旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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01: 愛し方が解らない
右肩に響く痛みに、目を開けた。
視界に入るのは粗末な小屋の内装。自分は一応ベッドに寝かされているようだが、家主の姿は見えない。
「あら、目が覚めたのね」
物音。扉が開いて入ってくる人影。逆光でよく見えない。
声を掛けてきたのは女だった。
しかも若く、世間一般に言えば上玉、と評されるだろう美女。
「けが人とは言え、男を連れ込むとはいい度胸だな」
それをおくびにも出さず、そう口にすると女は瞬きしてこちらを見る。
「けが人だから連れてきたのよ」
アホじゃないのか。
年頃の若い女が見たところ一人暮らしのようで、そこに怪我をしているとはいえ得体の知れない男を一人室内に入れるなんてどんな教育を受けてるんだ糞。
「そりゃドーモ」
「ちょっ、ちょっと! どこに行く気?!」
「おかげさまで怪我が治りましたので帰らせてイタダキマス」
「どこが!」
容赦ない平手が手当てされた怪我の上を直撃し、さすがに一瞬顔に出た。
「あきれた。結構なポーカーフェイスね。褒めてあげるから寝なさい」
「治った」
「熱があるわね。いい子だから早く寝ましょうね~」
「糞ッ!!」
にこにこ、と虫も殺せないような笑顔でわざわざ傷を押さえつける糞女を睨みつける。
「そんなに熱烈に見つめてくれちゃって。私のこと愛しちゃった?」
「幸せな頭に銃弾喰らわせたいくらいには」
「なら大丈夫ね。寝なさい」
予想に反して、額に触れた手はひんやりと冷たかった。
「おやすみなさい。よい夢を」
02: 強い、ということ
二日ほど静養させられて、今も起きあがるとそりゃあもうとんでもない勢いで食ってかかられたから面倒で黙ったら更にまくし立てられた。
「どうしろっつーんだ」
「大人しくしつつ言いたいことは飲み込まず理不尽な要求をしなければいいのよ」
「そりゃ黙れっつーことだろ」
「ちょっと違うわ」
「ちょっとかよ」
面倒だと思うが、それ以上に面白い女だという評価に変わりつつある存在。
自分で言うのもなんだが、けったいな格好だと思うんだがな、俺。
「変な女」
「あらそう?」
くすくす笑うその顔は毅然として曇ることがない。
俺とは違う意味で強いんだろうな、この女。
03: 愛を貫いた行く末
「あなた、この辺の人じゃないわよね」
「そうじゃないっつったらどーする」
「確認しただけよ。私のところにいるくらいだもの」
「ほー。まるで自分が呪われた存在とでも言いそうだな?」
そう言われて、女は笑う。
ひどく透明に作り物めいた顔で、美しく。
「なんだ、図星か?」
「嫌な人ね。察しがいいなら黙って手当てされて治ったら寝首を掻くくらいしたらいいのに」
さらりと言われた言葉が相変わらず物騒だが笑顔は透明なままだ。
「その眼」
青に時折金が混ざる、人にはあり得ない輝きの瞳。
「天使と人の間だろ、お前」
「本当に嫌な人」
そういって笑顔を深める女。
天使と人が愛を貫いた結果がこれだ。
誰にも平等に優しい性根、誰からも愛される老いることのない美しい顔と身体。
一見完璧のようでいて、その身体は相手に与える影響が強すぎて人と交配すると確実に相手の心も体も病ませてしまう。
魔物にとっては食べることで自らの力をより強大にできる格好のエサ。
人の世にあってはどこにいようとも争乱の種。
天に背いた者はそうあるべきだと、神にし向けられた愛の結果だった。
04: 眩暈のわけ
「で、その糞甘ェ天使モドキ様はどうしてこんなところで平穏無事に生きていらっしゃるのデスカネ」
「母が魔導師でね。私に色々な魔法を教えてくれたの。目眩ましの結界が張ってあるのよ」
「道理でこの周辺だけ魔物が少ないわけだ」
なるほど、と口では言いながら、この男はまったく感心したそぶりを見せない。
聞かなくても判っていたからだ。
察しがいい男だからそれも知っていただろうと女も特に突っ込まない。
「その目眩ましをくぐり抜けるのは怪我した動物くらいだから、人が来るなんて予想外だったわ」
「ほー」
「見た目はどう見ても人じゃないのにね」
そう笑った次の瞬間。
くらりと襲ってきた目眩。身体が酷く重たくなる。
「な、何・・・」
「だからさっさと俺を追い出せっつったろ」
