旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
練習が終わってもデータ処理や敵チーム研究などの主務業、加えてマネージャー業は山積みだ。
有能なキャプテンとマネージャーの二人は本日も居残って黙々と作業を進めていたが、ふとまもりが思い出したように口にした。
「ねえ、ヒル魔くんってぬいぐるみ好き?」
「そう見えるなら眼科に行ってこい」
突拍子もない会話なのはもう慣れた。というか諦めた風情のヒル魔はキーボードを叩く手を止めずに返答する。
顔つきを変えず、声だけが非常に嫌そうというのがある意味器用だといつもまもりは思う。
「テメーのベッドの上の糞クマみてーなもんがかわいいっつー神経が理解出来ねぇ。いっぺん脳のCTも撮ってこい」
「私の部屋、見たの?! なんで知ってるの!?」
「サアネ~」
ケケケ、と笑われてまもりはむくれる。ちがう、そうじゃない、と。
聞きたいことがあったのだ。
「そうじゃなくて、ヒル魔くんって抱っこするのもされるのも苦手そうだって思ったのよ」
「それとぬいぐるみ好きがどう絡むんだ」
「だってああいう大きな・・・大きくなくてもいいけど、あったかくてふわふわしたもの抱えると安心しない?」
「気色悪い」
「きしょ・・・・・・そんな言い方ないでしょ!」
「何でそういう突飛な物言いするんだか」
「それはこっちの台詞ですッ!」
ああもう。埒が明かない。
「変に置き換えるからそうなる」
「え」
「言葉遊びはもう終わりか?」
珍しく、続きを促される。
「・・・ヒル魔くんは人肌が苦手なんじゃないかって聞きたかったの」
だから、聞きたいことは割とすぐ口から滑り出た。
「最初からそう聞けばいいだろうが糞マネ」
「嫌い?」
「好きでも嫌いでも」
「そうなの?」
彼が触れるのは、身の回りの器械とアメフトボールとマシンガンと・・・とにかく無機物なのだ。
しかも冷たい、金属系。部員に指示を出したりするときも、素手はほとんど出ない。
QBが手を護るっていうのはまあわからないでもないんだけど、徹底しすぎている気がするのだ。
「潔癖性とは違うわよね。アメフトで泥まみれだし」
「ふーん」
「人が嫌いっていうのもないと思うのよ。人の弱みが握れるってことはそれが弱みだって判ることだし」
「ふーん」
「でも触るのも触られるのも嫌いだから人を使ったり触るというより蹴ったりするんじゃないの」
「ふーん」
「でも握手はしてるとこ見たわね」
「ふーん」
「もう、聞いてるの?」
「潔癖性でもなく人嫌いでもなく人の弱みをよく握るが人の手はそう握らない俺はちゃんと聞いてマシタヨ」
「なんかむかつく」
「まあ汚いお言葉」
「もう! まあいいわ、なんで人肌が嫌いなの?」
「言っただろ、好きでも嫌いでも」
「だってあからさまに触れないじゃない」
「あからさまに触れる必要があるか」
「ないの?」
「あからさまに触れる必要があるか」
「同じ事言ってるし」
「あからさまに『他人に』触れる必要があるか」
他人、に。
「触れたいと思わない?」
「別に。暑いしうぜぇし」
「やっぱ嫌いなんじゃない」
「そうでもねぇよ」
取られるのは腕。そして身体。
そして目の前には彼の胸。
「そうでもねぇ」
「・・・やっぱり好きなの?」
「好きでも嫌いでも」
それって。
『好きな子に触るのは』好きだけど、『どうでもいい他人に触るのは』嫌いって解釈でよろしいでしょうか。
アメフトへの執着を忘れてたわ。
好きなものに対しては手を抜かないんだったわね、ヒル魔くんは。
***
ヒル魔さんが人に触ってるところを見ないなあと思って書いたSS。
実は好きな人とか物に対して喪失することを恐れるあまり触れない・・・とかいう切ないかも知れないストーリーも思い浮かびましたが、どうにもヒル魔さんの私生活が謎すぎて踏み切れませんでした。
