旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
部室に行くと、珍しくまもり姉ちゃんが一人だった。
何かを見てため息をついている。
「まもり姉ちゃん、どうしたの、ため息なんてついて」
「あ、セナ。あのね、ヒル魔くんのことなんだけど」
「どうしたの? ヒル魔さんになにか言われたの?」
もしくは何を言ったの、という言葉は飲み込んだ。
いつも二人は何かしら言い争いをしているから、その延長かと思ったのだけど。
「もしヒル魔くんが目の前で死にそうになったら、私はどうしたらいいのかと思って」
突拍子のないまもり姉ちゃんの発言に、僕は本気でこけそうになった。
「・・・・・・きゅ、救急車を呼ぶとか」
「うん、それはやるし、場合によっちゃ心臓マッサージもするけど、そうじゃなくて」
「そうじゃなくて?」
「いざというときの緊急連絡先が判らないのよ。ヒル魔くんの親御さんに連絡しようにも判らないし、家も知らないし」
まもり姉ちゃんが見ていたのは連絡網だった。
今は携帯電話が主だけれど、まもり姉ちゃんは怪我が多い部活だけに万一に備えて自宅や保護者の連絡先も控えているのだと聞いたことがある。
「学校に言えばいいんじゃないかな」
「担任の先生なら判るかしら。でもヒル魔くんよ?」
「・・・・・・そうだね。知らなそう」
「そもそも親御さんがいるのかしら」
「そりゃ、いるだろうけど・・・」
「まさか木の股から生まれた訳じゃないわよね」
「そんな・・・」
僕は苦笑する。
まもり姉ちゃんはとかくヒル魔さんに対しては結構ひどい発言をするのだ。
「他に知ってそうな栗田くんとムサシくんに聞いても二人とも知らないっていうし」
「その二人が知らないんじゃ誰も知らないよね、きっと」
「せめて本人の血液型と緊急時の連絡先を把握するべきよね。意識がなくなっちゃうと怖いし」
「そうだね」
「保険証とかあるのかしら」
「なくても平気そうな気はするけど…ヒル魔さんだし」
あの脅迫手帳があればフリーパスな気もする。
そもそも病気になったりするのだろうか。うーん、想像できない。
「それがダメなら本籍地を知っておきたいんだけど」
突然の発言に、僕は首を傾げた。
なんで本籍地? 住所じゃなくて?
「なんで?」
「死亡届を書くときに判らないと困るんだって聞いたの」
「・・・・・・は?」
沈黙。
そしてジャコンと銃の安全装置を外す音。
おそるおそる振り返ると、背後に立っていたのは怒りに肩を震わせる話題のヒル魔さんだった。
いつもそうなんだけど、ヒル魔さんは意外に静かに歩く。
部活は別だけど、それ以外では足音なんて聞いたことないかも。
・・・いやいや、そんなこと冷静に考えてる場合じゃないよ、僕。
「・・・・・・何で勝手に人を死なす算段を立ててるんだ、糞マネ?」
「きゃっ! 脅かさないでよ、もう」
ひぃいいい、怖い!!
僕は慌てて二人から離れたけど、二人は僕の事なんて見てなかった。
「脅かすとか脅かさないとかじゃねぇ! 今さっきまでのテメーの発言で俺に謝ることは無いのか!!」
「なによ、常に最悪を考えてなきゃまずいでしょ?!」
「そこまでの最悪を考えるってどういう神経してんだ、この糞糞糞マネッ!!」
「ひどーい! ヒル魔くんには言われたくないわ!!」
「酷いのはどっちだーッ!!!」
・・・さすがの僕も、ヒル魔さんの怒声に反論できません、ハイ。
***
なんかで『本籍地が判らないと死亡届が出せない』と聞いたのでこんな話を。
今週のジャンプによってはお蔵入りするところだったので、出せて良かったです。
何かを見てため息をついている。
「まもり姉ちゃん、どうしたの、ため息なんてついて」
「あ、セナ。あのね、ヒル魔くんのことなんだけど」
「どうしたの? ヒル魔さんになにか言われたの?」
もしくは何を言ったの、という言葉は飲み込んだ。
いつも二人は何かしら言い争いをしているから、その延長かと思ったのだけど。
「もしヒル魔くんが目の前で死にそうになったら、私はどうしたらいいのかと思って」
突拍子のないまもり姉ちゃんの発言に、僕は本気でこけそうになった。
「・・・・・・きゅ、救急車を呼ぶとか」
「うん、それはやるし、場合によっちゃ心臓マッサージもするけど、そうじゃなくて」
「そうじゃなくて?」
「いざというときの緊急連絡先が判らないのよ。ヒル魔くんの親御さんに連絡しようにも判らないし、家も知らないし」
まもり姉ちゃんが見ていたのは連絡網だった。
今は携帯電話が主だけれど、まもり姉ちゃんは怪我が多い部活だけに万一に備えて自宅や保護者の連絡先も控えているのだと聞いたことがある。
「学校に言えばいいんじゃないかな」
「担任の先生なら判るかしら。でもヒル魔くんよ?」
「・・・・・・そうだね。知らなそう」
「そもそも親御さんがいるのかしら」
「そりゃ、いるだろうけど・・・」
「まさか木の股から生まれた訳じゃないわよね」
「そんな・・・」
僕は苦笑する。
まもり姉ちゃんはとかくヒル魔さんに対しては結構ひどい発言をするのだ。
「他に知ってそうな栗田くんとムサシくんに聞いても二人とも知らないっていうし」
「その二人が知らないんじゃ誰も知らないよね、きっと」
「せめて本人の血液型と緊急時の連絡先を把握するべきよね。意識がなくなっちゃうと怖いし」
「そうだね」
「保険証とかあるのかしら」
「なくても平気そうな気はするけど…ヒル魔さんだし」
あの脅迫手帳があればフリーパスな気もする。
そもそも病気になったりするのだろうか。うーん、想像できない。
「それがダメなら本籍地を知っておきたいんだけど」
突然の発言に、僕は首を傾げた。
なんで本籍地? 住所じゃなくて?
「なんで?」
「死亡届を書くときに判らないと困るんだって聞いたの」
「・・・・・・は?」
沈黙。
そしてジャコンと銃の安全装置を外す音。
おそるおそる振り返ると、背後に立っていたのは怒りに肩を震わせる話題のヒル魔さんだった。
いつもそうなんだけど、ヒル魔さんは意外に静かに歩く。
部活は別だけど、それ以外では足音なんて聞いたことないかも。
・・・いやいや、そんなこと冷静に考えてる場合じゃないよ、僕。
「・・・・・・何で勝手に人を死なす算段を立ててるんだ、糞マネ?」
「きゃっ! 脅かさないでよ、もう」
ひぃいいい、怖い!!
僕は慌てて二人から離れたけど、二人は僕の事なんて見てなかった。
「脅かすとか脅かさないとかじゃねぇ! 今さっきまでのテメーの発言で俺に謝ることは無いのか!!」
「なによ、常に最悪を考えてなきゃまずいでしょ?!」
「そこまでの最悪を考えるってどういう神経してんだ、この糞糞糞マネッ!!」
「ひどーい! ヒル魔くんには言われたくないわ!!」
「酷いのはどっちだーッ!!!」
・・・さすがの僕も、ヒル魔さんの怒声に反論できません、ハイ。
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なんかで『本籍地が判らないと死亡届が出せない』と聞いたのでこんな話を。
今週のジャンプによってはお蔵入りするところだったので、出せて良かったです。
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
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性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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