呆れたような声。その目が妖しく光っている。
「そう思ったなら手を出さなければいいものを。糞甘ェ女だぜ、本当に」
尖った耳にピアス。金色の髪は逆立ち口は裂けている。
その姿がざわめいて変化していく。
「ちょっと西に足を伸ばしてみりゃ、意外な掘り出しモンに当たったな」
巨大な影が小屋に満ちた。
05: 彼女は泣き方を知らない
「な…!」
「こういうヤツは見たことなかったか?」
おおよそ人や魔物は通さない結界をすり抜けたこの男は、幾本ものしっぽをゆらゆらさせてにやにやと笑った。
その耳には髪よりもやや濃い金色の毛が生えていて、爪も長く伸びている。
「こっちの結界は東の妖怪についちゃ想定外だったんだな」
「よ、妖怪?」
彼女はおぼろげにしか聞いたことがない存在。
西には魔物がいて、東には妖怪がいる。
魔物は神と対立する存在だが、妖怪は人と混在する存在。
「お前らの考え方は縦だな。上下がはっきりしてて横は狭ぇ。俺らの考え方は横に広く薄くて上下は曖昧」
「それが、何?」
「狩るか狩られるかの世界じゃなく、他と交わる世界を見ねぇか?」
「・・・え?」
「こんな糞狭い糞地味な場所で頭も口も回るのに一人生きつづけるのなんてつまらねぇだろ? それよりもお前を怖がるどころか喜んで迎える奴らがいる」
にやにや笑う彼の真意が読めない。
「何が目的なの?」
「楽しく生きるのに目的がいるか?」
す、と手を差し伸べられる。
「あえて言うなら、糞やかましい面倒の意趣返しっつーとこだな」
それが素直でない誘い文句だと理解して。
なんだかいろんな感情がこみ上げてきて、それが涙になって流せそうだった。
06: 終わった恋の忘れ方
思えばどうにか人に交わりたい気持ちがずっとあって。
でもそれは出来ないと諦めていた。
それが出来るという。
「まあ、奴らっつったって人じゃねぇけどな」
「人じゃないの?」
「俺含めて皆妖怪ばっかり。お前喰おうっつー物好きはいねぇな」
「どうして?」
「俺ら妖怪は生まれたときから持ってる力がそれぞれ決まってる。お前喰ったって力が強くなったり他の力が増えるわけじゃねぇ」
「へえ」
「で、来るか?」
問われて改めて身の回りを振り返る。
「言っておくが、慣れない場所でテメェ一人運ぶのが限界だ。東まで行けば問題ねぇが、余計な荷物は持ってくるなよ」
「なにも、いらないわ」
思い出は沢山あるけれど、それはこの心にとどめ置けばいいだけの話。
「いい心がけだ」
楽しげなその言葉に、私も久しぶりに作り物ではない笑顔を出せた。
07: 愛しいあの子を幸せにする方法
小さい頃、母は決して口にはしなかったけれど、とても寂しそうだった。
父は私が生まれる前に天に連れ戻されたと母は言う。
愛し合った結果として残った私を精一杯愛しながら、成長の遅い娘を忌むような目を見せたこともある。
結局は血を分けても違う生き物だから。
それでも最後に息を引き取るまで、恨み辛みも懺悔も後悔も母は一つも口にしなかった。
だからこそいままでまもりは一人でも生きて来られたのだ。
その母の強さを改めて噛みしめながら、目の前の男の手を取る。
他人と話が出来る楽しさを覚えて、更に可能性を示唆されたらそれを求めてしまう。
母もきっと許してくれる、そんな確信があった。
「しっかり掴まってろよ。落ちても面倒は見ねぇ」
彼の姿が歪み、一瞬の間をおいてそこには巨大な金色の獣が立っていた。
私はその獣に跨ってかつて父が自由に飛んでいただろう空を駆け抜けることになる。
08: 最期の言葉の意味
「すごく早いのね!!」
歓声を上げる彼女に下から男の苦々しい声が聞こえた。
「もっと速度上げたいところだが、これ以上だとお前が落ちそうだな」
背後から幾本もある尾の一つがくるりと彼女を絡め取った。
「飛ばすぞ。それ掴んでろ」
「え」
ふかふかなそれはとても暖かく、外気にさらされて冷えてきた身体にとても心地よい。
しかしそんな感想は、どこからともなく響いてきた『音』にかき消された。
この『音』は。
聞き覚えもないはずなのに、恐怖を覚える『音』。
「糞ッ、もうかぎつけやがったか・・・!」
予想より早いと舌打ちして速度を上げるが、怪我が枷になって思うようには行かないようだ。
背後からどんどん『音』が近づいてくる。
「怪我、大丈夫!? ああもう、こんなことならもう少しあそこで治療してればよかった…!」
怪我が治っていればこんなに焦って移動することもなかったのに、と後悔する彼女に男はもう一度、糞、と呟いた。
