり、と背を震わせるまもりの耳元で、ヒル魔が低く囁いた。
「おしおきだ」

□■□■□

***
悠様リクエスト『まもりへの独占欲が強いヒル魔』でした。おしおき(裏希望)とのことで書き始めたらなんだかヒル魔さん無駄に鬼畜になっちゃいました。さすがに良心が咎めたというか、やりすぎちゃいけないかなと思ってセーブはしたんですけどね・・・。いかがでしょうか!
リクエストありがとうございましたー!!

悠様のみお持ち帰り可。
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