有能なキャプテンとマネージャーの二人は本日も居残って黙々と作業を進めていたが、ふとまもりが思い出したように口にした。
「ねえ、ヒル魔くんってぬいぐるみ好き?」
「そう見えるなら眼科に行ってこい」
突拍子もない会話なのはもう慣れた。というか諦めた風情のヒル魔はキーボードを叩く手を止めずに返答する。
顔つきを変えず、声だけが非常に嫌そうというのがある意味器用だといつもまもりは思う。
「テメーのベッドの上の糞クマみてーなもんがかわいいっつー神経が理解出来ねぇ。いっぺん脳のCTも撮ってこい」
「私の部屋、見たの?! なんで知ってるの!?」
「サアネ~」
ケケケ、と笑われてまもりはむくれる。ちがう、そうじゃない、と。
聞きたいことがあったのだ。
「そうじゃなくて、ヒル魔くんって抱っこするのもされるのも苦手そうだって思ったのよ」
「それとぬいぐるみ好きがどう絡むんだ」
「だってああいう大きな・・・大きくなくてもいいけど、あったかくてふわふわしたもの抱えると安心しない?」
「気色悪い」
「きしょ・・・・・・そんな言い方ないでしょ!」
「何でそういう突飛な物言いするんだか」
「それはこっちの台詞ですッ!」
ああもう。埒が明かない。
「変に置き換えるからそうなる」
「え」
「言葉遊びはもう終わりか?」
珍しく、続きを促される。
「・・・ヒル魔くんは人肌が苦手なんじゃないかって聞きたかったの」
だから、聞きたいことは割とすぐ口から滑り出た。
「最初からそう聞けばいいだろうが糞マネ」
「嫌い?」
「好きでも嫌いでも」
「そうなの?」
彼が触れるのは、身の回りの器械とアメフトボールとマシンガンと・・・とにかく無機物なのだ。
しかも冷たい、金属系。部員に指示を出したりするときも、素手はほとんど出ない。
QBが手を護るっていうのはまあわからないでもないんだけど、徹底しすぎている気がするのだ。
「潔癖性とは違うわよね。アメフトで泥まみれだし」
「ふーん」
「人が嫌いっていうのもないと思うのよ。人の弱みが握れるってことはそれが弱みだって判ることだし」
「ふーん」
「でも触るのも触られるのも嫌いだから人を使ったり触るというより蹴ったりするんじゃないの」
「ふーん」
「でも握手はしてるとこ見たわね」
「ふーん」
「もう、聞いてるの?」
「潔癖性でもなく人嫌いでもなく人の弱みをよく握るが人の手はそう握らない俺はちゃんと聞いてマシタヨ」
「なんかむかつく」
「まあ汚いお言葉」
「もう! まあいいわ、なんで人肌が嫌いなの?」
「言っただろ、好きでも嫌いでも」
「だってあからさまに触れないじゃない」
「あからさまに触れる必要があるか」
「ないの?」
「あからさまに触れる必要があるか」
「同じ事言ってるし」
「あからさまに『他人に』触れる必要があるか」
他人、に。
「触れたいと思わない?」
「別に。暑いしうぜぇし」
「やっぱ嫌いなんじゃない」
「そうでもねぇよ」
取られるのは腕。そして身体。
そして目の前には彼の胸。
「そうでもねぇ」
「・・・やっぱり好きなの?」
「好きでも嫌いでも」
それって。
『好きな子に触るのは』好きだけど、『どうでもいい他人に触るのは』嫌いって解釈でよろしいでしょうか。
アメフトへの執着を忘れてたわ。
好きなものに対しては手を抜かないんだったわね、ヒル魔くんは。
***
ヒル魔さんが人に触ってるところを見ないなあと思って書いたSS。
実は好きな人とか物に対して喪失することを恐れるあまり触れない・・・とかいう切ないかも知れないストーリーも思い浮かびましたが、どうにもヒル魔さんの私生活が謎すぎて踏み切れませんでした。
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
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