「糞アマ! 俺が怪我してあそこにいた理由、もう少し考えればこれくらい予想ついただろ」
「え・・・」
「西の魔物どもがしとめ損なった俺を捜していた」
こんなに早く空を駆け抜ける金色の獣が、手負いになって結界に転がっていたのは。
そして怪我をしていたこの男がしきりに早くその場を離れようとしていたのは。
「いくら結界の中にいたって、周囲の血の臭いが消せてるわけじゃねぇからな」
一度もそこから出たことがない彼女の匂いはわからなかっただろうが、外から転がり込んだ東の妖怪の匂いはさぞ悪目立ちしたことだろう。
結界周辺を煩く鍵回っていた魔物は次第にその数を増やしていた。
それに気が付かない男ではなかった。だから怪我の完治を待たず正体をさらして彼女を連れ出したのだ。
男がその場を去っても、結界が残っていればその場所になにかがあると察知した魔物に襲われかねない。
いまや『音』は狙っていた東の妖怪に加えて力を増強させるエサを発見して歓喜にざわめいている。
「・・・仕方ねぇな」
ざわざわと彼の背中が変化していく。速度を落とし、その姿が人のそれに近くなった。小屋で正体を明かしたときと同じ姿。
「え?! どうするの」
「こうする」
そしてあっさりと彼女の身体は宙に投げ出される。
「・・・――――あ」
初めて名前を呼ぼうとして。
けれどその名を知らないのだと思い至って。
彼女は急激に小さくなっていく彼を見つめたまま空に涙の雫を散らした。
09: 彼女が此処にいない理由
西の魔物たちの前、金色の獣が中空に立っている。
先ほどまでしていたエサの匂いはなくなっていたが、この獣を殺した後に探せばいいだけのこと。
意味の成さない言葉を叫びながら、魔物たちは一斉に獣に襲いかかった。
「てめぇら、東に喧嘩売るたぁいい度胸だ」
魔物の一匹が、近寄りもせずにその身体を八つ裂きにされる。
「この間は場所も悪かったしなぁ」
なにせ西の地域のど真ん中。誘い出された糞ガキどもを逃がしていて不覚を取った。
だが今は守るべき相手も、背後を気にすることもない。
今獣が立っている中空は、ぎりぎりで東の領域だった。
獣が西でその力を存分に発揮できないのと同じで、西の魔物も東の領域では思うように力が出せない。
「さあ、意趣返しと行こうか」
ざわざわと獣の顔が邪悪に歪んでいく。
金色の毛皮がきらきらと火の粉を撒き散らして、幾本もの尾がそれぞれに意志を持つように鎌首をもたげた。
伝説の妖怪、九尾の狐。
「冥土のみやげに教えてやろう。俺の名はヒル魔」
弱い魔物はその声だけで力を失って地へと落ちていく。
獣の周囲を取り巻いていた魔物が僅かに怯むが、数が多いためか鬨の声を上げて襲いかかっていく。
それに動じることなく、ヒル魔は圧倒的な力の差を見せつけるように咆哮を上げて魔物たちを切り裂き始めた。
10: 君の赦し方が解らない(君の穢し方が解らない)
目が覚めると、真っ黒な大きな目でこちらを覗き込んでいる少年の顔が間近にあった。
「・・・?!」
「あ、起きましたね! おはようございます! お客様が起きましたよ、ヒル魔さーん」
ぱっと顔を輝かせて挨拶をするなりぱたぱたと走っていく少年に言葉一つ返せず、彼女は呆然と周囲を見回す。
そこは彼女がかつていたのと似たような造りの小屋だった。
床に布団が敷かれて寝かされているところが違う。窓も一つもない。
・・・いや、この床も床と呼ぶのとはちょっと違うような。
考え込む彼女の頭上から声がした。
「起きたか」
のっそりと姿を現したのはあの男で。
彼女は起きたばかりでよく動かない頭でもって昨日のことを思い浮かべる。
あの時。
投げ出され、思わず涙をこぼした瞬間、背に翼を持った屈強な男に抱き留められ、そのままこの場所へと連れてこられた。
山に掘られた大きな横穴。その中に扉があり、案内された。
「あのヒル魔から呼び出しだから、何かと思ったぞ」
「ねえ、こんなに綺麗な女の人連れてくるんだから。心配してたけど無事でよかったねえ」
小屋で二人を出迎えたのは柔和な顔の巨体な男だった。その背後にも何人もの顔が見て取れる。
こんなにたくさんの人と顔を合わせたのは初めてだ。
人、といってもあの男の言葉でいうならきっと人ではないのだろうけど。
見知らぬ男に連れ込まれ、彼女はどうしてよいものか困る。
「あ、ごめんね、僕たちヒル魔の友達なんだ」
「ヒル魔?」
「あれ、君、ヒル魔が連れてきたんだよね?」
