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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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星は有限

(ヒルまも)
※セナネタバレ後

+ + + + + + + + + +
ヒル魔くんはセナセナ煩いって私のことをよく言うけれど。
言わせ続けるのは私に言わせてみればヒル魔くんの方よ。


例えば夕焼け空の下、手を繋いで歩いた思い出があったりとか、あの角を曲がったところで手を振って別れたとか、中学校で受験をして女子中学に行ったときにセナは心細そうな顔をしたとか、そういうこと。
「テメェは本当に飽きもせず懲りもせず・・・ったく」
嫌そうに舌打ちするヒル魔くんの前で、私は笑う。
当たり前じゃない。
セナとの思い出はたくさんあるの。
いくつもいくつも、それこそ私もセナも忘れている些細なことを含めれば星の数ほど。
でも。
「セナがね」
言わないとね。
「小さい頃には良く泣かされて帰ってきてね―――」
言い続けていないとね。
「またかよ!」
いい加減にしないと殺す、なんて言いながらちゃんと耳を傾けてくれていることとか。
当たり前のように隣の立ち位置を空けていてくれることとか。
部活動で遅くなったときは駅まで送ってくれたりとか。


ねえ、ヒル魔くん。
気づいているんでしょ。
私が、セナの事ばかり言う理由が。
セナの事しか言えない理由が。
セナと私の事だけはヒル魔くんは知らないもの。
二人だけの思い出だから口出しのしようがないもの。

だってセナのことを抜いて、私から今話せることは、二人とも共通している内容しかないの。
セナを抜きにして語るには、まだ言えていないことがある。
私も、彼も。


***
友人以上恋人未満。
頭が良いだけに無駄な攻防を繰り返すのではないかと想像。
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