旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
部室のドアを開いた途端、漂った甘い匂いにヒル魔は思い切り眉をひそめた。
「・・・糞甘臭ェ」
椅子を引きながらぽつりと零せば。
「はい、ヒル魔くんにはちゃんとコーヒーあります」
とん、と目の前に置かれたのはいつも通りの真っ黒なコーヒー。
ではこの甘い匂いの元は、と視線を向ければまもりの手元にココアの入ったカップ。
しかも手元にクッキーの入った箱まである。
「砂糖食って砂糖飲むってどんだけ糖分摂取すりゃ気が済むんだ」
「そんなに甘くないもの」
「テメェ基準の甘さはアテにならねぇ」
ふん、と鼻を鳴らし、ヒル魔はコーヒーの香りで甘い匂いを退ける。
おいしいのに、と尖らせた唇をそのまま熱々のココアに寄せるまもりに、ヒル魔は小さく舌打ちした。
「ンな甘ェもんばっかりよく食えんなァ」
最早感心すらしかけたヒル魔に、まもりは不意に笑みを浮かべた。
普段とは違う、僅かに影を含んだような、昏い瞳。
「ア?」
それが不自然で、ヒル魔は片眉を上げる。
「世の中ってそんなに甘いことばかりじゃないって、知ってるからよ」
どこか深く暗い場所を見たような顔で、ぽそりと思わせぶりに囁くまもりを注視したヒル魔は。
「甘ェ」
吐き捨てるように小さく呟いた。
世の中を訳知り顔で語ったまもりの甘さが酷く鼻について、胸焼けがして仕方ない。
全ての甘さを打ち消すようにコーヒーを乱暴に煽ったヒル魔を、まもりはどこか寂しそうな色で静かに見つめていた。
***
たまには片思いまもりちゃん。そして恐ろしいくらい短い。
「・・・糞甘臭ェ」
椅子を引きながらぽつりと零せば。
「はい、ヒル魔くんにはちゃんとコーヒーあります」
とん、と目の前に置かれたのはいつも通りの真っ黒なコーヒー。
ではこの甘い匂いの元は、と視線を向ければまもりの手元にココアの入ったカップ。
しかも手元にクッキーの入った箱まである。
「砂糖食って砂糖飲むってどんだけ糖分摂取すりゃ気が済むんだ」
「そんなに甘くないもの」
「テメェ基準の甘さはアテにならねぇ」
ふん、と鼻を鳴らし、ヒル魔はコーヒーの香りで甘い匂いを退ける。
おいしいのに、と尖らせた唇をそのまま熱々のココアに寄せるまもりに、ヒル魔は小さく舌打ちした。
「ンな甘ェもんばっかりよく食えんなァ」
最早感心すらしかけたヒル魔に、まもりは不意に笑みを浮かべた。
普段とは違う、僅かに影を含んだような、昏い瞳。
「ア?」
それが不自然で、ヒル魔は片眉を上げる。
「世の中ってそんなに甘いことばかりじゃないって、知ってるからよ」
どこか深く暗い場所を見たような顔で、ぽそりと思わせぶりに囁くまもりを注視したヒル魔は。
「甘ェ」
吐き捨てるように小さく呟いた。
世の中を訳知り顔で語ったまもりの甘さが酷く鼻について、胸焼けがして仕方ない。
全ての甘さを打ち消すようにコーヒーを乱暴に煽ったヒル魔を、まもりはどこか寂しそうな色で静かに見つめていた。
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たまには片思いまもりちゃん。そして恐ろしいくらい短い。
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鳥(とり)
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趣味:
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自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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