「あの金髪の人のこと?」
「名乗ってなかったのか?」
「あー、あいつ西だったから一応警戒してたんじゃねぇの」
「そうかもな。ヒル魔も怪我してたんだろ」
「そのくせ女は連れてくるし相変わらず横暴だぜ」
わいわいと交わされる言葉に、彼女は慌てて割り込んだ。
「そう、そうです! あの人、怪我してるんです!! なのに魔物が・・・!」
焦る彼女を、翼がある男がぽんぽんと肩を叩いて宥める。
「あいつがいるのはもう東だ。大丈夫」
「そうそう、東に戻ったヒル魔さんに怖いものなしですよ」
「怪我も治ってるだろうな。あーあ、戻ってきたら俺らどやされるぜ」
「不可抗力なんだけどなあ」
誰もヒル魔を心配していなくて、彼女は脱力しもう為す術なくその場に座り込んでしまう。
「ねえねえねえ!! あの、お姉さまのお名前ってなんですかっ?!」
ずっとこちらを伺っていたらしい少女が近寄ってきて、にこにこと笑いながら質問してきた。ピンと立った猫耳としっぽ。
「え? 名前? ・・・まもりっていうの」
「やー! じゃあまも姐ね!」
「まもりさんか・・・すげー綺麗だ・・・」
じゃあ俺たちも自己紹介、と皆がそれぞれ名を口にする。
天狗のムサシに海坊主の栗田、その肩にしがみついている海小坊主の小結、かまいたちの十文字・黒木・戸叶、猫又の鈴音、猿神のモン太、袖引き小僧のセナなどなどが我先にと言ってくるので、こんなに大勢と喋ったことのないまもりはどうしてよいものか途方に暮れてしまう。
「まあまあ、遠路はるばる来たまれびとさんだ。とりあえず今日はゆっくりしてもらって、明日ヒル魔に改めて紹介して貰おうじゃねぇか」
この中では一番年かさに見える男がそう言った。酒呑童子のどぶろくというらしい。
彼の薦めでまもりは別室に通され、その世話を鈴音がやく。
「やー! これ寝間着! 着方判る?」
「ううん、わからないわ」
「これはね、こうやってこう・・・」
寝間着を着付けて貰って布団へ誘われ、横になると思った以上に疲れているな、と自覚した後の記憶がない。
「お・・・おはようございます」
「いつかとは逆だな」
にやにやと笑う彼の身体に目立った傷は見受けられない。魔物は、と尋ねるとあんなのは俺の敵じゃねぇよ、と嘯かれた。
「朝飯喰ったら改めてあいつらに紹介するから顔洗ってこい」
そう言われて、まもりは頷きそうになってけれど首を振る。
そうだ、まずこれを言わなければ。
「酷いじゃない!!」
「ア?」
「あの時! いきなり、なんの説明もなしに私を落としたでしょ!!」
「あー」
「名前も知らなくて、あの時名前も呼べなくて、死ぬかと思って心細かったんだから!」
そこまで言って、まもりは自分も名乗ってないことに気が付いた。
「・・・あのね、私の名前はまもりっていうの。貴方のお名前は?」
「ヒル魔だ」
お互い人を通して名を知ったが、こうやって改めて名を教え合うというのはどこかくすぐったい気持ちになる。
「ところで」
「なに?」
「これは据え膳ということでよろしいでしょうか、まもりサン」
「は? え?」
「じゃあ遠慮無く」
ヒル魔の視線の先を辿っていって、まもりは赤面して寝間着の前をかき合わせるが、時既に遅し。
「イタダキマス」
「いやいやいや! いただかないで!! ・・・いやーっ!!!」
「なあ、セナ。まもりさんって目が覚めたんだよな?」
「うん・・・でも、ヒル魔さんが入っていった後・・・その・・・入りづらくて・・・」
「やー?! やっぱりまも姐ってヒル兄のお嫁さんなのね?! やー素敵―!!」
「ええっ?! そ、そんな・・・がっかりだぜ・・・」
「まあまあ気を落とさずに」
「あの化け狐が嫁に骨抜きされたら俺たちの負担も軽くなるんじゃねえ?」
「おっ、頭いーい♪」
「いや、逆に嫁さんにいいところ見せたいが為にもっと張り切ったりしたら・・・」
「うわー地獄だー!!」
大らかな妖怪一同は楽しげに笑って喋りながらヒル魔たちが現れるのをのんびりと待っていた。
そして彼女が正式にヒル魔の嫁として紹介されたのは、この日の夜のことだった。
***
妖怪のヒル魔さんがどーしても書きたくなったので突発的に作成した話でした。拍手にしたのは、好き嫌いがはっきり判るかな、というのもあったので、思った以上に人気があってとても嬉しかったです。
まもりちゃんがなんにも判っていない子にしたおかげで、とても書きやすくて楽しいです。
お題提供:ユグドラシル
