旧『そ れ は 突 然 の 嵐 の よ う に』です。
ア イ シ ー ル ド 21 ヒ ル ま も ss 中心。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
+ + + + + + + + + +
脅迫手帳を翻せば誰もが平伏し、誰もが恐怖に怯え戦く。
俺と対等の立場にいられるのは糞デブと糞ジジイくらいなもんだ。
そんな狭い世界に、唐突にアイツは現れた。
高校入学当初からアイツは俺のことを目の敵にしていたようだ。
最初はなんだか口うるさい奴だな、というのが先に立っていた。
キャンキャン吠える様は糞赤犬のようだったし、誰もが俺の顔を見るだけで逃げ出すのにアイツだけは真っ向からぶつかってきていた。
「相変わらず煩ェな、糞風紀委員」
「そう思うのなら校則を守って! ピアス外して、ネクタイして、銃器を振り回さない!」
どうせすぐ飽きるだろうと思ってたのに、アイツは俺を見つけるたびに食ってかかって来ていた。
所詮女、ちょっと脅せば引くだろうと思っても、あまり脅す気にならないのも事実で。
奴の脅迫ネタを探す方が難しいくらいの優等生だっつーのもあったが、それは言い訳に過ぎないと自分でも判っていた。
ある日、冷静にそんな自分を分析した結果、俺は結構アイツのことを気に入っているという事実にたどり着いた。
俺にも一応そんな感情があるんだな、というのが気づいたときの第一の感想で、だからといってアイツをどうこうしたいという欲はなかった。
大体俺が泥門高校に所属して糞面倒臭ェ授業やら部活動やらを真っ当にやってんのは、クリスマスボウルという大きな目標があるからで。
それ以外に労力を割くつもりは毛頭無かった。
実際途中で糞ジジイが辞めるとか言い出して途中からそれどころじゃなかったしな。
が。
二年目の春大会、偶然に見つけた糞チビこと光速のRB『アイシールド21』を引きずり込んでの初戦突破。
花火を打ち上げ盛り上がる俺たちの前に、アイツは現れた。
どうやら糞チビと繋がりがあるらしい。
糞面倒臭ェことこの上ないが、今回ばかりは脅迫手帳の餌食にしてやろうと思った。
けれど。
「そんなことはしない」
凛とした声を耳が拾う。
「今、大会中でしょ・・・。失格になっちゃうじゃない」
躊躇うような、こちらを気遣う声。
たぶん、俺の表面上は平然としているだろう。
だが、内心は驚きが大部分を占めていた。
曲がったことが大嫌いで、俺相手にも一歩も引かなかったアイツが。
ここぞとばかりに泣き所を発見したと、嬉々として反撃してくるだろうと思われたのに。
思えば糞ジジイが退学するきっかけを作ろうと校内で喫煙したとき、間近でそれを注意するよりも先に、どうして、と理由を問いかけていたのもアイツだったな。
気が付けばもう、止まらなかった。
クリスマスボウルを目指すという目標を建前に、考えないようにしていた自分の欲が、じわじわと隙間から這い出てくる。
それを平然と押さえ込もうとして、アイツが糞チビを連れて行こうとするのを何もせず見守ってしまった。
なんたる失態。内心舌打ちしたくなる。
だが、糞チビはその手を放した。
そして部活続行宣言をする奴に言いつのるアイツを見ていて、俺はこれがチャンスだと気づく。
俺が、らしくない程に後手後手に回ったのにも気づかないアイツの天然さが今回は救いだった。
糞チビを理由に、アイツをアメフト部に引き込めばいい。
自然と笑顔になるのを止められない。
クリスマスボウルを理由にして手を出さないなんて、情けない言い訳はもうやめだ。
覚悟しやがれ、姉崎まもり。
俺を悪魔から人に引きずり下ろした代償はきっちり払って貰うからな!
***
のりちこ様リクエスト『原作当初の脅迫手帳を戻したヒル→まものヒル魔一人称』でした。久しぶりに原作の1巻2巻を取り出し読んでてほっこり懐かしい感覚になってました。アイシに嵌ったのがかなり遅かったので、この頃の話は皆さん素敵に書かれてらっしゃるかと思ってなんとなく私も手つかずだったんです。
こんなんでいかがでしょうか。楽しんで頂ければ幸いです! リクエストありがとうございましたー!!
