旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
アメリカから帰ってきたら新学期、夏休みの宿題なんてやってねぇぞオイ、という状況の中、なぜだか黒木がイキイキとした顔でやって来た。
確か彼が一番壊滅的に宿題をやっていなかった気がしたのだが。
その他の連中はここのところ練習後に少しずつ片づけているが、彼にはそんな気配が全くないのだ。
彼の今学期の成績がどうなるか、考えるだけで恐ろしい。
いや、褒められる成績の者などアメフト部にはそもそも一部しかいないのだけれど。
「なあなあ! スイカ割りしようぜ!」
黒木の唐突な発言に慣れているとはいえ、戸叶と十文字は不審気な声を上げる。
「ハ?」
「ハァ?」
それを見ていたセナがぽろりと零した。
「さすが三兄弟・・・」
「「「兄弟じゃねぇー!!!」」」
「ひゃっ! ご、ごめん!」
すかさず突っ込まれ、セナは首をすくめる。
けれど入学当初からしたら全くもって慣れた雰囲気で、セナは再び三人の会話に混じる。
「大体よぉ、今年俺たち夏らしい事全くしてねぇじゃねぇか」
「ハ、一応海には行ったじゃねぇか」
「ハァ、一日だけだけどな」
しかもアメリカでだったから何となく雰囲気が違った気がするが。
「ハァアア、だから夏らしいことをやりたい訳よォ」
「なんでスイカ割りなの?」
セナに声を掛けられると、黒木がぱっと表情を明るくした。
「俺の親類に農家がいてよ、そろそろシーズン終わりだからっつってスイカ沢山くれたんだよォ。でも、俺以外の家族は喰い飽きたっつって見向きもしねぇの」
そしておもむろにスイカがどんと机に載る。
しかも大きいのが二玉。
「ハァ、二玉もかよ!」
「ハ、よく持ってきたな!」
「まだ家にはあるんだけどよォ、とりあえずこれだけな」
「これだけって・・・」
デス・マーチの甲斐あってなのか、黒木には大きなスイカも全く重そうではない。
セナは試しに一玉持ってみようと触れたが、ずっしりとした重さを感じて落として割っては悪いと思い直し、すぐ手を引っ込めた。
「んでぇ、今日マネージャーに冷やしてもらってよォ、練習終わったらやろうぜぇ」
ひょい、とそれを持って十文字と戸叶に持たせる。二人も大して重そうではなく、片手で軽々と持っている。
やっぱりバックスとラインは違うよね、とセナは感嘆のため息をついた。
「なっ!」
にかっと笑う黒木に、顔を見合わせた十文字と戸叶は、揃って肩をすくめてスイカを黒木に戻す。
「ハァ、一緒に頼んではやるから、頑張って説得しろよ」
「ハァアア? マネージャーなら平気だろ?」
「ハ! ヒル魔だよ、ヒル魔!」
「・・・ハァアア?!」
目を見開いた黒木は一瞬スイカを落としそうになるが、改めて抱え直してそれでも笑った。
「でも、ま、なんとかなんじゃね?」
「まあスイカ割るだけだし、大丈夫だよ・・・多分」
「そこは言い切れよセナ!」
「『いざとなったら僕が言うよ』くらい言え!」
「だだだだって!」
戸叶と十文字に頭を乱暴に撫でられるセナに黒木も笑っていたが、ふと手に持ったままのスイカを胸の前に持ってくる。
「なあなあ」
「ハ?」
「ハァ?」
「どうしたの?」
三人の視線が黒木に集まった。
「スイカップー。超巨乳!」
胸の前にスイカを並べ、満面の笑みで間の抜けた声でそんなことをのたまう。
「アホか!」
「しかもネタが古い!」
「いでぇえええ!!」
べしんべしんと戸叶と十文字に突っ込まれ、今度こそ黒木はスイカを落としそうになる。
それをセナは慌てて支えた。
その日の練習後のスイカ割りを申し出たところ、意外な程あっさりとヒル魔に許可を貰って黒木は嬉々としてタライに水を張り、スイカを冷やした。
しかし、スイカ割りは結局行われなかった。
「こぉおおのぉぉおおお馬鹿犬がぁあああ!!」
それというのも、冷やしておいたスイカをケルベロスが全て平らげてしまったのだ。
「ガッフォガッフォ!!」
高笑い? しながら走るケルベロスを黒木が追いかけるという光景を目にした一同は。
きっとこうなる事まで考えてスイカ割りの許可を出したんだろうなあ、と。
ニヤニヤ笑いながらその様子を眺めるヒル魔をちらりと盗み見て一様にため息を零した。
***
ねむ様のサイト50000HITを記念しましてリクエストをお伺いしましたところ、『黒木中心のほのぼのを』とのことでしたw50000HITどころかそろそろ60000HITになりそうな中でようやくお届けできました!