視界に入るのは粗末な小屋の内装。自分は一応ベッドに寝かされているようだが、家主の姿は見えない。
「あら、目が覚めたのね」
物音。扉が開いて入ってくる人影。逆光でよく見えない。
声を掛けてきたのは女だった。
しかも若く、世間一般に言えば上玉、と評されるだろう美女。
「けが人とは言え、男を連れ込むとはいい度胸だな」
それをおくびにも出さず、そう口にすると女は瞬きしてこちらを見る。
「けが人だから連れてきたのよ」
アホじゃないのか。
年頃の若い女が見たところ一人暮らしのようで、そこに怪我をしているとはいえ得体の知れない男を一人室内に入れるなんてどんな教育を受けてるんだ糞。
「そりゃドーモ」
「ちょっ、ちょっと! どこに行く気?!」
「おかげさまで怪我が治りましたので帰らせてイタダキマス」
「どこが!」
容赦ない平手が手当てされた怪我の上を直撃し、さすがに一瞬顔に出た。
「あきれた。結構なポーカーフェイスね。褒めてあげるから寝なさい」
「治った」
「熱があるわね。いい子だから早く寝ましょうね~」
「糞ッ!!」
にこにこ、と虫も殺せないような笑顔でわざわざ傷を押さえつける糞女を睨みつける。
「そんなに熱烈に見つめてくれちゃって。私のこと愛しちゃった?」
「幸せな頭に銃弾喰らわせたいくらいには」
「なら大丈夫ね。寝なさい」
予想に反して、額に触れた手はひんやりと冷たかった。
「おやすみなさい。よい夢を」
02: 強い、ということ
二日ほど静養させられて、今も起きあがるとそりゃあもうとんでもない勢いで食ってかかられたから面倒で黙ったら更にまくし立てられた。
「どうしろっつーんだ」
「大人しくしつつ言いたいことは飲み込まず理不尽な要求をしなければいいのよ」
「そりゃ黙れっつーことだろ」
「ちょっと違うわ」
「ちょっとかよ」
面倒だと思うが、それ以上に面白い女だという評価に変わりつつある存在。
自分で言うのもなんだが、けったいな格好だと思うんだがな、俺。
「変な女」
「あらそう?」
くすくす笑うその顔は毅然として曇ることがない。
俺とは違う意味で強いんだろうな、この女。
03: 愛を貫いた行く末
「あなた、この辺の人じゃないわよね」
「そうじゃないっつったらどーする」
「確認しただけよ。私のところにいるくらいだもの」
「ほー。まるで自分が呪われた存在とでも言いそうだな?」
そう言われて、女は笑う。
ひどく透明に作り物めいた顔で、美しく。
「なんだ、図星か?」
「嫌な人ね。察しがいいなら黙って手当てされて治ったら寝首を掻くくらいしたらいいのに」
さらりと言われた言葉が相変わらず物騒だが笑顔は透明なままだ。
「その眼」
青に時折金が混ざる、人にはあり得ない輝きの瞳。
「天使と人の間だろ、お前」
「本当に嫌な人」
そういって笑顔を深める女。
天使と人が愛を貫いた結果がこれだ。
誰にも平等に優しい性根、誰からも愛される老いることのない美しい顔と身体。
一見完璧のようでいて、その身体は相手に与える影響が強すぎて人と交配すると確実に相手の心も体も病ませてしまう。
魔物にとっては食べることで自らの力をより強大にできる格好のエサ。
人の世にあってはどこにいようとも争乱の種。
天に背いた者はそうあるべきだと、神にし向けられた愛の結果だった。
04: 眩暈のわけ
「で、その糞甘ェ天使モドキ様はどうしてこんなところで平穏無事に生きていらっしゃるのデスカネ」
「母が魔導師でね。私に色々な魔法を教えてくれたの。目眩ましの結界が張ってあるのよ」
「道理でこの周辺だけ魔物が少ないわけだ」
なるほど、と口では言いながら、この男はまったく感心したそぶりを見せない。
聞かなくても判っていたからだ。
察しがいい男だからそれも知っていただろうと女も特に突っ込まない。
「その目眩ましをくぐり抜けるのは怪我した動物くらいだから、人が来るなんて予想外だったわ」
「ほー」
「見た目はどう見ても人じゃないのにね」
そう笑った次の瞬間。
くらりと襲ってきた目眩。身体が酷く重たくなる。
「な、何・・・」
「だからさっさと俺を追い出せっつったろ」
呆れたような声。その目が妖しく光っている。
「そう思ったなら手を出さなければいいものを。糞甘ェ女だぜ、本当に」
尖った耳にピアス。金色の髪は逆立ち口は裂けている。
その姿がざわめいて変化していく。
「ちょっと西に足を伸ばしてみりゃ、意外な掘り出しモンに当たったな」
巨大な影が小屋に満ちた。
05: 彼女は泣き方を知らない
