天候に纏わる５つのお題04.降水確率100％

04.降水確率100％

（泥門デビルバッツ会話）

黙々と筋トレに励む部員たちは時折窓の外を見る。
雨足は昨日からずっと弱まることなく、むしろ強くなっていく。
雨の中でも練習することもあるが、身体を冷やしすぎるのもよくない。ましてや秋の雨だ。
モン太が恨めしそうに空を見上げる。
「雨、やまないっすね」
ふと手を止め、セナが呟く。
「そうだね。明日も降水確率１００％だって言ってたし」
「それは困るね」
雪光の沈んだ声に、みな言葉はなくとも同意する。
この雨は明日も続くらしい。筋トレも大事だろうけど、早く晴れ渡った空の下で走り回りたいと思うのは皆同じだ。
「そうだ！」
名案を思いついた、とばかりに突然まもりが声を上げる。
笑顔でヒル魔に向かい、言いはなったのは。
「ヒル魔くん、甘い物食べてみない？」
「は？」
「はぁ？」
「はぁああっ？」
ヒル魔に代わって返答したのは三兄弟だった。
「・・・・・・雨で頭にカビでも生えたか、糞マネ」
「違うわよ！　ほら、普段しないことをするとよく雨が降るっていうじゃない」
「そりゃ言うけど、それなら雨が酷くなるんじゃない？」
「フゴッ」
栗田＆小結ペアが同意を示すも、珍しく突っ込む。
「だから、ヒル魔くんなのよ」
「・・・ああ、そうか。普通の人ならその通りやって雨かもしれんが、ヒル魔ならひねくれてるから晴れるだろう、ってことか」
納得して補足説明したのはムサシ。
だがもちろん我らがキャプテンはそんなことでほいほい嫌いな物を口にするわけがないのだ。
「ケッ、そんな迷信で糞甘臭いモン喰わされてたまるか！」
「アハーハー！　物は試し！　ここは僕がひとつ！」
「瀧、オマエがやったって意味ねぇっての！」
瀧とモン太が騒いでいるが、まもりは諦めずヒル魔に言いつのる。
「ねぇ、試しに食べてみればいいじゃない」
「黙れ糞シュークリームマニア！　テメェの屁理屈も発言も何もかもが甘臭くて煩ぇっ！　寄るな！」
「ひどーい！」

結局、翌日も雨でした。

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お題はこちらからお借りしました。
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天候に纏わる５つのお題