旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
あたしのおばあちゃんは、ちょっとその辺じゃ見ないくらい綺麗な人だった。
こんなの映画の中でしかいないよ、ってくらいの美人。
勿論、あたしのおばあちゃんだから年はけっこう食ってるわけで、あたしと比較してどうこうってことはない。
でもそういうことじゃないんだ。わかる?
あたしみたいな女子高生なんて、おばあちゃんの年から見ればピヨピヨうるさいひよこみたいなもの。
下手したらまだ卵の殻ついてるってくらいのね。
ましてやそのときあたしはまだ中学生だったし。
でも、おばあちゃんはそんなあたしでもちゃんと相手をして、話を聞いてくれた。
その時のおばあちゃんを見てたら、しみじみ美人なんだなあって思っちゃった。
孫馬鹿って言われてもいいよ。本当に綺麗なんだよ、おばあちゃん。
仕草も綺麗だし、言葉も優しい。
それで色々話してくれた。
一番面白かったのはやっぱりおじいちゃんの話かなあ。
おじいちゃん、悪魔みたいだったんだって。
おばあちゃんは時々、いたずらっぽくおじいちゃんの話をしてくれた。
あたしが生まれたときにはもうおじいちゃんは亡くなってて、遺影でしか見たことない。
あたしは孫の中でも一番最後に生まれた子だったから会えなかったのは仕方ないのかな。
おじいちゃん、見た目には好々爺っていうのが一番似合う感じなんだよね。
目も細いし、白髪の老紳士っていう温和な感じ。
若い頃鍛えてたからか、年取っても背筋がしゃんとしてたんだって聞いた。
うん、写真見ても優しそうな感じがおばあちゃんとよく似合う。
・・・って言ったらおばあちゃん大笑いしたのよ。
『あの人に優しそうだなんて表現、初めて聞いたわ』
そんなに笑うことだったのかなあ。
おじいちゃんは若い頃アメフトやってて、結構派手な外見してた、なんて言った割にあたしにはその写真を見せてくれなかった。
死んじゃった後は、おじいちゃんは記憶の中でしか存在できない。
だからいいようにも悪いようにも言われるけど、あんまり孫に悪いように言われるのはかわいそうだって。
絶対に悪いように言われる、っていうのが確定なんだよ。
大体長年連れ添ったおばあちゃんからして悪魔だって言うくらいだからなあ。
どんだけ悪い人だったんだろう、おじいちゃん。
え? 別に脱線してないって。
きっかけの話でしょ。最後まで聞きなさいってば。
うちのおばあちゃん、結局去年亡くなったのよ。
そのとき、あたし悲しくて悲しくて。
おばあちゃんの遺体の側にずっといて、お線香の番してたんだよ。
お母さんもお父さんも、全員寝ちゃったけど、あたしだけ起きてて。
そのとき、一瞬すっごく寒くなったんだよ。
去年の丁度今頃、つまり真夏だよ?
去年はめちゃくちゃ暑くて、猛暑猛暑って騒いでた、あの季節にだよ?
エアコン壊れたのかと思って壁見たんだけど、別におかしい様子はなかったの。
それでおばあちゃんの方を見たんだよね。
ほらお棺の中ってドライアイス入ってるでしょ。
そこから冷気でも来たのかなって。
そしたらさ、なんか少し明るいの。
ほんわりした明るさ、っていうの?
おかしいなあって思ったのよ。だって、部屋は別に暗くないんだよ。
むしろ蛍光灯で明るいんだよ。
それなのに、そこだけ別の明るさなの。
・・・ううん、もしかしたらそこだけ少し暗かったのかも。
だから明るく見えたのかも。
・・・うーん、ちょっとよく思い出せないなあ。
ええとともかくね、あたしはその明るいのに目を向けたの。
そしたらそこに悪魔が立ってたんだよ。
真っ黒に沈み込んだような、おかしな気配の悪魔が。
<続>
こんなの映画の中でしかいないよ、ってくらいの美人。
勿論、あたしのおばあちゃんだから年はけっこう食ってるわけで、あたしと比較してどうこうってことはない。
でもそういうことじゃないんだ。わかる?
あたしみたいな女子高生なんて、おばあちゃんの年から見ればピヨピヨうるさいひよこみたいなもの。
下手したらまだ卵の殻ついてるってくらいのね。
ましてやそのときあたしはまだ中学生だったし。
でも、おばあちゃんはそんなあたしでもちゃんと相手をして、話を聞いてくれた。
その時のおばあちゃんを見てたら、しみじみ美人なんだなあって思っちゃった。
孫馬鹿って言われてもいいよ。本当に綺麗なんだよ、おばあちゃん。
仕草も綺麗だし、言葉も優しい。
それで色々話してくれた。
一番面白かったのはやっぱりおじいちゃんの話かなあ。
おじいちゃん、悪魔みたいだったんだって。
おばあちゃんは時々、いたずらっぽくおじいちゃんの話をしてくれた。
あたしが生まれたときにはもうおじいちゃんは亡くなってて、遺影でしか見たことない。
あたしは孫の中でも一番最後に生まれた子だったから会えなかったのは仕方ないのかな。
おじいちゃん、見た目には好々爺っていうのが一番似合う感じなんだよね。
目も細いし、白髪の老紳士っていう温和な感じ。
若い頃鍛えてたからか、年取っても背筋がしゃんとしてたんだって聞いた。
うん、写真見ても優しそうな感じがおばあちゃんとよく似合う。
・・・って言ったらおばあちゃん大笑いしたのよ。
『あの人に優しそうだなんて表現、初めて聞いたわ』
そんなに笑うことだったのかなあ。
おじいちゃんは若い頃アメフトやってて、結構派手な外見してた、なんて言った割にあたしにはその写真を見せてくれなかった。
死んじゃった後は、おじいちゃんは記憶の中でしか存在できない。
だからいいようにも悪いようにも言われるけど、あんまり孫に悪いように言われるのはかわいそうだって。
絶対に悪いように言われる、っていうのが確定なんだよ。
大体長年連れ添ったおばあちゃんからして悪魔だって言うくらいだからなあ。
どんだけ悪い人だったんだろう、おじいちゃん。
え? 別に脱線してないって。
きっかけの話でしょ。最後まで聞きなさいってば。
うちのおばあちゃん、結局去年亡くなったのよ。
そのとき、あたし悲しくて悲しくて。
おばあちゃんの遺体の側にずっといて、お線香の番してたんだよ。
お母さんもお父さんも、全員寝ちゃったけど、あたしだけ起きてて。
そのとき、一瞬すっごく寒くなったんだよ。
去年の丁度今頃、つまり真夏だよ?
去年はめちゃくちゃ暑くて、猛暑猛暑って騒いでた、あの季節にだよ?
エアコン壊れたのかと思って壁見たんだけど、別におかしい様子はなかったの。
それでおばあちゃんの方を見たんだよね。
ほらお棺の中ってドライアイス入ってるでしょ。
そこから冷気でも来たのかなって。
そしたらさ、なんか少し明るいの。
ほんわりした明るさ、っていうの?
おかしいなあって思ったのよ。だって、部屋は別に暗くないんだよ。
むしろ蛍光灯で明るいんだよ。
それなのに、そこだけ別の明るさなの。
・・・ううん、もしかしたらそこだけ少し暗かったのかも。
だから明るく見えたのかも。
・・・うーん、ちょっとよく思い出せないなあ。
ええとともかくね、あたしはその明るいのに目を向けたの。
そしたらそこに悪魔が立ってたんだよ。
真っ黒に沈み込んだような、おかしな気配の悪魔が。
<続>
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鳥(とり)
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性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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