「な…!」
「こういうヤツは見たことなかったか?」
おおよそ人や魔物は通さない結界をすり抜けたこの男は、幾本ものしっぽをゆらゆらさせてにやにやと笑った。
その耳には髪よりもやや濃い金色の毛が生えていて、爪も長く伸びている。
「こっちの結界は東の妖怪についちゃ想定外だったんだな」
「よ、妖怪?」
彼女はおぼろげにしか聞いたことがない存在。
西には魔物がいて、東には妖怪がいる。
魔物は神と対立する存在だが、妖怪は人と混在する存在。
「お前らの考え方は縦だな。上下がはっきりしてて横は狭ぇ。俺らの考え方は横に広く薄くて上下は曖昧」
「それが、何?」
「狩るか狩られるかの世界じゃなく、他と交わる世界を見ねぇか?」
「・・・え?」
「こんな糞狭い糞地味な場所で頭も口も回るのに一人生きつづけるのなんてつまらねぇだろ? それよりもお前を怖がるどころか喜んで迎える奴らがいる」
にやにや笑う彼の真意が読めない。
「何が目的なの?」
「楽しく生きるのに目的がいるか?」
す、と手を差し伸べられる。
「あえて言うなら、糞やかましい面倒の意趣返しっつーとこだな」
それが素直でない誘い文句だと理解して。
なんだかいろんな感情がこみ上げてきて、それが涙になって流せそうだった。
06: 終わった恋の忘れ方
思えばどうにか人に交わりたい気持ちがずっとあって。
でもそれは出来ないと諦めていた。
それが出来るという。
「まあ、奴らっつったって人じゃねぇけどな」
「人じゃないの?」
「俺含めて皆妖怪ばっかり。お前喰おうっつー物好きはいねぇな」
「どうして?」
「俺ら妖怪は生まれたときから持ってる力がそれぞれ決まってる。お前喰ったって力が強くなったり他の力が増えるわけじゃねぇ」
「へえ」
「で、来るか?」
問われて改めて身の回りを振り返る。
「言っておくが、慣れない場所でテメェ一人運ぶのが限界だ。東まで行けば問題ねぇが、余計な荷物は持ってくるなよ」
「なにも、いらないわ」
思い出は沢山あるけれど、それはこの心にとどめ置けばいいだけの話。
「いい心がけだ」
楽しげなその言葉に、私も久しぶりに作り物ではない笑顔を出せた。
07: 愛しいあの子を幸せにする方法
小さい頃、母は決して口にはしなかったけれど、とても寂しそうだった。
父は私が生まれる前に天に連れ戻されたと母は言う。
愛し合った結果として残った私を精一杯愛しながら、成長の遅い娘を忌むような目を見せたこともある。
結局は血を分けても違う生き物だから。
それでも最後に息を引き取るまで、恨み辛みも懺悔も後悔も母は一つも口にしなかった。
だからこそいままでまもりは一人でも生きて来られたのだ。
その母の強さを改めて噛みしめながら、目の前の男の手を取る。
他人と話が出来る楽しさを覚えて、更に可能性を示唆されたらそれを求めてしまう。
母もきっと許してくれる、そんな確信があった。
「しっかり掴まってろよ。落ちても面倒は見ねぇ」
彼の姿が歪み、一瞬の間をおいてそこには巨大な金色の獣が立っていた。
私はその獣に跨ってかつて父が自由に飛んでいただろう空を駆け抜けることになる。
08: 最期の言葉の意味
「すごく早いのね!!」
歓声を上げる彼女に下から男の苦々しい声が聞こえた。
「もっと速度上げたいところだが、これ以上だとお前が落ちそうだな」
背後から幾本もある尾の一つがくるりと彼女を絡め取った。
「飛ばすぞ。それ掴んでろ」
「え」
ふかふかなそれはとても暖かく、外気にさらされて冷えてきた身体にとても心地よい。
しかしそんな感想は、どこからともなく響いてきた『音』にかき消された。
この『音』は。
聞き覚えもないはずなのに、恐怖を覚える『音』。
「糞ッ、もうかぎつけやがったか・・・!」
予想より早いと舌打ちして速度を上げるが、怪我が枷になって思うようには行かないようだ。
背後からどんどん『音』が近づいてくる。
「怪我、大丈夫!? ああもう、こんなことならもう少しあそこで治療してればよかった…!」
怪我が治っていればこんなに焦って移動することもなかったのに、と後悔する彼女に男はもう一度、糞、と呟いた。
「糞アマ! 俺が怪我してあそこにいた理由、もう少し考えればこれくらい予想ついただろ」
「え・・・」
「西の魔物どもがしとめ損なった俺を捜していた」
こんなに早く空を駆け抜ける金色の獣が、手負いになって結界に転がっていたのは。
そして怪我をしていたこの男がしきりに早くその場を離れようとしていたのは。
