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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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あるべきところへ

(ヒルまも)

+ + + + + + + + + +
まもりは掃除が好きだ。
モノがあるべき所に収まっているのは心地いいし、使いやすい。
整理されていないとせっかく集めた情報も使えなくなってしまう。
だからデータ整理も好きな部類に入る。
書類のファイリングも。
部費の管理も。
備品の購入も。
洗濯して汚れ物が綺麗になるのを見るのも、楽しい。

だから好きよ。

「雑用のために生まれたようなもんだな糞マネ」
「その呼び方やめて! そして褒めるならちゃんと褒めて!」
「ケッ、誰がテメーを褒めるか」
「なによもう、たまには労ってくれたっていいのに」
まもりはそう言いながらも、掃除をする手は止めない。
書類が溜まっている。それをまとめて、テーブルに。
パソコンはよく判らないから、触らないでそのままにしておく。
「きれいになってると、気持ちいいでしょ?」
「いつまで続けるんだ」
「きれいになるまでよ」
それを聞くと、ヒル魔はわざわざ床に手にしていた書類をぶちまけた。
「もう! わざわざ仕事増やすんだから!」
「ケケケ、ちゃんと片づけろよ」
「はいはい」
片づけても片づけても、ここは片づかない。
かたっぱしからヒル魔が散らかすからだ。
「おい、コーヒー淹れろ」
「え? うん、判ったわ。ここのところ、崩さないでね!」
足音も立てず、まもりがコーヒーメーカーの所へ行く。
その様を横目で見て、そしてヒル魔は積み上がった本の山を躊躇いもなく蹴り崩した。

「なあ」
コーヒー片手にヒル魔がまもりに向かって尋ねる。
「うん?」
「お前、飽きないのか」
「ううん、楽しいよ」
「いつまで経っても片づかないのにか」
「いいのよ、好きだから」
そうか、と言ってコーヒーを飲むヒル魔くんにほほえみかけて、私はまた書類を拾い上げた。
ねえ。
本当に好きなのよ。
「だから片づけるのよ」


ヒル魔はまた床に書類を撒き散らす。
ふくれっ面をする糞マネの向こう側が透けて見えた。



全てが片づけば彼女は満足してあの瞳と同じ色の空へと消えるだろうか。
それを俺は耐えられるだろうか。

そのシミュレーションが、未だに出来ないでいる。



――――いつの間にこんなに自分は弱くなったのだろう。


そんなヒル魔を見て、半透明のまもりはまた、笑った。

***
・・・なんか薄暗い感じでごめんなさい。
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