旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
朝、ヒル魔がリビングで新聞を読んでいると、ランニングから帰ってきた妖介が護になにやら話しかけている。
「護、あの本貸してよ」
「んー、やだ」
「なんで! アヤに護が持ってるって聞いたから買うのやめたのに」
「自分で買えばいいじゃない」
「えー。貸してよー」
「だめ」
珍しい光景だな、とヒル魔はなんとなく見ていた。
妖介と護は性質こそ大分違うものの、仲が良くあまり喧嘩のようなことにはならないのに。
にこにこと笑いながら断る護に、妖介はむっとした顔で言いはなった。
「護、心が狭いぞ!」
「そうだね、僕は狭心症だから」
不意に沈黙が落ちる。
「・・・は?」
「狭心症」
「いやいや! それ意味違うから!」
「だって読んで字の如く心が狭いでしょ」
「違うって!」
「そうよ護! それは病気の事であって心が狭いってことじゃないの!」
そこに発言を聞きつけたまもりもキッチンから飛び出して口を出してきた。
おたまを振りながら言う台詞ではないと思われる。
「じゃあ心の病ってことで」
「それも違う!」
「護、日本語の意味が間違ってるわよ!」
わあわあと騒ぐ兄と母の姿を見ながら護はにこにこと笑うばかり。
そこにランニングを終えてシャワーを浴びてきたアヤが顔を出した。
護に食ってかかる二人の様子に目を丸くする。
「何あれ」
「見てりゃわかる」
ヒル魔の一言に、アヤはじっと三人の様子を見ている。
「大体護は私がちゃんと丈夫に産んだから狭心症ってことはないわよ!」
「心の病っていうのも真面目な人間じゃないとならないって!」
「じゃあ兄ちゃんは僕が真面目じゃないって言いたいの?」
「妖介、護は真面目な子なんだから!」
「俺だって真面目だよ! 護よりは!」
なんだか論点がずれている会話に、アヤは程なく察した。
「護に遊ばれてるだけね」
「そういうこった」
あほらし、とアヤは肩をすくめる。ヒル魔のカップが空なのを見ておかわりの希望を聞く。
ヒル魔が頷いたのでアヤはさっさとコーヒーを淹れに行った。
リビングではまだ三人が喋っている。
まもりはともかく、妖介は護の本性を知っているのに何を遊んでいるのやら。
次第に論点がずれまくって白熱しだした会話に、ヒル魔は頃合いか、と口を開いた。
「オイ、飯」
「あ!」
まもりが慌ててキッチンに戻る。
「アヤありがとう! よかった吹きこぼれなくて」
「危なかった」
鍋が噴きこぼれなかったのはアヤが火を弱めたかららしい。
なかなかこちらに戻ってこないと思ったら、朝食の準備をアヤが引き継いだようだ。
キッチンからまもりのごめんね、という声が聞こえてくる。
一方残された兄弟は先ほどの本について会話を続けている。
「で、なんで貸してくれないの?」
「まだ僕も読んでるんだよ」
「じゃあ読み終わったら貸してよ」
「うん」
さっきまでのは何だった、と言いたくなるくらいあっさりと会話は終了した。
そういえばシャワー浴びてなかった、と妖介がバスルームに消える。
残った護がヒル魔の隣に座った。
「何遊んでんだ」
「んー、お母さんが入ってきたから面白くて、つい」
それにヒル魔はピン、と片眉を上げて護のおでこをぺちんと叩く。
「イテ」
「姉崎をからかうのは百年早い」
その姿に護はぺろっと舌を出す。
「お父さんの先買特許だもんね」
「判ってんならやるんじゃねぇよ」
護は肩をすくめ、尖った歯を見せて楽しげに笑った。
***
護話第二弾。まもりちゃんは子供にもこっそりからかわれているといいと思います。
この家族、まもりと護以外は朝にランニングしてるのでバスルームは大混雑なんだろうなあ。
「護、あの本貸してよ」
「んー、やだ」
「なんで! アヤに護が持ってるって聞いたから買うのやめたのに」
「自分で買えばいいじゃない」
「えー。貸してよー」
「だめ」
珍しい光景だな、とヒル魔はなんとなく見ていた。
妖介と護は性質こそ大分違うものの、仲が良くあまり喧嘩のようなことにはならないのに。
にこにこと笑いながら断る護に、妖介はむっとした顔で言いはなった。
「護、心が狭いぞ!」
「そうだね、僕は狭心症だから」
不意に沈黙が落ちる。
「・・・は?」
「狭心症」
「いやいや! それ意味違うから!」
「だって読んで字の如く心が狭いでしょ」
「違うって!」
「そうよ護! それは病気の事であって心が狭いってことじゃないの!」
そこに発言を聞きつけたまもりもキッチンから飛び出して口を出してきた。
おたまを振りながら言う台詞ではないと思われる。
「じゃあ心の病ってことで」
「それも違う!」
「護、日本語の意味が間違ってるわよ!」
わあわあと騒ぐ兄と母の姿を見ながら護はにこにこと笑うばかり。
そこにランニングを終えてシャワーを浴びてきたアヤが顔を出した。
護に食ってかかる二人の様子に目を丸くする。
「何あれ」
「見てりゃわかる」
ヒル魔の一言に、アヤはじっと三人の様子を見ている。
「大体護は私がちゃんと丈夫に産んだから狭心症ってことはないわよ!」
「心の病っていうのも真面目な人間じゃないとならないって!」
「じゃあ兄ちゃんは僕が真面目じゃないって言いたいの?」
「妖介、護は真面目な子なんだから!」
「俺だって真面目だよ! 護よりは!」
なんだか論点がずれている会話に、アヤは程なく察した。
「護に遊ばれてるだけね」
「そういうこった」
あほらし、とアヤは肩をすくめる。ヒル魔のカップが空なのを見ておかわりの希望を聞く。
ヒル魔が頷いたのでアヤはさっさとコーヒーを淹れに行った。
リビングではまだ三人が喋っている。
まもりはともかく、妖介は護の本性を知っているのに何を遊んでいるのやら。
次第に論点がずれまくって白熱しだした会話に、ヒル魔は頃合いか、と口を開いた。
「オイ、飯」
「あ!」
まもりが慌ててキッチンに戻る。
「アヤありがとう! よかった吹きこぼれなくて」
「危なかった」
鍋が噴きこぼれなかったのはアヤが火を弱めたかららしい。
なかなかこちらに戻ってこないと思ったら、朝食の準備をアヤが引き継いだようだ。
キッチンからまもりのごめんね、という声が聞こえてくる。
一方残された兄弟は先ほどの本について会話を続けている。
「で、なんで貸してくれないの?」
「まだ僕も読んでるんだよ」
「じゃあ読み終わったら貸してよ」
「うん」
さっきまでのは何だった、と言いたくなるくらいあっさりと会話は終了した。
そういえばシャワー浴びてなかった、と妖介がバスルームに消える。
残った護がヒル魔の隣に座った。
「何遊んでんだ」
「んー、お母さんが入ってきたから面白くて、つい」
それにヒル魔はピン、と片眉を上げて護のおでこをぺちんと叩く。
「イテ」
「姉崎をからかうのは百年早い」
その姿に護はぺろっと舌を出す。
「お父さんの先買特許だもんね」
「判ってんならやるんじゃねぇよ」
護は肩をすくめ、尖った歯を見せて楽しげに笑った。
***
護話第二弾。まもりちゃんは子供にもこっそりからかわれているといいと思います。
この家族、まもりと護以外は朝にランニングしてるのでバスルームは大混雑なんだろうなあ。
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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