「いくら結界の中にいたって、周囲の血の臭いが消せてるわけじゃねぇからな」
一度もそこから出たことがない彼女の匂いはわからなかっただろうが、外から転がり込んだ東の妖怪の匂いはさぞ悪目立ちしたことだろう。
結界周辺を煩く鍵回っていた魔物は次第にその数を増やしていた。
それに気が付かない男ではなかった。だから怪我の完治を待たず正体をさらして彼女を連れ出したのだ。
男がその場を去っても、結界が残っていればその場所になにかがあると察知した魔物に襲われかねない。
いまや『音』は狙っていた東の妖怪に加えて力を増強させるエサを発見して歓喜にざわめいている。
「・・・仕方ねぇな」
ざわざわと彼の背中が変化していく。速度を落とし、その姿が人のそれに近くなった。小屋で正体を明かしたときと同じ姿。
「え?! どうするの」
「こうする」
そしてあっさりと彼女の身体は宙に投げ出される。
「・・・――――あ」
初めて名前を呼ぼうとして。
けれどその名を知らないのだと思い至って。
彼女は急激に小さくなっていく彼を見つめたまま空に涙の雫を散らした。
09: 彼女が此処にいない理由
西の魔物たちの前、金色の獣が中空に立っている。
先ほどまでしていたエサの匂いはなくなっていたが、この獣を殺した後に探せばいいだけのこと。
意味の成さない言葉を叫びながら、魔物たちは一斉に獣に襲いかかった。
「てめぇら、東に喧嘩売るたぁいい度胸だ」
魔物の一匹が、近寄りもせずにその身体を八つ裂きにされる。
「この間は場所も悪かったしなぁ」
なにせ西の地域のど真ん中。誘い出された糞ガキどもを逃がしていて不覚を取った。
だが今は守るべき相手も、背後を気にすることもない。
今獣が立っている中空は、ぎりぎりで東の領域だった。
獣が西でその力を存分に発揮できないのと同じで、西の魔物も東の領域では思うように力が出せない。
「さあ、意趣返しと行こうか」
ざわざわと獣の顔が邪悪に歪んでいく。
金色の毛皮がきらきらと火の粉を撒き散らして、幾本もの尾がそれぞれに意志を持つように鎌首をもたげた。
伝説の妖怪、九尾の狐。
「冥土のみやげに教えてやろう。俺の名はヒル魔」
弱い魔物はその声だけで力を失って地へと落ちていく。
獣の周囲を取り巻いていた魔物が僅かに怯むが、数が多いためか鬨の声を上げて襲いかかっていく。
それに動じることなく、ヒル魔は圧倒的な力の差を見せつけるように咆哮を上げて魔物たちを切り裂き始めた。
10: 君の赦し方が解らない(君の穢し方が解らない)
目が覚めると、真っ黒な大きな目でこちらを覗き込んでいる少年の顔が間近にあった。
「・・・?!」
「あ、起きましたね! おはようございます! お客様が起きましたよ、ヒル魔さーん」
ぱっと顔を輝かせて挨拶をするなりぱたぱたと走っていく少年に言葉一つ返せず、彼女は呆然と周囲を見回す。
そこは彼女がかつていたのと似たような造りの小屋だった。
床に布団が敷かれて寝かされているところが違う。窓も一つもない。
・・・いや、この床も床と呼ぶのとはちょっと違うような。
考え込む彼女の頭上から声がした。
「起きたか」
のっそりと姿を現したのはあの男で。
彼女は起きたばかりでよく動かない頭でもって昨日のことを思い浮かべる。
あの時。
投げ出され、思わず涙をこぼした瞬間、背に翼を持った屈強な男に抱き留められ、そのままこの場所へと連れてこられた。
山に掘られた大きな横穴。その中に扉があり、案内された。
「あのヒル魔から呼び出しだから、何かと思ったぞ」
「ねえ、こんなに綺麗な女の人連れてくるんだから。心配してたけど無事でよかったねえ」
小屋で二人を出迎えたのは柔和な顔の巨体な男だった。その背後にも何人もの顔が見て取れる。
こんなにたくさんの人と顔を合わせたのは初めてだ。
人、といってもあの男の言葉でいうならきっと人ではないのだろうけど。
見知らぬ男に連れ込まれ、彼女はどうしてよいものか困る。
「あ、ごめんね、僕たちヒル魔の友達なんだ」
「ヒル魔?」
「あれ、君、ヒル魔が連れてきたんだよね?」
「あの金髪の人のこと?」
「名乗ってなかったのか?」
「あー、あいつ西だったから一応警戒してたんじゃねぇの」
「そうかもな。ヒル魔も怪我してたんだろ」
「そのくせ女は連れてくるし相変わらず横暴だぜ」
わいわいと交わされる言葉に、彼女は慌てて割り込んだ。
「そう、そうです! あの人、怪我してるんです!! なのに魔物が・・・!」
