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旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。 ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。

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悪魔に祈りを

(ヒルまも)
※クリスマスボウル直前の二人。


+ + + + + + + + + +
見上げる空にあまりに美しく、大きな月が掛かっていた。
冬空、口元の空気は白く凝る寒風の中、冴え冴えと明るく高い紺碧。
夜であれば黒、日が遠くなれば闇。
そう思いこんでいたのを嘲笑うように、中空に掛かるのは大きな青い月だった。

「滅多に見ないわよね、青い月なんて」
「何が言いたい、糞マネ」
「たまには空を見上げる情緒も必要だと思うの」
今も腕を治療するためセグウェイ+酸素カプセルに入っている彼にそう言うと、案の定鼻で笑われる。
「ンな暇があったら走れ」
「言うと思った」
肩をすくめると、ヒル魔はケケケといつものように高笑いする。
「空の高みから見下ろすような奴にどうこうされる趣味はねぇ」
神に祈ったり願ったりしても、結局のところ全ての結果を左右するのは地道な練習が全て。
地にある彼らは、天の采配を気にする前にやることが山積みなのだから。
「・・・私が走っても、みんなの助けにはならないから」
ひそりとまもりは呟く。
どれだけ皆が練習に明け暮れ、鎬を削り、必死になっているかを目の当たりにしても。
まもりは皆のサポートしかできず、共にフィールドを走ることもない。
戦力として、目に見える形で力になれない。
それが時折心苦しくて、まもりはつい空を見上げるのだ。
「だから月や星に祈るってか?」
ヒル魔の言葉に、まもりは現実に引き戻されて薄く苦笑する。
「出来ることは何でもやる。そうでしょ?」
そんな彼女にぴん、とヒル魔は片眉を上げた。
「そりゃ『出来ること』の範疇とはちょっと違ェだろ」
「そう?」
「外からのサポートがねぇ状態で戦って勝てる程相手は甘くねぇよ」
言外にお前のやるべき事も山積みだ、と告げられてまもりはヒル魔の方に視線を向ける。
「それでもテメェがどうしても祈りたいっつーんなら、俺らに祈ればいい」
いるかどうかも判らない神に祈るより、目に見える悪魔達に祈りを。
まもりはゆるりと口角を上げる。
「悪魔を崇拝するなんて、とんでもない罰当たりね」
ヒル魔はにやりと笑った。
「神なんて糞ケチ臭ェ存在よりももっと確実なモン見せてやるよ」


***
たまには短くあっさりと。
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