旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
絹を引き裂くような悲鳴にヒル魔はびくりと肩を震わせた。
「糞ッ!」
読んでいた新聞から顔を上げ、ヒル魔は立ち上がる。
「何叫んでんだ!」
自室から顔を出せば、リビングで殺虫剤を握りしめて立ち尽くすまもりがいた。
「ゴ、ゴ、ゴ・・・!」
言葉もままならない状態で指さす先には黒々艶々としたゴキブリが一匹。
けっこうでかい。
というのがヒル魔の認識だ。
驚いて損した、という気持ちが勝り、思わずぼやく。
「なんだ、糞ゴキブリじゃねぇか」
途端にまもりは噛みついた。
「なんだじゃないわよ!」
何で毎日掃除して綺麗にしてるのに出てくるの、とまもりは怒りと恐怖に声を震わせる。
おそらくは洗濯物と一緒に入り込んだのだろう。
よくあることだな、とヒル魔は冷静に分析したが、口にすればまもりに逆ギレされるであろうことは容易に察せたので黙っていた。
そんな彼を余所に、まもりの孤軍奮闘が始まった。
どうやら最初から彼に頼る気はないらしい。
カサカサと走り、ぴたりと止まって触角をゆらゆらとさせるゴキブリにまもりはじりじりとにじり寄る。
「・・・てぇい!」
殺虫剤を吹きかけるが、いまいち腰が引けているためゴキブリ本体に薬が当たらない。
しかも、そのゴキブリは危険を察知してか、てかてかした羽を広げた。
まもりの顔から血の気が引く。
「ッキャー!!!」
何故かこちらにむかって飛びかかってくるゴキブリ。
「イヤーァアアアアア!!!」
まるでこの世の終わりかというような悲鳴を上げるまもり。
そこまで冷静に見物していたヒル魔は、嘆息して手にしていた新聞をおもむろに丸めた。
「あっ!」
べしん。
まもりに飛びかかる途中で叩きつけられたゴキブリは、あっけなく床に伸びている。
ヒル魔はそれを叩きつけた新聞紙を使って器用に拾い上げるとゴミ箱に突っ込もうとした。
けれど察したまもりが絶叫する。
「やめて! お願い、そこに入れないで!!」
生きていてまた這い出てきては困る、というのだ。
「あ? じゃあどこに捨てんだ」
「ト、トイレに流しちゃって!」
お願いだから! と涙混じりの懇願を受けて、ヒル魔はやれやれと肩をすくめてトイレへと向かった。
「・・・もう大丈夫?」
ゴキブリを片付けて戻ってくれば、まもりはまだ青ざめたまま震えている。
「テメェなあ、あんなの食って掛かってくる訳じゃねぇし、何が怖ェんだ」
「だって! カサカサ言うし黒くて早くてなんだか気味が悪くて・・・!!」
言っていて気分が悪くなったのだろう、また青い顔になったまもりの頭を撫でてヒル魔は苦笑する。
「だったら素直に助けてって言えばいいじゃねぇか」
「え」
「糞甘え下手ですねェ」
ケケケ、と笑われてまもりはむっと眉を寄せつつも、ありがとうと呟いて思い切り彼に抱きついたのだった。
***
北海道生まれの父がゴキブリ大嫌いで、たまに鉢合わせると大変なことになります。
「うわぁああ!! 今、こんなでっかいゴキブリが!!」(手の幅30センチ)
「白亜紀かよ」(冷静な子供達の突っ込み)
その後駆除にかり出される子供達。
結構男性の方が苦手な気がしますが、どうなんでしょうね。
「糞ッ!」
読んでいた新聞から顔を上げ、ヒル魔は立ち上がる。
「何叫んでんだ!」
自室から顔を出せば、リビングで殺虫剤を握りしめて立ち尽くすまもりがいた。
「ゴ、ゴ、ゴ・・・!」
言葉もままならない状態で指さす先には黒々艶々としたゴキブリが一匹。
けっこうでかい。
というのがヒル魔の認識だ。
驚いて損した、という気持ちが勝り、思わずぼやく。
「なんだ、糞ゴキブリじゃねぇか」
途端にまもりは噛みついた。
「なんだじゃないわよ!」
何で毎日掃除して綺麗にしてるのに出てくるの、とまもりは怒りと恐怖に声を震わせる。
おそらくは洗濯物と一緒に入り込んだのだろう。
よくあることだな、とヒル魔は冷静に分析したが、口にすればまもりに逆ギレされるであろうことは容易に察せたので黙っていた。
そんな彼を余所に、まもりの孤軍奮闘が始まった。
どうやら最初から彼に頼る気はないらしい。
カサカサと走り、ぴたりと止まって触角をゆらゆらとさせるゴキブリにまもりはじりじりとにじり寄る。
「・・・てぇい!」
殺虫剤を吹きかけるが、いまいち腰が引けているためゴキブリ本体に薬が当たらない。
しかも、そのゴキブリは危険を察知してか、てかてかした羽を広げた。
まもりの顔から血の気が引く。
「ッキャー!!!」
何故かこちらにむかって飛びかかってくるゴキブリ。
「イヤーァアアアアア!!!」
まるでこの世の終わりかというような悲鳴を上げるまもり。
そこまで冷静に見物していたヒル魔は、嘆息して手にしていた新聞をおもむろに丸めた。
「あっ!」
べしん。
まもりに飛びかかる途中で叩きつけられたゴキブリは、あっけなく床に伸びている。
ヒル魔はそれを叩きつけた新聞紙を使って器用に拾い上げるとゴミ箱に突っ込もうとした。
けれど察したまもりが絶叫する。
「やめて! お願い、そこに入れないで!!」
生きていてまた這い出てきては困る、というのだ。
「あ? じゃあどこに捨てんだ」
「ト、トイレに流しちゃって!」
お願いだから! と涙混じりの懇願を受けて、ヒル魔はやれやれと肩をすくめてトイレへと向かった。
「・・・もう大丈夫?」
ゴキブリを片付けて戻ってくれば、まもりはまだ青ざめたまま震えている。
「テメェなあ、あんなの食って掛かってくる訳じゃねぇし、何が怖ェんだ」
「だって! カサカサ言うし黒くて早くてなんだか気味が悪くて・・・!!」
言っていて気分が悪くなったのだろう、また青い顔になったまもりの頭を撫でてヒル魔は苦笑する。
「だったら素直に助けてって言えばいいじゃねぇか」
「え」
「糞甘え下手ですねェ」
ケケケ、と笑われてまもりはむっと眉を寄せつつも、ありがとうと呟いて思い切り彼に抱きついたのだった。
***
北海道生まれの父がゴキブリ大嫌いで、たまに鉢合わせると大変なことになります。
「うわぁああ!! 今、こんなでっかいゴキブリが!!」(手の幅30センチ)
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結構男性の方が苦手な気がしますが、どうなんでしょうね。
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
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性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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