焦る彼女を、翼がある男がぽんぽんと肩を叩いて宥める。
「あいつがいるのはもう東だ。大丈夫」
「そうそう、東に戻ったヒル魔さんに怖いものなしですよ」
「怪我も治ってるだろうな。あーあ、戻ってきたら俺らどやされるぜ」
「不可抗力なんだけどなあ」
誰もヒル魔を心配していなくて、彼女は脱力しもう為す術なくその場に座り込んでしまう。
「ねえねえねえ!! あの、お姉さまのお名前ってなんですかっ?!」
ずっとこちらを伺っていたらしい少女が近寄ってきて、にこにこと笑いながら質問してきた。ピンと立った猫耳としっぽ。
「え? 名前? ・・・まもりっていうの」
「やー! じゃあまも姐ね!」
「まもりさんか・・・すげー綺麗だ・・・」
じゃあ俺たちも自己紹介、と皆がそれぞれ名を口にする。
天狗のムサシに海坊主の栗田、その肩にしがみついている海小坊主の小結、かまいたちの十文字・黒木・戸叶、猫又の鈴音、猿神のモン太、袖引き小僧のセナなどなどが我先にと言ってくるので、こんなに大勢と喋ったことのないまもりはどうしてよいものか途方に暮れてしまう。
「まあまあ、遠路はるばる来たまれびとさんだ。とりあえず今日はゆっくりしてもらって、明日ヒル魔に改めて紹介して貰おうじゃねぇか」
この中では一番年かさに見える男がそう言った。酒呑童子のどぶろくというらしい。
彼の薦めでまもりは別室に通され、その世話を鈴音がやく。
「やー! これ寝間着! 着方判る?」
「ううん、わからないわ」
「これはね、こうやってこう・・・」
寝間着を着付けて貰って布団へ誘われ、横になると思った以上に疲れているな、と自覚した後の記憶がない。
「お・・・おはようございます」
「いつかとは逆だな」
にやにやと笑う彼の身体に目立った傷は見受けられない。魔物は、と尋ねるとあんなのは俺の敵じゃねぇよ、と嘯かれた。
「朝飯喰ったら改めてあいつらに紹介するから顔洗ってこい」
そう言われて、まもりは頷きそうになってけれど首を振る。
そうだ、まずこれを言わなければ。
「酷いじゃない!!」
「ア?」
「あの時! いきなり、なんの説明もなしに私を落としたでしょ!!」
「あー」
「名前も知らなくて、あの時名前も呼べなくて、死ぬかと思って心細かったんだから!」
そこまで言って、まもりは自分も名乗ってないことに気が付いた。
「・・・あのね、私の名前はまもりっていうの。貴方のお名前は?」
「ヒル魔だ」
お互い人を通して名を知ったが、こうやって改めて名を教え合うというのはどこかくすぐったい気持ちになる。
「ところで」
「なに?」
「これは据え膳ということでよろしいでしょうか、まもりサン」
「は? え?」
「じゃあ遠慮無く」
ヒル魔の視線の先を辿っていって、まもりは赤面して寝間着の前をかき合わせるが、時既に遅し。
「イタダキマス」
「いやいやいや! いただかないで!! ・・・いやーっ!!!」
「なあ、セナ。まもりさんって目が覚めたんだよな?」
「うん・・・でも、ヒル魔さんが入っていった後・・・その・・・入りづらくて・・・」
「やー?! やっぱりまも姐ってヒル兄のお嫁さんなのね?! やー素敵―!!」
「ええっ?! そ、そんな・・・がっかりだぜ・・・」
「まあまあ気を落とさずに」
「あの化け狐が嫁に骨抜きされたら俺たちの負担も軽くなるんじゃねえ?」
「おっ、頭いーい♪」
「いや、逆に嫁さんにいいところ見せたいが為にもっと張り切ったりしたら・・・」
「うわー地獄だー!!」
大らかな妖怪一同は楽しげに笑って喋りながらヒル魔たちが現れるのをのんびりと待っていた。
そして彼女が正式にヒル魔の嫁として紹介されたのは、この日の夜のことだった。
***
妖怪のヒル魔さんがどーしても書きたくなったので突発的に作成した話でした。拍手にしたのは、好き嫌いがはっきり判るかな、というのもあったので、思った以上に人気があってとても嬉しかったです。
まもりちゃんがなんにも判っていない子にしたおかげで、とても書きやすくて楽しいです。
お題提供:ユグドラシル
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同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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