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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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夢想寓話(上)

(ヒルまも)

+ + + + + + + + + +
神龍寺戦の後、空からの王城高校の守備位置確認と練習風景偵察を終えるとヘリはあっという間に飛び去った。
部員達が頭を付き合わせて守備の確認をしているのを適当に切り上げさせ、後ろ髪を引かれるような彼らを蹴散らし、帰宅させる。
それからしばらくして、ヒル魔は自らのノルマを終えるとゆっくりと立ち上がった。
それを見計らったように扉が開く。
「やっぱり、まだ痛いのね?」
訳知り顔で顔を出したのはまもりだった。見れば数時間前に掃除洗濯にと勤しんでいたときの姿のままだ。
「まだいたのか糞マネ」
てっきり一年生達と早々に帰宅したのだと思っていたのだが、彼女は未だ居残っていたようだ。
髪を上げていたバレッタを外すと、ふわりと茶色い髪が降りる。
「うん。賭けに勝ったから賞品をもらおうと思って」
その台詞にヒル魔の眉が寄った。
「さっきコーラやっただろうが」
「あれじゃ、嫌です」
「ホー?」
希望があったなら最初からそう言えばよかったものを。
視線の意味を汲み取ってまもりはにっこりと笑った。
「私が欲しいのは別のものなの」
「聞くだけ聞いてやろう」
だが応じるかは別だ、と。
言外に匂わせてなお、まもりは笑ったまま口を開いた。


ヒル魔が塒としているホテル。
そこへ彼が苦虫を噛み潰したような顔でまもりを伴ったのを見て、ホテルの従業員達は目を丸くした。
物言いたげな視線を全身に受けながらヒル魔はまもりを伴ってエレベーターに乗り込む。
「ヒル魔くんのおうちってホテルなの?」
「近いから」
「家族は?」
「一人暮らし」
「いつから住んでいるの?」
「高校入ってから」
「へえ」
興味深そうにエレベーター内を眺めながら矢継ぎ早に質問を繰り出す彼女に、ヒル魔は内心嘆息する。
なんでこんなことになったんだ、と自らの失言を呪ってしまいたくなる。
当の本人は全く気にした様子もなく、平素と同じ顔をして隣に立っていた。
先ほどのやりとりを思い返す。

<続>
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