ヒル魔は貪欲さがクリスマスボウルにしか感じられない。
それ以外は全て片手間、というか。
ふとまもりの口から言葉がこぼれた。
「全ての道はクリスマスボウルに通ず」
「ローマかよ」
「きゃっ!」
びっくりした、と振り返れば、あほらしいと顔に書いたヒル魔が立っていた。
「盗み聞き?」
「突然あんなこと言えば誰だって突っ込むぞ」
「そうかなぁ」
「言っておくが糞チビは範疇外だ」
「どうして?」
「お前との付き合いが長すぎる」
「ヤキモチ?」
「一度死んでこい」
ちゃき、と目の前に構えられた銃にまもりはホールドアップ。さすがにこの距離で銃口を向けられて平然とは出来ない。
ふん、と鼻を鳴らしてヒル魔は銃を引く。ほっとしたまもりにヒル魔が「で?」と促す。
「え? 何が?」
「『全ての道はクリスマスボウルに通ず』」
「ああ」
独り言を突っ込まれると居心地が悪い。だが意味不明だったので単に知りたいだけだろう。
「あのね、ヒル魔くんのやることなすこと全部がクリスマスボウルに通じてるんだなと思って」
「そーだな」
「それ以外の欲はなさそうっていうか見たことないわね、と思って」
「出してねぇからな」
「出さないの?」
「今は必要ねぇだろ」
そういわれてまもりはまあそうよね、と同意する。
ヒル魔は銃を抱えたまま、ふとまもりの目を見つめた。
そして口角をつり上げてデビルスマイル。
「何?」
「クリスマスボウルの後が見物だな」
「え?」
「覚悟しておけよ」
そして楽しげにさっさと去っていく彼を、まもりはぽかんとして見送るしかなかった。
ヒル魔の道はクリスマスボウルに続いていた。
ではその先は。
その道はどこにあるのか。
あの熱意は、あの執着は何処に向かうのか。
そして今の宣言。
さあ、どうなることやら?
***
たまには短く。
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同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
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