ねむ様ホントにお待たせしましたー! やっぱり三兄弟でわあわあ騒いでくれるのが好きみたいです。
現在一周年記念リクエスト消化中でいらっしゃってお忙しいとは思いますが、体調を崩されませんようご自愛なさって下さいませ! 今後ともご活躍を期待しておりますw
ちなみに『サマーキッズ』はスイカの品種名です。
確か彼が一番壊滅的に宿題をやっていなかった気がしたのだが。
その他の連中はここのところ練習後に少しずつ片づけているが、彼にはそんな気配が全くないのだ。
彼の今学期の成績がどうなるか、考えるだけで恐ろしい。
いや、褒められる成績の者などアメフト部にはそもそも一部しかいないのだけれど。
「なあなあ! スイカ割りしようぜ!」
黒木の唐突な発言に慣れているとはいえ、戸叶と十文字は不審気な声を上げる。
「ハ?」
「ハァ?」
それを見ていたセナがぽろりと零した。
「さすが三兄弟・・・」
「「「兄弟じゃねぇー!!!」」」
「ひゃっ! ご、ごめん!」
すかさず突っ込まれ、セナは首をすくめる。
けれど入学当初からしたら全くもって慣れた雰囲気で、セナは再び三人の会話に混じる。
「大体よぉ、今年俺たち夏らしい事全くしてねぇじゃねぇか」
「ハ、一応海には行ったじゃねぇか」
「ハァ、一日だけだけどな」
しかもアメリカでだったから何となく雰囲気が違った気がするが。
「ハァアア、だから夏らしいことをやりたい訳よォ」
「なんでスイカ割りなの?」
セナに声を掛けられると、黒木がぱっと表情を明るくした。
「俺の親類に農家がいてよ、そろそろシーズン終わりだからっつってスイカ沢山くれたんだよォ。でも、俺以外の家族は喰い飽きたっつって見向きもしねぇの」
そしておもむろにスイカがどんと机に載る。
しかも大きいのが二玉。
「ハァ、二玉もかよ!」
「ハ、よく持ってきたな!」
「まだ家にはあるんだけどよォ、とりあえずこれだけな」
「これだけって・・・」
デス・マーチの甲斐あってなのか、黒木には大きなスイカも全く重そうではない。
セナは試しに一玉持ってみようと触れたが、ずっしりとした重さを感じて落として割っては悪いと思い直し、すぐ手を引っ込めた。
「んでぇ、今日マネージャーに冷やしてもらってよォ、練習終わったらやろうぜぇ」
ひょい、とそれを持って十文字と戸叶に持たせる。二人も大して重そうではなく、片手で軽々と持っている。
やっぱりバックスとラインは違うよね、とセナは感嘆のため息をついた。
「なっ!」
にかっと笑う黒木に、顔を見合わせた十文字と戸叶は、揃って肩をすくめてスイカを黒木に戻す。
「ハァ、一緒に頼んではやるから、頑張って説得しろよ」
「ハァアア? マネージャーなら平気だろ?」
「ハ! ヒル魔だよ、ヒル魔!」
「・・・ハァアア?!」
目を見開いた黒木は一瞬スイカを落としそうになるが、改めて抱え直してそれでも笑った。
「でも、ま、なんとかなんじゃね?」
「まあスイカ割るだけだし、大丈夫だよ・・・多分」
「そこは言い切れよセナ!」
「『いざとなったら僕が言うよ』くらい言え!」
「だだだだって!」
戸叶と十文字に頭を乱暴に撫でられるセナに黒木も笑っていたが、ふと手に持ったままのスイカを胸の前に持ってくる。
「なあなあ」
「ハ?」
「ハァ?」
「どうしたの?」
三人の視線が黒木に集まった。
「スイカップー。超巨乳!」
胸の前にスイカを並べ、満面の笑みで間の抜けた声でそんなことをのたまう。
「アホか!」
「しかもネタが古い!」
「いでぇえええ!!」
べしんべしんと戸叶と十文字に突っ込まれ、今度こそ黒木はスイカを落としそうになる。
それをセナは慌てて支えた。
その日の練習後のスイカ割りを申し出たところ、意外な程あっさりとヒル魔に許可を貰って黒木は嬉々としてタライに水を張り、スイカを冷やした。
しかし、スイカ割りは結局行われなかった。
「こぉおおのぉぉおおお馬鹿犬がぁあああ!!」
それというのも、冷やしておいたスイカをケルベロスが全て平らげてしまったのだ。
「ガッフォガッフォ!!」
高笑い? しながら走るケルベロスを黒木が追いかけるという光景を目にした一同は。
きっとこうなる事まで考えてスイカ割りの許可を出したんだろうなあ、と。
ニヤニヤ笑いながらその様子を眺めるヒル魔をちらりと盗み見て一様にため息を零した。
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ねむ様ホントにお待たせしましたー! やっぱり三兄弟でわあわあ騒いでくれるのが好きみたいです。
現在一周年記念リクエスト消化中でいらっしゃってお忙しいとは思いますが、体調を崩されませんようご自愛なさって下さいませ! 今後ともご活躍を期待しておりますw
ちなみに『サマーキッズ』はスイカの品種名です。
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HN:
鳥(とり)
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性別:
女性
趣味:
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自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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よろしくお願いいたします。
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