のりちこ様のみお持ち帰り可。
俺と対等の立場にいられるのは糞デブと糞ジジイくらいなもんだ。
そんな狭い世界に、唐突にアイツは現れた。
高校入学当初からアイツは俺のことを目の敵にしていたようだ。
最初はなんだか口うるさい奴だな、というのが先に立っていた。
キャンキャン吠える様は糞赤犬のようだったし、誰もが俺の顔を見るだけで逃げ出すのにアイツだけは真っ向からぶつかってきていた。
「相変わらず煩ェな、糞風紀委員」
「そう思うのなら校則を守って! ピアス外して、ネクタイして、銃器を振り回さない!」
どうせすぐ飽きるだろうと思ってたのに、アイツは俺を見つけるたびに食ってかかって来ていた。
所詮女、ちょっと脅せば引くだろうと思っても、あまり脅す気にならないのも事実で。
奴の脅迫ネタを探す方が難しいくらいの優等生だっつーのもあったが、それは言い訳に過ぎないと自分でも判っていた。
ある日、冷静にそんな自分を分析した結果、俺は結構アイツのことを気に入っているという事実にたどり着いた。
俺にも一応そんな感情があるんだな、というのが気づいたときの第一の感想で、だからといってアイツをどうこうしたいという欲はなかった。
大体俺が泥門高校に所属して糞面倒臭ェ授業やら部活動やらを真っ当にやってんのは、クリスマスボウルという大きな目標があるからで。
それ以外に労力を割くつもりは毛頭無かった。
実際途中で糞ジジイが辞めるとか言い出して途中からそれどころじゃなかったしな。
が。
二年目の春大会、偶然に見つけた糞チビこと光速のRB『アイシールド21』を引きずり込んでの初戦突破。
花火を打ち上げ盛り上がる俺たちの前に、アイツは現れた。
どうやら糞チビと繋がりがあるらしい。
糞面倒臭ェことこの上ないが、今回ばかりは脅迫手帳の餌食にしてやろうと思った。
けれど。
「そんなことはしない」
凛とした声を耳が拾う。
「今、大会中でしょ・・・。失格になっちゃうじゃない」
躊躇うような、こちらを気遣う声。
たぶん、俺の表面上は平然としているだろう。
だが、内心は驚きが大部分を占めていた。
曲がったことが大嫌いで、俺相手にも一歩も引かなかったアイツが。
ここぞとばかりに泣き所を発見したと、嬉々として反撃してくるだろうと思われたのに。
思えば糞ジジイが退学するきっかけを作ろうと校内で喫煙したとき、間近でそれを注意するよりも先に、どうして、と理由を問いかけていたのもアイツだったな。
気が付けばもう、止まらなかった。
クリスマスボウルを目指すという目標を建前に、考えないようにしていた自分の欲が、じわじわと隙間から這い出てくる。
それを平然と押さえ込もうとして、アイツが糞チビを連れて行こうとするのを何もせず見守ってしまった。
なんたる失態。内心舌打ちしたくなる。
だが、糞チビはその手を放した。
そして部活続行宣言をする奴に言いつのるアイツを見ていて、俺はこれがチャンスだと気づく。
俺が、らしくない程に後手後手に回ったのにも気づかないアイツの天然さが今回は救いだった。
糞チビを理由に、アイツをアメフト部に引き込めばいい。
自然と笑顔になるのを止められない。
クリスマスボウルを理由にして手を出さないなんて、情けない言い訳はもうやめだ。
覚悟しやがれ、姉崎まもり。
俺を悪魔から人に引きずり下ろした代償はきっちり払って貰うからな!
***
のりちこ様リクエスト『原作当初の脅迫手帳を戻したヒル→まものヒル魔一人称』でした。久しぶりに原作の1巻2巻を取り出し読んでてほっこり懐かしい感覚になってました。アイシに嵌ったのがかなり遅かったので、この頃の話は皆さん素敵に書かれてらっしゃるかと思ってなんとなく私も手つかずだったんです。
こんなんでいかがでしょうか。楽しんで頂ければ幸いです! リクエストありがとうございましたー!!
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プロフィール
HN:
鳥(とり)
HP:
性別:
女性
趣味:
旅行と読書
自己紹介:
ついうっかりブログ作成。
同人歴は読み専門も含めると二桁は楽勝。
よろしくお願いいたします。
【裏について】
閉鎖しました。
現在のところ復活の予定はありません。
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